【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】実父が他界されたことを機にメンタル不調が心配される派遣社員Mさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】実父が他界されたことを機にメンタル不調が心配される派遣社員Mさんのクレーム対応

私の担当派遣社員として派遣先のO社に勤務してくれている30代女性のMさんですが、実父が他界されたことを機に、ミスが多くなり、勤務態度や勤怠も急速に悪化したという派遣先からのクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

クレーム経緯

●派遣社員MさんはO社で一般事務として1年近く働いている

●業務の正確性高く、職場でのコミュニケーションもうまく取れており、勤怠も良くて高い評価を頂いていた

●1ヶ月前に実父が他界され、大変落ち込んだ様子であった

●その後から就業中にボーっとしていたり、ミスが目立つようになった

●ちょっとしたことで、職場で人間関係のトラブルを起こすようになった

●ご不幸があって以降、毎週月曜日に必ずといっていいほど体調不良で欠勤する

●これまでとても貢献してくれており、実父が他界されたことには非常にショックを受けていたようなので、しばらく様子を見ようと思ったが、職場でも派遣社員Mさんの業務パフォーマンスや業務態度を疑問視する声も上がり始めていて、一度派遣会社から本人に様子を聞いてもらい、注意すべきは注意してほしい

対応のポイント

  • 派遣先からのヒアリングだけで判断すると、実父が他界したことをきっかけとしたメンタル不調の懸念もあり、不用意な発言をしないように注意する
  • Mさんのこれまでの働きは高い評価を頂いていたし、これまでの人間関係の中でとても常識のある人だと思っているので、こちらから注意めいたことは言わず、ヒアリングの中から本人の気づきや反省、改善を促すアプローチを心がける

対応経緯

自らホンネを話してもらう工夫

派遣先との打ち合わせ後に、Mさんとの面談を行いました。

まずは私から質問をしました。

  • お父様が亡くなられて少し経ったが、ご家庭は落ち着かれたか?仕事との両立が難しいようであれば、一時的に時短や就業日数を減らすといった調整をする

面談に呼ばれたMさんは、一体なんの話かと構えた様子でしたが、近況確認だと理解をしたようで、ポツリポツリと話し始めました。

  • 私は独身で、肉親と言える人は父しかいなかった
  • 同居をしていたが、父が他界したことで1人になってしまい、心の支えになるものがなくて戸惑っている
  • 生活のペースが狂い、食事も満足にとっていないので体調を崩すことが多くなった

ひたすら話に頷きながら話を聞きつつ、話すことで気が紛れている様子でしたので、いくつか質問をして、お話をしやすい環境を作りました。

とは言っても、特別に私の質問をするスキルが高いわけでなく、Mさんが話した話をオウム返しにし、語尾を質問風にしているだけです。

例えば、「心の支えになるのがお父さんだけだったんですね?」「やっぱり2人の生活が1人になると、生活のペースはだいぶ変わりますよね?」「体調崩してるんですか?」など。

1時間ほど話した話をまとめると、Mさんは現在次のような環境にいて、不安を感じているようでした。

  • 信頼できる身内が父くらいしかいなかったので、頼れる存在がいなくなってしまった
  • 父と実家住まいで、自分の給与と父の年金でなんとか生活ができていたが、今後一人でやっていけるのかどうか不安
  • 悲しみと先々の不安が頭から離れず、夜もあまり眠れない
  • 特に日曜の夜に、来週からのことを思うと暗澹とした気分になり、月曜に会社に足が向かず、欠勤をしてしまう
  • 出勤してもどうしても集中できず、イライラして周りの人にあたってしまうことが増えた

ここまでの情報を得るまでも、ひたすらオウム返しに質問を繰り返し、出来るだけ質問をされていると感じないように話を深掘りしていきました。

ある程度話の終わりが見えてきたところで、Mさんに初めて質問らしい質問をしました。

「Mさんのお話をおうかがいすると、お父さんが亡くなられたことで、とても悲しまれていて、同時に将来にわたっての不安も強く感じているんですね?それは体調も崩してしまうし、イライラもしてしまうよなぁと感じました。」

