【続編②】【派遣会社営業マンのクレーム対応報告】お金がすべて!?契約更新ごとに時給アップを求めてくる派遣スタッフNさんのクレーム対応②

【続編②】【派遣会社営業マンのクレーム対応報告】お金がすべて!?契約更新ごとに時給アップを求めてくる派遣スタッフNさんのクレーム対応②

派遣会社営業マンのクレーム対応報告】お金がすべて!?契約更新ごとに時給アップを求めてくる派遣スタッフNさんのクレーム対応①でお伝えした派遣先のD社に勤務してくれている40代女性のNさんですが、派遣先担当者や私の会社の前任営業マンの言う通り、結構な曲者で、今回の契約更新でも時給アップの希望がありました。

ただ、私の印象として毎回の時給アップ要求はやりすぎだと思いつつも、仕事はきっちりやってくれているようですし、私が派遣先担当者に交渉する際の交渉材料も用意してある用意周到ぶりで、派遣元として派遣先へも時給(売上)交渉をしない理由はありません。

また、D社の親会社から請け負った業務をNさんに仕事を丸投げにし、直接親会社の担当者とやりとりをさせるという、ほぼ偽装委託(もしくは偽装派遣)状態ながら、Nさんの業務内容や業務量を把握する努力をせず、「時給は上げれないけど、モチベーションは下げさせるな」という派遣先担当者を正直、腹立たしく思っていました。

ここはひとつ、派遣先担当者に一泡吹かせてやろうと悪巧みをしつつ、派遣先担当者と再度の打ち合わせをすることにしました。

対応経緯

お客様への対応のポイントをおさらい

今回、Nさんの件でお客様からクレームを受けた最初の打ち合わせでは、次のような対応のポイントを考えました。

  • Nさんは今後も都度時給アップをら要望してくると考えられ、Nさんである限り、今回のような話は繰り返される。このポストは絶対にNさんでなければいけないのかを確認する
  • Nさんでなければいけないのであれば、その理由は何かを確認する
  • Nさんでなくてもいいのであれば、どう言ったタイミングであれば入れ替えが可能かを確認する
  • Nさんの要望通り、時給アップをするために、業務の幅を広げたり、職種を変えたりすることができるかどうかを確認する

前提として、「毎回時給交渉をしてくる疎ましいNさんの問題を解決するには、人を入れ替えるしかない」といった対応のポイントでした。

Nさんと話をしたことで、私はどちらかというと無責任な派遣先担当者に一泡吹かせてちやろうと思っています。なにか別の作戦が必要でしょうか?

いえ、基本は同じポイントで対応をできると考えています。

お客様寄りで対応すれば「この際、根本解決をするにはNさんを入れ替えるしかないと思います。すぐには無理にしても、タイミングを考えればできなくはないんじゃないでしょうか?」という、人の入れ替えを前提にお客様と連携して、出来るだけ人の入れ替えによる影響を少なくするためにはどうしたらいいか?を協議するアプローチになります。

今回はNさん寄りで対応しようと考えているわけですが、Nさんからのヒアリングや、これまでの担当者とのやりとりから随分情報が増え、次のような作戦が立てられます。

  • この担当者は何だかんだ言って面倒くさがりなだけ
  • 何より急に人が入れ替わって、上司から叱られたり、自分の仕事が増えたりするのを恐れている
  • であれば、「派遣会社としてNさんのように自己主張が強く、毎回のように時給交渉をしてくるような派遣スタッフは、当社として御社に派遣することは適切でないと思っている。ついては、人の入れ替えは可能か?」と言うように派遣元としての義務感から人の入れ替えを提案すれば動揺するはず
  • もし、「人の入れ替えは待ってほしい」と言ってきたら「しかし、Nさんはこのままの条件では継続できないと言っていますよ?何か策はおありですか?」とボールを先方に渡すことができる

果たして机上の作戦がうまく行くかわかりませんが、試してみることにしました。

ちなみに2つほどキラートークを準備していますが、それは後のお客様との打ち合わせの中でご紹介します。

お客様との打ち合わせ

事前に考えた作戦をもとにお客様との打ち合わせに臨みました。

まずは私からNさんとの面談結果を報告します。

  • やはりNさんからは時給アップの要望があった
  • しかし、単に要望しているだけでなく、Nさんからはこれまでの業務成果や、親会社のた担当者から直接請け負っている担当案件の一覧などの資料をもらっており、この資料から見て取れる状況をもとに時給アップを希望すると言う、一応、筋の通ったものであった
  • まずはこの資料をご覧いただき、Nさんの要望が適切なものかを教えていただきたい

最初から喧嘩をしてもしかたありませんので、まずはNさんからの資料をみて先方がどう判断するのかを探ってみました。

先方からは次のようなコメントがありました。

  • Nさんが活躍してくれているのはわかっている
  • ただ、前も話した通り、事務職の上限値になっており、これ以上時給を上げることはできない
  • そもそも時給は派遣会社と本人の問題なのだし、そちらで解決してほしい
  • 当社は派遣された人材が引き続きモチベーションの高い人材であることを望むだけだ

