【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】就業初日から欠勤し、ずるずると就業開始が先延ばしになっていく派遣社員Pさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】就業初日から欠勤し、ずるずると就業開始が先延ばしになっていく派遣社員Pさんのクレーム対応

私の担当派遣社員として派遣先のK社で就業が決まった40代男性のPさんですが、就業初日から体調不良で欠勤し、ずるずると就業開始が先延ばしになっていくというトラブルがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

トラブル経緯

●派遣社員PさんはK社で事務職として就業開始する予定であった

●就業開始前日の夜になり、派遣社員Pさんから「風邪をひいて体調がとても悪く、明日からの出勤ができない。就業開始日をずらしてもらえないか?」との連絡があった

●翌日も同様の連絡があり、ずるずると就業開始日が先送りになる懸念を抱く中、Pさんと約束していた都度の状況の連絡もなく、そもそもPさんにK社での就業意欲があるのかどうかを確認する必要が発生した

対応のポイント

派遣社員への対応のポイント

就業開始予定日に出勤せず、ずるずると欠勤を繰り返すという状況は一般的な感覚では考え辛い状況です。

体調不良や身内のご不幸など原因は様々ですが、経験上、就業初日から欠勤をするケースでは、結局就業開始ができなかったり、就業開始ができても、その後なんらかの理由で勤怠が悪くなり就業継続ができなかったりと、派遣社員に振り回されるだけで、派遣先に迷惑をかけるパターンが多いのです。

とはいえ、最初から派遣社員を疑ってかかるのもどうかと思いますから、日々の本人との勤怠連絡の中で、次のようなポイントをもとに対応する必要があります。

  • Pさんが就業意欲があるのに本当に体調が悪くて出勤ができないのか、なんらか別の理由で出勤をすることができず欠勤を繰り返しているのかを見極める
  • 「体調が良くなるまで数日様子を見ましょう」といった対応はせず、必ず毎日欠勤連絡をしてもらい、都度状況を確かめる
  • 通院を促し、早々に通院をしてくれるかどうかによって早期に出勤をする意思があるかどうかを推し量る、また医師の診断により病状を確認するとともに、派遣先に対して就業開始日の先伸ばしをお願いする会話の材料にする

本人が体調が悪いと言っているのに、疑ってかかるのは申し訳ない気持ちもありますが、派遣先にも迷惑をかけていますので仕方ありません。

また、日々コミュニケーションをとることで本人の考えを推し量ることもできます。

Pさんはたまたまタイミングが悪く体調を崩してしまったので、なんとか就業開始までサポートしてあげるべき人なのか、なんらか別の理由があって故意に就業開始日を先延ばしにしている人なのかという判断です。

対応経緯

日曜日(就業開始予定日の前日)

就業開始予定日は月曜日でしたが、その前日の日曜日の夜遅くにPさんから「風邪をひいて体調がとても悪く、明日からの出勤ができない。就業開始日をずらしてもらえないか?」との連絡がありました。

熱も38度近くあり、頭痛と寒気がひどく、とても出勤ができないとのことで、とりあえず派遣先担当者にメールだけ出しておき、週明けに事情を説明して就業開始日を1日延期してもらう調整をすることにしました。

また、Pさんには早期に体調を回復させることとインフルエンザでないかを判断するために、翌日月曜日には必ず通院をするとともに、その診断結果踏まえて、再度出勤日を決めたいので日中電話を欲しいことをお願いしました。

【約束】月曜日に通院し、診察結果をもとに再度の出勤日の設定するために電話をもらう

月曜日(就業開始予定日当日)

朝一番で派遣先担当者に電話をし、週末の昨晩にPさんより体調不良で初日から出勤することができないことをお詫びするとともに、本日Pさんが通院した結果を踏まえ、再度の出勤日を確定させたい事をお伝えしました。

派遣先担当者としては職場のメンバーに本日より出勤すると説明しているので、無理は言わないが出来るだけ早く再出勤するように釘を刺されます。

他の仕事に忙殺されてバタバタしているうちにあっという間に夕方になり、Pさんから連絡がないことを思い出しました。

慌ててPさんに電話をすると、「今日は体調が悪くて通院できませんでした。明日も出勤できなそうなので、もう一日出勤日を伸ばしてください」といいます。

あまりに軽い調子で言うので、さすがに腹が立ち、「相手あっての仕事なので、私が勝手に決められるわけではないですよ」というと、

「体調が悪いので仕方ないでしょ。なんとかお願いします」とらちがあきません。

しかたなく、一旦Pさんの希望を預かりましたが、明日は必ず通院をお願いしたいこと、明日の日中に通院したか否か、水曜日の出社が可能かどうかの連絡することを約束してもらいました。

