【続編③】【派遣会社営業マンのクレーム対応報告】派遣先から「テストの結果が悪かったので、明日から来なくていい」と言われた派遣スタッフQさんからのクレーム対応③

【続編③】【派遣会社営業マンのクレーム対応報告】派遣先から「テストの結果が悪かったので、明日から来なくていい」と言われた派遣スタッフQさんからのクレーム対応③

【派遣会社営業マンのクレーム対応報告】派遣先から「テストの結果が悪かったので、明日から来なくていい」と言われた派遣スタッフQさんからのクレーム対応①とその続編②でお伝えしたC社でコールセンタースタッフとして就業し始めたQさんが、研修2週間目に突然「これまでの研修内容の確認テスト」を受けさせられ、「テストの結果が悪すぎるので、明日から来なくていい。あとは派遣会社と相談してくれ」と有無を言わさず退去させられた件ですが、Qさんからの抗議を受けるまでもなく、私は単身C社に乗り込み、この件の事実確認や抗議、金銭面の交渉を行うべく商談に臨みました。

待ち受けた先方から発せられたのは理不尽とも思える一方的な主張で、私はC社との取引がなくなることも覚悟して、本格的に喧嘩をする事に決めたのです。

前回までの経緯

●C社はテストの後にQさんを個別に呼び出し、「Qさんのテストの結果があまりに良くないので、今後仕事をお任せできません。今日をもってお引き取りください。今後のことは派遣会社と相談してください。」というようなコメントをし、入館証などを回収して退去させたことを認めた

●しかし、「テストの結果、Cさんを退去させたのではなく、これまでの研修の習熟の確認をする意図で行なったが、テストの結果、Qさんがほとんど研修内容を理解しておらず、当社との派遣契約の要件を満たした人材でないと判断し、契約が守られていない人材を社内に置いておくわけにはいかないから退去させ、雇用契約は派遣会社とあるわけだから、派遣会社に相談してくださいと言ったまで」という一方的な解釈、主張であった

●私としては到底納得できない主張であり、C社センター長の「とりあえず無理難題を言って、交渉のハードルを上げておけば、派遣会社も着地点を探るだろう。最後に少しハードルを下げて妥協してやった風にすれば、派遣会社も折れるに違いない」といった業者慣れした対応も鼻につき、本格的に交渉(取引停止も覚悟した喧嘩)することを決意した

対応経緯

C社との打ち合わせ

本気で喧嘩することを決めた私が示したいくつかの問題提起は次のようなものでした。

  • Qさんが派遣契約の要件を満たしていないとする定量的な根拠を示してほしい
  • 「派遣契約の要件を満たしていない」=「強制退去」という理屈は通用しない
  • Qさんとの労務トラブルは御社が火種であり、訴えがあれば御社も直接の当事者として累が及ぶであろうし、私としてそれをフォローするつもりもない。また、この労務トラブルに関するQさんへの休業補償や、当社が機会損失した利益は当然に支払ってほしい

C社は結構な大手企業のグループ会社です。

この年配のセンター長は、おそらく親会社を役職定年し、グループ会社に天下りしてきたんでしょう。

その方のポジションにもよりますが、大手企業では若い頃から業者を使う機会が多く、良くも悪くも「業者慣れ」しています。

このセンター長など最たるものですが、先方からすれば私からの「挑戦的な物言い」にかなり頭にきたようでした。

センター長は顔を真っ赤にして言います。

  • 派遣会社の人選ミスでスキルが低い派遣スタッフを押し付けられ、ウチは被害者なのに、休業補償を払えとか、もらえるはずだった利益を払えというのはどういう了見か!?
  • なにかしらの労務トラブルが起こるのであれば、それは雇用関係のある派遣会社と本人間で解決をすればいいこと、ウチに火の粉を飛ばさないでほしい
  • あなたでは話にならないから上司を呼べ。そもそもお詫びに来るのかと思っていたら、見当違いなことばかり言っている。ウチと取引をなくしたいのか!?

想定した通りのセンター長からの発言で、私はすっかり安心しました。

つまり、「このセンター長はクセありとは言っても、業者は叩けばなんとかなる、なってきたくらいの了見であって、狸と言えるほどの深い思慮はないだろう」という、私のセンター長に対する見立てはあっていたということです。

この商談にあたって、上司には「喧嘩をします」ということで了解を取っていますので、「上司を呼べ」とか「取引を停止する」といった脅し文句に引くつもりもありません。

私から反論します。

  • 先ほどお話しした通り、Qさんのスキルレベルについては、当社は低いと思っておらず、妥当な人物としてご紹介をさせて頂いた
  • 御社としてQさんが派遣契約の要件を満たしておらず、即刻退去を求めるほどのレベルの低さであったというなら、その定量的な根拠を示してほしい
  • その上でお詫びするべきはお詫びさせていただきたい
  • 上司とともに改めてお伺いをさせて頂いても良いが、おそらく同じお話をさせて頂くだけ。本日引き続き議論をさせて頂いた方がお時間をとらせないと思っているがいかがか?

