【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中に居眠りや副業をしてしまう派遣社員Uさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中に居眠りや副業をしてしまう派遣社員Uさんのクレーム対応

私の担当派遣社員として派遣先のE社に勤務してくれている20代男性のUさんですが、同じ職場で働く当社の派遣社員である30代女性のRさんから「一緒に働いているUさんが、仕事中に居眠りしたり、仕事とは関係のない作業をしている。同じような時給で働いているのが馬鹿らしく、どうにかしてほしい」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

クレーム経緯

●30代女性のRさんは当社の派遣社員として1年前からE社で営業事務として就業を開始した

●20代男性のUさんは同じく当社の派遣社員としてE社の同じ部署で営業として半年前からから就業を開始した

●派遣社員Uさんは営業ではあるものの、初めは受注処理や商品知識を学ぶ必要があり、実質的に派遣社員Rさんと同じ仕事をしている

●派遣社員Rさん曰く、派遣社員Uさんは2週間前から自分の隣の席に移ってきた。数日は雑談も交えながら楽しく一緒に仕事をしていたが、しばらくすると仕事中に居眠りをしていたり、どうやら仕事とは関係のない作業をしていたりするのが目立つようになった

●派遣社員Uさんを注意する立場でもないし、放っておいたが、隣に座っている人があれだけ仕事をしないと腹が立ってくる

●この職場で仕事を続けるのが馬鹿らしくなりそうで、どうにかしてほしい

対応のポイント

派遣社員への対応のポイント

30代女性のRさんは1年前に就業を開始しましたが、「責任感をもって、きっちりと仕事をしてくれる」と就業開始早々から派遣先に高い評価を頂くような優秀な派遣社員です。

Rさんの高い評価をベースに、E社から増員の依頼を受け、紹介したのがUさんでした。

Uさんは20代と若いながらしっかりした受け答えができ、数年後には独立を考えていて、「社会勉強や独立までの収入確保のためにE社で営業職をしてみたい」と意欲高く就業を開始してくれた派遣社員です。

同じ部署に2人優秀な人が働いてくれて安心と、すっかり油断していたのですが、どうやら様子が違ったようです。

●Rさんへの対応

まずはRさんに詳細なヒアリングが必要です。

ヒアリングの際はRさんの考えを聞くことはもちろん、Rさんが把握する限りの周りの社員からのUさんへの見方や評価についても確認します。

●Uさんへの対応

Rさんへのヒアリングの上で、派遣先担当者と状況を共有し、Uさんに対しての見方や評価を確認した上で注意をします。

同じ職場の同じ派遣会社の派遣社員同士の話と、話を簡単に片づけず、きちんと情報を集めて根本解決を図るスタンスが重要です。

もし、「どちらもウチの派遣社員だし、Rさんの話を聞いてあげて気持ちを落ち着かせ、Uさんには頃合いを見て、軽く注意をしておけばいいだろう」などという適当なスタンスで対応をすると、Rさんは愛想を尽かして辞めてしまい、注意をされなかったUさんは「こんな働き方で許されるんだ」と受け止め、事態がどんどん悪化していきます。

トラブルの芽は早めに摘むに限るのです。

対応経緯

派遣社員Rさんと面談

Uさんと席を隣り合わせに仕事をしているRさんは、否応なくUさんの仕事ぶりを見ることができますので、なにより正確な情報を聞くことができるはずです。

ただ、気をつけなければいけないのは、RさんとUさんの人間関係がもともと上手く行っておらず、ことさらにUさんの仕事ぶりを悪くいうようなケースです。

RさんとUさんの人間関係にも着目しながらヒアリングを進めていきます。

RさんはUさんの仕事ぶりについて次のような状況だと教えてくれました。

  • Uさんは社員から与えられた仕事はきちんとやっているよう。ただ、与えられる業務量が少ないためか、手が空くことが多いように見受けられる
  • Uさんの席は太い柱で社員から死角になっており、ここ最近は気がつくと目をつぶって船を漕いで居眠りをしている
  • ただ、Uさんの横の通路が、廊下に出る動線になっており、直属の上司は気がついていないようだが、何人かの社員はUさんが頻繁に居眠りをしていることを気がついているようだ
  • また、手すきの時間になにか仕事と関係のないファイルを開き、なにやら資料を作っている
  • 見られていると気がつくとファイルを閉じるので、仕事と関係ない作業をしていて、見つかるとまずいという意識はあるようだ