【約束】火曜日に通院すること、通院の有無にかかわらず、日中に私に連絡し、水曜日の出社が可能かどうかを話し合う

派遣先に連絡し、本日Pさんはあいかわらず体調が悪く通院すらできず明日もお休みを頂くこと、だらだらと出勤日を先延ばしにするもの職場の皆様の心証が良くないと思われるので、再度の出勤日を三日後の木曜日に仮設定することを許可頂き、それまでに何かしらの進捗があったらご報告することを約束しました。

これで、再度の出勤予定日である木曜日まで少々時間の余裕ができました。

派遣先からは木曜日に出勤をすれば良いこととなったものの、Pさんにはあえてそれは言わず、日々状況の報告をお願いし、それを守ってくれる人かを検証することにより、Pさんが本当にK社での就業の意思があるのかどうかを推し量ることに決めました。

火曜日

前日にPさんとした約束では、本日通院すること、水曜日の出社が可能かどうかを話し合うために、日中私に連絡をしてもらうことになっています。

しかし、午前中は連絡なし、午後も待てど暮らせど連絡はありません。

会社の固定電話や私の会社用の携帯電話から何度かPさんに電話をしたのですが、留守電になってしまい、話をすることすらできない状況です。

このままでは、またずるずると欠勤が続いてしまい、派遣先に譲歩してもらって設定し直した木曜日の就業開始日を迎えてしまいます。

そこで次のような対応をとりました。

  • Pさんの携帯電話の留守番電話とメールに「本日、通院した後に連絡を頂き、明日以降の出勤について話し合う予定でしたが、何度電話をしても連絡がつかずに心配なので、これからご自宅に安否確認に向かいます」とのメッセージをいれる
  • Pさんの自宅に向かう
  • 会社の電話番号だけ意図的に出ないのかもしれないので、私の私用の携帯電話からPさんに電話をする

Pさんの自宅最寄り駅についたのは夕方でした。

迷いながらも、Pさんの自宅に向かう途中で、私の私用携帯から電話をすると、何度目かのコールでやっとPさんが電話に出ました。

やはり会社の電話番号からの着信は無視していたようです。

電話越しにPさんは屋外にいるのが聞き取れます。おそらく駅のホームです。

「もしもし、派遣会社〇〇社の〇〇ですが・・・」

と話しかけたところで突然電話を切られてしまいます。

それから何度電話してもPさんは出ません。

しかたなくPさんの自宅に向かい、やっとのことで到着しましたが、やはり外出中のようです。

冬の19時ごろですっかり陽も落ちています。辺りは住宅街で近所の会社帰りの人たちが通りがかり、Pさんのアパートの前に立っている私は不審者そのもの。

通報されたりしないかなと心細くなりつつも、めげずにしばらくPさんが帰ってくるのを待つことにしました。

1時間も経った頃でしょうか、少し先の路地を曲がり、Pさんが歩いてくるのが見えました。

Pさんとの話し合い

「ここで逃してなるものか」と急いでPさんに駆け寄り、話しかけます。

Pさんはだいぶ驚いた様子で、なぜか逃げようとしましたが、私も逃しません。

Pさんの自宅にお邪魔するのもどうかと思いましたので、嫌がるPさんを説き伏せ、駅前の喫茶店まで引き返しました。

席に着いたところで、まずは私から質問です。

  • 本日は体調不良でお休みということだったが、なぜこの時間に外出をされているのか?
  • 通院をしていたにしては時間が遅いし、そもそも本日日中に私に近況の連絡を頂くはずだったが、今の今まで頂いていない
  • 電話でおっしゃっていた体調と、今お会いしての現状が合致しておらず、説明をしてほしい

Pさんは突然私に鉢合わせた動揺から冷静さを取り戻してきたようで、落ち着いた様子で答えました。

  • 私がいつどこに行っていたかはプライバシーであって説明する必要はない
  • 電話やメールをもらっていたのは今気がついたが、突然自宅にくるのは非常識だ
  • 体調は今も良くないし、明日も出勤はできない。こうしてあなたに掴まってしまい、さらに体調が悪くなった