派遣先担当者は「時給は派遣会社と本人の問題」と、これまでの経緯を無視して居直ったとも取れる論点をずらす切り返しをしてきました。

であれば、こちらも応戦です。

ただ、相手はお客様ですから、先にワンクッション、先方を立ててあげることにしました。

  • 御社内で職種別に契約額の上限があるのは理解しており、その最大額まで出していただいているのは感謝している
  • ただ、派遣スタッフは御社だけが派遣先ではなく、売り手市場の昨今、選択肢は広がっている
  • 当社にとって御社との取引は重要なので、当社の企業努力でどこまで本人の納得する待遇を実現することができるか持ち帰って検討したい

へりくだった私の答えに溜飲を下げる担当者に、重ねて質問をしました。

  • もし、御社の職種別に契約額の上限を関係ないものと仮定した時に、Nの働きぶりはどのように評価されるのか?

その問いに担当者は「上限さえなければ、もっと上げてあげられる働きをしているよ」と答えます。

「ひっかかった!!」と思った私は次のように話しました。

  • これまでの経緯で、Nは御社からそんなに評価をして頂けている人材だとは思っていなかった
  • 当社が企業努力でNの希望の待遇を叶えようとしても正直限界があるとかんじている
  • Nは待遇が変わらなければ退職を匂わせている
  • 当社が今回の時給アップ要求を満額回答できず、Nがしぶしぶ契約更新をしたとしても、モチベーションを維持することは難しいだろうし、また時期を変えて再度の交渉をしてくるだけで問題の先送りでしかない
  • 御社のご評価のとおりNが優秀なのであれば、本人が条件面で納得できる他の派遣先に変えた方が建設的なように思う
  • ついては、次回契約から別の人材を提案したいと思うがいかがか?
  • 合わせて、Nから業務内容や業務状況をヒアリングする中で、実態として偽装委託や偽装派遣の懸念があると心配している
  • こうした懸念も人材を変えることである程度解決できるのではないかと考えている

話の流れがガラッと変わり、担当者は唖然としています。

私は喧嘩腰で話しているわけではありませんし、「人材を変えたい」と提案している理由は先方の望んでいた「Nさんの毎回の時給アップ交渉を避ける根本解決」、重ねてキラートークの1つ目である「偽装派遣・偽装委託の懸念解決」ですから、担当者は反論しようもありません。

とはいえ、先方もなんとか劣勢を立て直そうと粘ります。

  • 人を変えるというが、Nさんと同じパフォーマンスを出せる人材が用意できるのか?
  • もし、同等の人材が用意できなかった場合にどう責任を取るのか?

また、「ひっかかった!!」と思いました。

  • 当社として人選は最大限の努力を払うが、人材派遣という仕組みでは成果物責任という考え方がなく、Nさんより劣る経験値やスキルの分は契約金額を下げることで対応させてほしい

すると、担当者が悪そうな顔で反論します。

  • そんなのは責任逃れだ、会社として、そんな態度が許されるのか!?

またまた、「ひっかかった!!」と思いました。

  • ご指摘は真摯に受け止める
  • であれば、人が変わらなければいいわけで、条件面の問題も解決され、偽装派遣・偽装委託懸念の問題も解決できる策として、Nを御社で直接雇用して頂いて構わない
  • 通常は紹介手数料を頂くが、今回の経緯もあり、会社の誠意といいう意味でもご請求をしないよう上司に上申する

キラートークの2つ目は「そんなにNさんでなければいけないなら、御社で直接雇用してください」でした。

もちろん、担当者にはそんな権限がないのはわかっていますし、D社では派遣スタッフからの直接雇用が狭き門であることも知っています。

ただそれは「そちらの都合」であって、私の提案は身を切った、道理の通った内容になっていますから文句を言われる筋合いはありません。

ぐうの音も出なくなった担当者は「直接雇用は無理なので、時給の件を検討します」と答え、打ち合わせは終わりました。

後日、Nさんが望むかたちでの契約金額増額の返答があり、交渉は成功という結果になりました。

私のホンネ

お客様相手の営業という仕事ですし、できればお客様と喧嘩になるのは避けたいのですが、今回のように道理の通らない無茶振りを唯々諾々と受けるつもりもありません。

ベテラン営業マンなのに青臭いとよく言われますが、私が求めるお客様との関係は「ビジネスパートナー」であって「業者」ではないのです。

それにしても今回の担当者は、よく会話の罠に引っかかる人でした。ちょっとやりすぎましたかね。

今回は経緯上、Nさんの希望に沿った結果になりましたが、次回の契約更新時も時給アップを希望してくるとしたら、さすがにそれはやり過ぎということで次はNさんと対決しなければいけないかもしれません。

これまた先が思いやられますね・・・

前編①はこちら

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コメント

  1. 匿名 より:

    何度読んでも興味深いです。

  2. foo より:

    コメントありがとうございます。今後もご興味頂けるよう記事作り頑張ります。