Rさんは、隣でこのような仕事ぶりを見せられると、一生懸命仕事をしている自分が馬鹿らしくなるとのこと。

お気持ちはごもっともですし、Rさんが個人的にUさんを嫌いだから非難をしているというようなニュアンスは全く感じず、プライドを持って仕事をしているのに、隣でそのようなことをされていてはモチベーションが維持できないという訴えだと理解しました。

Rさんのような真面目に一生懸命働いてくれる派遣社員に応えられない営業担当なんて必要のない存在です。

どうしたらRさんが今後も気持ちよくE社で働いて頂けるのか質問しました。

  • Uさんを辞めさせてほしいといった考えは全くない
  • Uさんに普通に仕事をしてもらうか、自分の目の届かないところに席を変えてほしい
  • それが叶わないのであれば引き続き就業できる自信がない

Rさんには、今後、派遣先担当者とUさん本人に対応をする事で、できる限りRさんの希望にそうように努力することを約束しました。

派遣先担当者との打ち合わせ

Rさんとの話を上、後日改めて派遣先担当者と打ち合わせの時間をもらいました。

担当者からはこれまでUさんの働きぶりについて、苦情めいた話をされたこともなく、Uさんの居眠りや仕事以外の資料を作っているといった業務怠慢について把握をしているのかどうかがわからないままです。

会議室に入り、打ち合わせが始めると、まずは私から打ち合わせの目的を話しました。

  • 先日Rさんと面談をした際に、Uさんの働きぶりについて、はっきりは言わないものの、少し気になる言い方をしていた
  • Rさんは告げ口のようになってしまうのが嫌なのか、はっきり言わないが、明らかにUさんの仕事ぶりが良くないことが感じられ、直接御社にお尋ねした方が早いと思いお時間を頂いた
  • 状況によって、Uさんにはなんらかの対応をしたい

RさんからUさんの日頃の業務態度を聞いての派遣先担当者との打ち合わせではありましたが、「Rさんが言っていたから」では、Rさんが告げ口をしたような格好になってしまいますし、何より営業担当として配慮がありません。

ここは「Rさんと面談をした中で、同じ職場で働く当社の派遣社員であるUさんの話をしたら気になる反応だった。長年の経験で、なにかありそうだと感じたが、Rさんは奥ゆかしい性格だし、根掘り葉掘り聞くのも悪いので、指揮命令をして頂いている派遣先担当者に聞きに来た」という体裁にします。

これにより、Rさんを悪者にすることなく、しかも指揮命令をしている派遣先担当者が、日頃どれだけの観察眼をもって指揮命令をしてくれているかもわかるわけです。

私からの質問に担当者は次のように答えます。

  • RさんがUさんの業務態度に気になる点があるとのことだが、私が見ている限り、大きな問題点は感じていなかった
  • ただ、Rさんがそのような反応なのであれば、問題があるのだろう
  • 営業部署ということもあり、私を含め、ほとんどの社員が日中外出をしていて実態がつかめていないのを反省している
  • Uさんには3人の社員が出先からそれぞれに仕事を依頼しているが、そもそも業務量が足りていないのかもしれない
  • 一度、社員間で情報共有してみる

どうやら、想定どおりにUさんの指揮命令者となる社員たちはUさんの業務態度を把握できていないようです。

それどころか、誰がどれだけ、どんな業務を頼んでいるのかも把握ができておらず、こういった「ゆるい」環境が、Uさんの業務態度の悪化を助長しているようにも感じます。

なんにせよ、このまま放っておくと、Uさんの業務態度はますます悪化し、派遣先が問題点を捉えていないために、私からも本人に効果的な注意ができず、どこかでUさんの業務態度が問題になり、本人からすると突然に契約打ち切りを言い渡される、なんてことになりかねません。

まずは派遣先担当者に状況を把握してもらい、指揮命令の仕組みも整えてもらい、Uさんにも改善を申し入れていく必要があります。

翌日、再度派遣先担当者との打ち合わせ

社員間の情報共有ができたということで、翌日再びE社を訪れました。

Uさんに業務を依頼している3人の社員が集まり、打ち合わせが始まります。

  • 社員間で情報共有をしたところ、Uさんに依頼する業務量が少ないことがわかった
  • Uさんの業務状況について全体を把握する役割の社員がいなかったのが原因だと思うので、今後は私がUさんの指揮命令の全体感を掴むようにする
  • Uさんへの業務依頼は各社員からメールで行い、全員をCCに入れることで、全員がUさんの稼働状況を把握できるようにする
  • ただ、Uさんへの仕事依頼が少ないのは、Uさんが業務で必要な知識を主体的に学びにいく姿勢がなく、いまだに業務知識が乏しいため、頼める仕事が簡単なものしかないということも一因であることがわかった
  • 日中ほとんど外出している社員が一から教えることも現実的でなく、今後は自主的・主体的な仕事への取り組みを求めたい
  • Rさんのいう、Uさんの業務態度への不満もこの辺りにあるのではないだろうか
  • また、別部署の社員からUさんが業務中に頻繁にいねむりをしているとの話があった
  • 業務量が少なかったことも原因しているかとは思うが、居眠りはまずいので派遣会社からも注意してほしい