「なにかのご縁でMさんの担当をさせてもらっているので、私に出来ることや、してほしいことってありますか?」

すると、Mさんは「正直、今は何をどうしたらいいのか、全く考えられない」といいます。

どうしていいかわからないと言われたら

私には大した学がないので、あくまで経験上でものを言いますが、それほど難しくない質問に対して「どうしたらいいかわからない」「何も考えられない」というような返答が返ってきたときに、メンタルに不調をきたしているかも?という懸念を感じます。

そういった場合には努めて性急に結論を求めないようにしていますが、人材派遣という働き方ゆえに派遣先あってという状況もあることから、こちらからいくつかわかりやすい選択肢を投げかけるようにしています。

今回のMさんの場合は次のように質問を投げかけました。

  1. Mさんとしてフルタイムで働けそうということであれば、生活もあるし、しばらく様子を見ながらフルタイムで働く
  2. すでに体調不良であったり、月曜に会社に足が向かないといった精神状況もあることから、1週間程度など、少しまとまった休みを頂く
  3. 週3〜4日間など、勤務日数や勤務時間を減らすことで体力的、精神的負担を軽減する

いずれも、派遣先には許可を頂いてはいませんが、提案としてMさんに話すことで、Mさんの自分自身に対する見方がわかることもあり、投げかけをしてみました。

Mさんはだいぶ迷った様子でしたので、「今すぐに返事を求めているわけではないので、週明けにお考えを聞かせてください。別に私がお話ししたことにこだわらなくてもいいんですよ」と伝え、その日の面談はおわりにしました。

派遣先とのすり合わせ

その後、派遣先と再度打ち合わせを行いました。

Mさんが実父の他界を機に、悲しみや不安で体力的にも精神的にも追い込まれていることをお伝えしました。

ですが、すぐに今後の就業が危ぶまれるものではなく、一時的な体調・メンタル不調を解決するために協力を頂きたいことをお願いしました。

また、これまでのように働くために、本人が自分自身の体調や精神状態をどう捉えているかを推し量るためにも、いくつかの選択肢を話し、週明けに答えをもらう段取りになったことも合わせてお伝えしました。

これまでMさんが活躍してくれていたこともあり、派遣先からの反応は好意的なものでした。

  • Mさんの現状は実父が他界されての一時的なものだと理解している
  • 少し時間や手間をかければ元のように活躍してくれるなら、まとまった欠勤や、時短といった対応は問題ない
  • メンタル不調が疑われるようであれば、注意をしてもらうよりも、今回のようにヒアリングをする事で自覚を促すアプローチをしてもらって正解だったと思う

派遣社員Mさんと再度の面談

Mさんと再度の面談をし、Mさんなりの答えを聞きました。

Mさんとしては、体調面への心配はありつつも、収入への不安もあるしフルタイムからしばらくは週4日の勤務にしてほしいとの希望でした。

悲しみは癒えないのでしょうが、私生活も仕事もうまくいかないといった切羽詰まった状況から、仕事に関しては少しでも上手くいく兆しを感じたのでしょうか?多少顔色は良くなったように感じました。

その後にお客様に週4日間の勤務をお願いし、しばらくMさんの様子を見ていこうといった結論となりました。

私のホンネ

長年、派遣会社営業担当の仕事をしていると、メンタル不調だけでなく、精神疾患や障害など様々な不調を抱えた派遣社員と巡り合います。

毎回勉強不足を反省することが多いのですが、その度に自分なりに調べて対応に細心の注意を払うようにしています。

ただ、本人にメンタルヘルス不調や精神疾患や障害などの自覚がなく、が故に適切な治療を受けていないケースは対応が非常に難しく、派遣先と派遣社員双方に板挟みになって相当苦戦します。

それこそ、私が不調を訴えそうで、何事もバランスが必要だなぁと感じる毎日です。

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