派遣先に待って頂いているのに勝手な主張をするPさんを腹立たしく思いつつも、できるだけ冷静に私から話します。

  • プライバシーを侵害するつもりは全くないが、Pさんとはこれまでいくつか約束をしてもらったがいずれも守ってもらえなかった
  • 例えば月曜に通院したら連絡をほしいという約束は守ってもらえず、私から連絡を取った。今日もPさんから連絡をしてもらう約束だったが連絡がなかった
  • 事前に何度も電話やメールをした上で自宅にお伺いした私をPさんは非常識だっというが、これまでの経緯でPさん自身は非常識ではないと言えるのか?
  • 自宅にお伺いしたのも、派遣先がPさんの出勤を心待ちにする中で、Pさんと連絡が取れないこと、また約束をしたことを守ってすらくれないことから、Pさんが本当はどういった状況で、どういったお考えなのかを確認する必要があったから
  • こうしてお会いしてお話しする限り、明日出社ができない体調とはとても思えない。医者の診断など客観的な判断を教えてほしい

私から矢継ぎ早に質問をされたことで、Pさん苛立った様子で答えました。

「医者からは安静にするように言われている。体調が悪いので明日は出勤できない」

答えになっていないPさんの返答に私は畳み掛けます。

  • 先程言った通り、これまで約束を守ってくれなかったPさんを正直信用できない。
  • 医者から安静にしろと言われたというが、受診をされた証拠を見せてほしい

するとPさんはふてくされたように言いました。

「なんでそんな個人情報を見せなければいけないんですか?私の話が信用できないんですか?」

信用できるできないの水掛け論はよく経験します。

社会人同士の会話で、相手が「私を信用できないんですか?」という問いかけをしてきたときに、なかなか正面切って「あなたを信用できません」とは言いずらいものです。

「信用をしていないわけじゃないんですよ・・・」と相手に隙を与えることで、議論の主導権を相手に渡してしまうのは良くある失敗です。

今回Pさんとは都度意識して、明確に「約束」をしました。その結果、Pさんは約束を1つも守ってくれませんでしたので、こちらから先に「約束を守ってくれないので、Pさんを信用できない」と先手を打つことができたわけです。

「私信用できないんですか?」というPさんに私は答えました。

  • 先程言った通り、これまで約束を守ってくれていないPさんを信用できない
  • そのため、Pさんのおっしゃることを信用するために医師の診断を受けたという証拠を求めている

二の句を継げなくなったPさんは、さらにふてくされたように驚くことを言いました。

「じゃぁ、もういいです。いま働いてるんで」

???

意味がわかりません。

どういう意味か聞き返すと

「もう働いてるんで、御社の仕事はもういいです」

???

やはり、意味がわかりません。

理由はともかく、当社の仕事を退職したいのかを確認すると、「そうだ」とのこと。

理由を突き止めるのは後にして、これまでの経緯や、今のコメント含めて当社の派遣社員として派遣先に派遣するには危なっかしすぎるPさんから退職の言質をとることを優先しました。

こんなことになると思っていなかったので何も準備をしていなかったのですが、私のメモ帳に「自己都合によって退職します」との一筆をもらいました。

その上でPさんに「もう働いている」の意味を質問しましたが、

「もう用事は済んだんですから、話すことなんてないですよね?もう二度と御社にお世話になることはないと思うんで帰ります」

との返答です。

これ以上Pさんと話したところでお互い時間の無駄というものでしょう。

私のホンネ

Pさんに答えてもらえなかったので確かではありませんが、推測するに今回の経緯は次のようなものであったと思います。

  • Pさんは当社が紹介したK社での仕事と別に、同じタイミング(月曜日)で別の会社で働き始めた
  • その会社の方が条件は良いものの、仕事を続けられるかどうか不安で、数日働くことで仕事内容や職場環境などを確かめたかった
  • その会社が続けられないという判断になったときに、収入が途絶えてしまうのは困るので、滑り止めとも言える、すぐに収入になる働き口を確保しておきたかった
  • そのため、別の会社で働き続けられるか判断しつつ、当社が紹介したK社は欠勤という扱いにすることで、どちらでも働ける環境を作った
  • 別の会社での仕事も続けられそうという見込みも立ち、K社の件で私から問い詰められて面倒になり、「もう働いているんで、御社の仕事はもういいです」というコメントになった

おそらくこれが真相だと思いますが、そうだとしたら迷惑な話です。

稀にですが、こう言った手合いは確かにいて随分振り回されます。

一番迷惑をおかけしたのは派遣先ですので、明日は上司と一緒にお詫び訪問をしなければいけませんね・・・

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