【派遣社員のための社会保険講座】がん保険はいらない!?その7つの理由

派遣社員のための社会保険講座】がん保険はいらない!?その7つの理由

がん保険はいらない!?

結論からお伝えしますと、私はがん保険に入っていません。

がん保険の検討材料は診断給付金ですが、ほとんどのがん保険の診断給付金が100~200万円位であることを考えると、100~200万円位の貯蓄があれば、なんとかなると思うからです。

何とかなりそうなのに、なるかどうかわからないがん保険の保険料を払うのはもったいないですものね。

少し長くなりますが、私ががん保険はいらないと考えた理由について、7つに分けてご紹介します。

理由①そもそも保険とは貯蓄でカバーできないような大きなリスクに利用するものだから

そもそも保険とは貯蓄でカバーできないような大きなリスクに対応するための仕組みです。

例えば子供が成人するまでの教育費や生活費といった多くのお金がかかる時期に、主な収入源である夫が死亡しても、妻と子供が無事に暮らしていけるよう、数千万円単位の保障を受けられるような保険に入るというようなことですね。

がん保険の数千円~100万円単位の給付金(診断給付金、入院給付金、通院給付金など)のために、合計で100万円前後の保険料を支払うとしたらずいぶん割の悪いサービスにお金を払っているということになります。

理由②がん保険単体で検討をするようなものではないから

がんは病気は生死にかかわる重大な病気であり、莫大な医療費のかかる病気として良く知られています。漠然と「がんになったら大変」というイメージが広く定着しているわけです。

そんながんに対応するがん保険は、がんという病気の重大さの割に、毎月の保険料が数千円という払いやすい保険料ということもあり、つい深く考えずに加入を検討してしまいます。

ただ、毎月の保険料を通算すると100万円前後の保険料を払うことになりますし、なによりリスクごとに保険に入っていたのでは、いわゆる保険貧乏になりかねません。

それぞれのリスクに対して、それぞれ保険に加入するとなると、いったい毎月いくらの保険料を払えばいいのでしょうか?

リスクは一度にまとめて来るものではありませんし、そもそも老後や介護などはある程度時期を予測できます。時期が予測でき、準備期間があるリスクに対しては貯蓄など他の手段での対応もでき、保険の優先順位は下がります。

また、リスクに対して貯蓄で準備をするとして、例えば貯蓄した100万円を必ず医療リスクだけに使い道を限る必要があるでしょうか?

現金の使い道は自由なものですし、それぞれのリスクも必ず、もしくは同じ時期に起こるわけではないわけですから、「医療と介護の両方に備えるための100万円」というような考え方でも矛盾はないはずです。

後にも触れますが、健康保険や年金、介護保険などのいわゆる公的保障制度が、どれだけの保障をしてくれるのか把握しておくべきです。民間の保険に入っていないと「無保険」状態だと極度に心配する方がいますが、公的保障制度は「最強の保険」なんです。

保険は「このリスクにはここまで対応できればOK」というような割り切りが大事だということですね。

理由③そもそもがんになる確率は低いから

「2人に1人ががんになる時代」というキャッチコピーが飛び交いますが、果たして本当でしょうか?不安をあおるキャッチコピーに安易に流されず、データに基づいて冷静に判断することが重要です。

図)

国立がん研究センター がん情報サービスによると、生涯でがんになる確率は確かに男女とも、「2人に1人ががんになる時代」ということになります。ただ、これを年齢別の表にするとずいぶん様子が変わります。

図)

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男性は70歳以降、女性は80歳以降にならないとがんになる確率が2割を超えることはないのです。こうなってくると「2人に1人ががんになる時代」というキャッチコピーもとらえ方が変わってきます。データで見るに、一般的に考えられているよりもがんになる確率は低いのです。

また、よく「がん家系」といいますが、遺伝をするがんはごく一部であり、全体の5%程度です。喫煙や飲酒、食習慣、肥満などの方が要因としては圧倒的に大きく、家族にがんがいるということだけを理由として、「がん家系だし、自分も必ずがんになるのでは・・・」といった心配は早計です(詳しくはこちら)。

そうなると2つの考えが浮かびます。

●がんになる可能性の低い60代までにがん保険に入る必要はないのではないか?

●70歳以降にはがんになる可能性が高くなるとわかっているのに、わざわざ保険という「ギャンブル」をする必要があるのか?

自分なりに調べてみて、がんになる確率は意外と低いというのは意外な結果でした。データから導き出される答えは都合よく作ることもできますから、自分でデータを見てみることは大事です。

理由④がんになる確率の高い老後は、保険より貯蓄で対応したほうがよいから

理由③でも示した通り、がんになる確率が高まるのは70歳以降になります。そうなると60代まではがん保険に入らず、70歳以降でがん保険に入ろうと考えるのも自然ですが、本当にそうでしょうか?

【前提条件】

  • 男女とも70歳以降にがんになる確率が高くなる
  • 平均寿命 女性 87.14歳、 男性 80.98歳(2016年)
  • 生涯でがんになる確率は男女とも2人に1人

【懸念点】

  • 保険料を払い込む期間が短いので保険料が高額
  • 1/2でがんにならない(ハズレくじ)
  • 寿命が近いのでがん以外で亡くなる可能性が高まる

【結論】

  • 70歳以降になったらがんになりやすくなる、寿命が近いので別の理由でも亡くなる可能性が高くなるというのは想定のできるリスク
  • 想定できるリスク=準備のできるリスク=貯蓄など保険以外での対応が妥当
70歳以降でがん保険に入ってもハズレくじになる確率の方が高そうですね。がんをはじめ、寿命が近づけは医療費がかかることは想定できますから、貯蓄で対応した方がよさそうです。

理由⑤100~200万円の貯蓄があれば、当面の医療費は払えるから

がんになるといったいいくらかかるのでしょうか?

