
【20-2】朝の連続派遣小説『へばりつく』
「田中さんって高田部長の流れだから、社長寄りってことですよね?私はそういうのから戦線離脱しちゃいましたが、今回のことはそういう視点でも話題に...
「田中さんって高田部長の流れだから、社長寄りってことですよね?私はそういうのから戦線離脱しちゃいましたが、今回のことはそういう視点でも話題に...
【20】 「しばらくお世話になります」 慣れないオフィスに身を置くのはなかなかストレスがたまる。 大手町には仕事でよく来る...
【19】 「それで、なんでこんなことになったんだ」 語調の荒い問いかけに体が縮こまる。こうしている間にも清水敦子はウチの会社の至...
昨晩のヤケ酒の二日酔いでぼんやりとしていた頭が徐々に仕事モードに切り替わっていく。山下課長が対応するのか。永岡との電話では言わなかったが、ト...
【18】 「ほら!もっとボールを見て!みんなでボールに集まるな!」 「もっと気合入れてぶつかっていけ!」 川沿いにある運動...
地下道を半ば走るように新宿駅に向かう。途中、彼女が追いすがってくるような気がして不安になり、地上に上がる階段に体を滑り込ませる。息を切らせな...
【17】 「派遣先は彼女に対して特に悪い評価はしていないようでした。と言うのも今のところ勤怠もいいですし、お客さんからの目立ったクレー...
「これってアザ?」コクっと小さく頷く彼女の手を取り、しげしげとアザの様子を確認する。「旦那さんに殴られたの?」と聞くと、「殴られたり、つねら...
【16】 その年の新卒は合計で百人くらいだった。八割は総合職で、残りの二割は事務職。配属までの新卒研修は職種に関係なく行われ、四月から...
【15】 《昨日、また清水さん来たんですってね?なんかすごい大きい声が聞こえたってみんな言ってました。あと部長が青い顔して出てきたって...