センター長は怒り心頭と言った様子で

「話にならない!御社には改めて連絡する!オタクはウチの親会社とも取引があるんだろう?取引がなくなることを覚悟しておいてくれ」

と捨て台詞を残し、同席していた研修担当者、窓口担当者も残して退室してしまいました。

残された研修担当者・窓口担当者との打ち合わせ

勝手に憤慨して席を立ってしまったC社のセンター長ですが、研修担当者と窓口担当者、私の3人が残された会議室は気まずい空気に包まれていました。

「センター長はC社の親会社にも連絡するって言ってたな・・・事前に親会社の人事部長に話を通しておこう。親会社の人事部長はどう考えてもC社がQさんとの労務トラブルの矢面に立つ危ない状況だということは理解するはず。顧問弁護士にも相談するかもしれないな・・・人事部長はまず私にこの労務トラブルの火消しを依頼してくるはずだから、その火消しをしてあげることで、センター長の妄言を火消ししてもらうギブテクにしよう」

などと私が頭の中で今後のプランを練っていると研修担当者が口を開きました。

「すみません、ウチのセンター長がめちゃくちゃで・・・」

おや?何か風向きが変わったぞ?

「実は、Qさんの件は、テストの成績が悪かったことも事実なんですが、ここだけの話、研修期間中にセンター長とQさんがちょっとした口論になりまして・・・」

「どちらが一方的に悪いというわけでもないようだったのですが、売り言葉に買い言葉だったみたいで・・・」

「テストの結果、Qさんをお引き取り願おううという話になったのはセンター長の指示でして・・・」

この方はこんなに私に本音を話してしまって大丈夫なのでしょうか・・・他人事ながらちょっと心配になってきます。

「実はこの商談前に、内々で法務に状況を話し、対策を確認しまして、やはり今回の当社の対応は問題があり、Qさんから当社に直接訴え出られる可能性もあることから、まずは派遣会社と協力して穏便に事を済ませるようにとの話があったんです」

「ただ、センター長はあんな調子なので、派遣会社に押し付ければいいんだというような事を言ってまして先ほどのような話になってしまいました」

「なんとか御社のお力をお借りして穏便に解決できないでしょうか?」

ちょっと想定外の展開ですが、C社にも当たり前の常識がある人がいたのだと思い、少し安心しました。

そういう事なら協力をするのはやぶさかではありませんが、そのための条件を出しました。

  • 当社でQさん本人への対応を試みるが、憤慨されているセンター長の対応は大丈夫か?
  • センター長より御社はもちろん、親会社も含めて当社との取引停止をほのめかす発言があったが、その点はどうなるのか?
  • センター長から親会社に連絡が入る事を懸念して、私の持つルートで事前に親会社のしかるべき方に状況説明をしておきたい。問題ないか?
  • Qさんとの対応にあたって、金銭的な解決となることが想定されるが、その原資はご請求可能か?また、イレギュラーなご請求になるため、事前にどういったご請求方法となるか道筋を示してほしい
  • Qさんからは残った契約期間の休業補償(平均賃金の6割)と言われてはいるが、それは雇用契約のあるQさんと当社間の話
  • Qさんから直接御社への訴えに対する解決となると、「示談金」というような根拠があるようでない、両者が納得した金額ということになる。これについてはどれほどの予算をお考えか?
  • 最後に当社の機会損失となる利益についてはどのようにお考えか?

協力をしてあげようという気持ちにはなったものの、腹に据えかねたQさんが先々どのような主張をしてくるのかがわかりませんし、仮にQさんがC社に対して訴え出ると言ったときには、当社が示談を代行することになるわけですから、金銭解決を前提とした場合、C社がどれくらいの予算を考えているのかは重要ですし、それくらい大変なことだと自覚をしてもらうことも必要です。

また、先方の予算感を確認もせず、安請け合いした後に、思いのほか示談金が必要になり、当社が持ち出しなどということなったら目も当てられません。

権限のない担当者レベルの方々でしたので、矢継ぎ早にぶつけた私の質問は少し意地悪だったかもしれません。

研修担当者は慌てた様子で、「センター長より上職者の者、法務とも相談して本日中に連絡をさせてもらいます」と言い、一旦打ち合わせは御開きとなりました。

長くなりましたので続きは続編となります。

前編①前編②はこちら

続編④続報⑤はこちら

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