がん=お金がかかる病気というイメージが強く、またその費用が見えないことから、ことさら不安ばかりが先に立ち、「とりあえずがん保険にさえ入っていれば安心」という安易な考えになりがちです。正しい情報を得ることで冷静に判断をしましょう。

がん治療費.comで調べると、イメージ通りにかなり高額な医療費がかかることがわかります。

【例】乳がん Ⅰ期ステージでの治療方法と治療費(概算)

ただし、この金額は純粋な医療費であって、健康保険により3割負担となりますし、高額療養費制度の利用により、仮に1カ月に医療費が100万円以上かかっても、自己負担は8万円+α(一般的な所得の人の場合)までで抑えられます。

一般的にがんになった初年度の自己負担は50万円程度、その後の再発や転移がなく、定期診断のみであれば翌年以降は年間5~10万円前後の自己負担が目安となります。

この自己負担額は病状によってかなり違いがあるため、必ずいくらに収まるというものではありませんが、心配し始めるときりがないので、「このリスクにはここまで対応できればOK」というような割り切りが大事です。

さしあたり手元に100~200万円の貯蓄があれば、がんになったとしても当面の対応が可能です。なるかわからないがんを極度に恐れて、掛け捨ての保険料を払い続けるよりは、他の用途にも使える貯蓄をしたほうが賢い選択なのではないでしょうか。

また、がん保険は100万円程度の診断給付金が一般的です。ということは、手元資金で100万円を払える人にがん保険はあまり意味がないということでもあります。

逆に考えれば、がんを含めた医療費のための貯蓄として100万円が貯まるまでがん保険に入るという考え方もできます。保険は貯蓄で対応できないリスクをカバーするための仕組みですから、収入の低い人ほど加入の必要性が高まるわけです。

理由⑥社会保険で負担を軽減できるから

がんになることの不安の原因はなんでしょうか?なぜがん保険に入ろうと考えたのでしょうか?

  • 手術や入院などに多額の医療費がかかる
  • 再発や転移により、果てのない闘病で際限なく医療費がかかる
  • これまでのように仕事ができない、もしくは退職による収入減
  • もしものことがあった時の残された家族の生活

お金にまつわる不安の払しょくが主な目的になると思いますが、「民間の保険に入っていない=無保険」なんて誤解をしていませんか?

日本は社会保険大国です。特にサラリーマンの方は毎月給与から天引きされている社会保険料ですでにかなりの保険に入っているんです。

がんになった場合に関連する代表的な社会保険の制度は次の通りです。

①健康保険の高額療養費制度

医療費が家計の大きな負担にならないよう、ひと月の医療費が上限額を超えた場合にその超えた額を支給してくれる仕組みです。

②健康保険の傷病手当金

病気休業中に勤務先から給与の支払いがない場合に、最長1年6か月間、一定額が支給される仕組みです。

③国民年金の遺族基礎年金、厚生年金の遺族厚生年金

国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

毎月給与から天引きされているからあまり意識しませんが、毎月結構な保険料を払っていて、その分の保障がすでにあるということですね。

理由⑦あんなに販売コストをかけた商品が消費者にメリットがあるわけがないから

テレビをつければ保険のCM、ネットにつなげば保険のバナー広告、街を歩けば保険の広告、会社に行けば昼時のエレベーターホールやロビーで保険外交員の姿を見かける・・・加入を促進するためにかかっている費用はいったいどこから捻出されているのでしょうか?

特にがん保険は頻繁にテレビCMを見かけます。あれだけテレビCMをうつということは、それだけ保険会社にとって旨みのある商品ということなのでしょう。

その販売コストはすべて保険料から捻出されているわけですから、加入者にとってメリットの高い商品であるわけがありません。良い商品はそれほど販売コストをかけなくても売れるものです。

残念ながら保険業界では「契約を取ったもの勝ち」といった荒っぽい営業方針で、ビジネスモラルの低い販売員がお客様の知識が少ないことをいいことに、必要もない保険を提案している現実があるのです。

保険に限らず、サービスのコスト構造を意識すると割高なのか割安なのかの見当つきやすいですね。

私のホンネ

私見ですが、がん保険を販売する保険会社は「がん」という病気を必要以上に大きなリスクとしてあおり立てすぎだと感じます。

データを見てみると、子育てなどでもっともがんになると困る60歳前後まではがんになる確率はとても低いですし、がんになる確率の高まる70歳以降については、寿命までの短い期間にわざわざ高い保険料を払って1/2でしかなる確率のないがん保険に入るメリットはありません。半分ハズレくじで、お金を捨てるようなものです。

がんというリスクだけに目を向けるのではなく、自分にこれから起こりうるさまざまなリスクに目を向け、バランスよく対応することが必要です。

また、リスクに対応する仕組みは民間の保険だけではありません。

国民年金、厚生年金、健康保険、介護保険など日本の公的保障はとてもお得で優秀です。またお勤めの会社の福利厚生、会社が生命保険会社と契約している保険料が割安な団体保険なども見逃せません。

さまざまな仕組みにアンテナを張って、よりお得で効果の高いリスク対応の仕組みを作りましょう。

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