【派遣業界裏事情】バーター取引を強要してくる困った取引先

【派遣業界裏事情】バーター取引を強要してくる困った取引先

派遣会社は様々な業種業界の企業と取引している

人材派遣というサービスは「労働力の仲介業」です。

労働力はどんな業種業界の企業であっても必要なわけで、派遣会社は様々な業種業界の企業が営業先となります。

私の勤める派遣会社は「事務系」と言われる派遣会社で、一般事務や営業事務など事務職を中心に、合わせて細々ながらもコールセンターオペレーターや営業職など職種も取り扱っています。

事務職の人材ニーズといえば、それこそどんな部署でもあるわけで、事務系の派遣会社はあらゆる業種業界の、あらゆる部署を営業ターゲットとし、実際に取引をしているわけです。

様々な取引先からバーター取引を求められる

「バーター取引」という言葉をご存知でしょうか?

本来は「ウチの会社のA商品をあげる代わりに、御社のB商品をください」といった現金を介さない物々交換という意味合いですが、本来的な物々交換だけでなく、「御社のA商品を買ったんだから、当社のB商品を買ってよ」といった商売上のお付き合いにもバーター取引という表現を用いるようです。

あらゆる業界業種の、あらゆる部署と取引をする派遣会社は、このバーター取引を求められるケースがとても多いのです。

基本は総務部や情報システム部への取り次ぎ

私の勤める派遣会社も、企業である以上、企業活動に必要なモノやサービスは当たり前に利用しています。

  • コピー用紙やトナーなどのオフィスサプライ
  • PCやタブレットなどの情報端末
  • 固定電話やネット回線、スマートフォンなどの情報通信サービス

例えば上記のようなモノやサービスを扱う取引先からバーター取引を求められます。

たいていは総務部や情報システム部に取り次いで、「このお客様はとてもお世話になっているから」と実際に契約にまでは至らなかったとしても、丁重な対応をするように念押しをしたりしています。

同業他社同士のバーター取引合戦に巻き込まれる

対応に困ってしまうのが、同じ業界内の複数の企業と取引があり、その競合他社それぞれからバーター取引を求められるケースです。

当社は通信業界の大手2社と人材派遣での取引があり、両社とも大事なお客様です。

これまでは取引上の問題もあるので、A社とB社のサービスのどちらを利用するかは各事業部の判断でした。

しかし最近になり、当社が全社分まとめて契約をする前提で、A社がインターネット通信+固定電話+携帯電話がセットの結構な割引をしてくれるサービスを提案してきました。

当社の総務部としてはかなりのコストダウンになるので願ったり叶ったり、ただ「B社との取引もあるのでどうか?」と私に気遣いの連絡をくれたのでした。

B社を担当する私としては、お客様との取引もあるので簡単に賛成はできず、とはいえ大幅なコストダウンを止めることもできません。

そこで、B社の営業部に次のように連絡をとりました。

「当社の総務部は、A社から大幅なコストダウンが実現できる提案を受けている。その前提は全社まとめての契約。これまでのように事業部ごとに御社と契約することができなくなりそうだ。早々に当社の総務部に提案をしてくれないか?総務部には提案を受けるように伝えてある」

お客様とはいえ、営業職同士の感覚でいえば、「なぜこんなにいたせりつくせりしてあげなきゃいけないのか?」という気持ちでしたが、失礼ながらB社は「殿様商売」で有名な会社でもあり、少しのヒントを差し上げただけで迅速にアクションするのが期待できなかったため、こちらで段取りを組んであげたのでした。

B社の営業担当の実力不足に振り回される

通信業界のインターネット通信や固定電話、携帯電話といったサービスは、個人法人問わず、ほとんど100%に近い利用率であり、これらのサービスを初めて使うというお客さんは稀ですから、通信業界の営業は競合他社とのオセロゲーム、契約の取り合いが基本になります。

私からの連絡を受けたB社の営業担当、上司にこっぴどく叱られたようで、なぜか鼻息荒く私に詰め寄ってきました。

  • なぜもっと早く教えてくれないのか?
  • A社の提案書のコピーが欲しい
  • 契約が全てA社になったら、当社と御社の取引は無くなるものと思って、あなたが責任を持って対応してほしい

あまりに馬鹿げた発言に、驚いて二の句が継げませんでした。

この営業担当、40代の課長職で部下も隣に座っているのにこの発言、呆れ返ります。

「もっと早く教えろ」という発言は自分の役割を否定しているようなものですし、当社のお客様でもあるA社の提案書をそのまま渡せるはずなんかありません。

また「取引をなくすぞ」という発言についても、そもそもこの営業担当のお陰でB社との取引があるのではなく、あくまで当社が地道に営業活動をしてきた結果の取引です。

私は呆れ半分で次のように答えました。

  • もっと早くお伝えできるのであればしたかったが、私も日々各社様からどんな提案があるのかまでは把握できない。当社はまだA社との契約を決めておらず、A社の提案が出切った中で御社に提案のご依頼をしており、同じ営業職としては、これ以上のタイミングはないと思っているがいかがか?
  • 当社にとって御社がお客様であると同じく、A社も当社のお客様。お客様が提案してくださった資料をそのまま競合他社にお渡しするのは紳士協定に反すると思うので差し控える。
  • 仮に当社が安易にA社の提案書をお渡ししていたら、逆のことも起こりうると、ご懸念されるだろう
  • A社の提案のポイントはかいつまんでお伝えするつもり
  • もし、当社がA社と契約することで、御社との取引がなくなったら、今現在お取り引きのあるご担当社様全てに「私の実力が足りず、御社から提供頂いているサービスが、すべてA社に持っていかれてしまった。この責任を取る形で御社に派遣させて頂いている派遣スタッフ分全ての取引が停止してしまうことになり、いま、就業させて頂いているスタッフさんは現契約で終了をさせて頂く」とお詫びして回る

B社営業担当の呆れた物言いに腹が立っていたので、少し嫌味ったらしく答えてしまいました。

これらの返答から言外に伝えたかったのは次の通りです。

  • もっと早く教えろというが、いつ教えて欲しかったのか?相手の提案が出尽くした中で提案をお願いされて文句を言う営業担当なんて見たことない
  • A社の提案書をそのまま渡せと言うなら、御社が作った提案書もA社に渡しますよ。A社は慌てて追加提案するだろうから、ウチはメリットあるが、御社はますますジリ貧ですよ
  • 取引をなくすと言うなら結構、やってみてください。私は各現場の担当者に「御社の営業担当が当社と取引なくなったことを当社のせいにして、人材派遣の取引はしないって言うんですよ。なので、いま働かせて頂いている派遣スタッフはもっと条件のいいところに移します。ご迷惑おかけしますが、文句は御社の営業担当に言ってくださいね」と言って回りますよ

私からの慇懃無礼な反論に、営業担当は相手が悪いと思ったのか気持ちを切り替えたようで、A社の提案のポイントを聞いてきました。

その後、当社の総務部に提案にきたようですが、あえなくA社に完敗。

B社との取引停止を少し懸念しましたが、業者相手とはいえ、あのレベルの発言をする営業担当に社内全体を動かす力などなく、特に取引上のハードルにはなっていません。

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