担当者からの話を受け、このあとUさんに次のような注意指導をすることを伝えました。

  1. 居眠りという業務怠慢への厳重注意
  2. 一因として予想される業務量が少ないことについての解決策の提示
  3. 業務量が少ない一因となっている、Uさんへの仕事への取り組み方への指摘

派遣社員Uさんとの面談

いよいよUさんへの注意指導面談までたどり着きました。

Rさんからの情報のみで、頭ごなしに注意をすることもできたのでしょうが、派遣先担当者がUさんの仕事ぶりについて認識をしてもらっていなければ、また野放しになってしまっていたのでしょうし、派遣先担当者との打ち合わせでも判明した通り、まともな指揮命令もなく、やりがいを感じられないUさんは早々に辞めてしまっていたかもしれません。

どんな形にせよ、お互いがお互いに興味関心を持ち合えるような環境を作ってあげないと、なかなか派遣社員という就業形態で仕事は長続きしないのです。

Uさんは20代前半の男性で、まだまだ表情にも幼い印象が残ります。

将来独立を目指すための社会勉強という触れ込みでE社で働き始めましたが、今のところ将来成功しそうな事業家としての片鱗は見せられず、口先ばかりという状況です。

「できるだけ働かずに給料を貰って、得してやろう」というような悪意は感じませんが、考え方が幼く、「仕事を与えられなくて暇だから寝よう」とか「暇だから別のことをしていよう」といった軽い考えが現在の業務態度につながっていると感じます。

そんなUさんに、冒頭から頭ごなしに注意をしてもポカンとするばかりでしょう。心の準備をしてもらう必要があると考えました。

まずは最近の仕事の様子から尋ねますが、「特に問題ないです」と、男性のスタッフさん特有で、あまり多くは語ろうとしません。

そこで次のように質問を重ねていくことにしました。

  • 営業部に営業職として所属して就業してもらっているが、最初は受注処理や提案書作成などの社内事務からスタートし、徐々に習熟してから外回りにという育成の段取りだったと記憶している
  • 半年経って、業務の理解は進んだか?どんな流れでどんな商材をどんな風に提案し、リードタイムがどれくらいで、どんな受注処理をして、納品までたどり着くのか、Uさんの仕事をきちんと把握しておきたいので細かく教えて欲しい
  • その業務の流れの中で、いまはどんな仕事を、どれくらいの量任せてもらっているのか教えてほしい
  • 営業部で、日中社員がほとんどいない中、業務知識や経験を積むためにどんな工夫をしているのか教えてほしい

私の質問に対するUさんの説明を聞く中で、就業開始から半年も経ったのに、業務への理解が薄いこと、業務への主体的な取り組みや工夫も感じられません。

Uさんも私に説明をしながら、自分の働きぶりが薄っぺらいものであったと自覚している様子です。

どんどん曇っていくUさんの表情をみて、少々気の毒になりましたが、心を鬼にして私から話し始めます。

  • Uさんのお話を聞いていても感じたが、業務に対する理解が薄いように感じる
  • 実は派遣先からも、そのような指摘を受けていて、改善が必要だと思っている
  • おそらく仕事の手が空くことが多いと思うが、派遣先の言い分だと、Uさんの業務習熟が遅いために頼める仕事が限られているのも一因のようだ
  • とはいえ、指揮命令は派遣先の領分でもあり、これまでのように手空きの時間ができるだけできないような指揮命令や、業務量の把握の仕組みは作ってもらった
  • しかし、受け身だけでは限界があり、Uさんの主体的に仕事に取り組む姿勢が必要だと思っている

Uさんからの現状の説明をフックに、まずは業務理解が薄いこと、それにより仕事の幅が狭まっており、今後は主体的な仕事への姿勢が求められていることを伝えられました。

自ら話したことの流れで注意指導を行っているため、特に反感めいた反応はなく、素直に聞き入れてくれているようです。

続いて居眠りに関する注意指導です。

  • 派遣先からUさんが業務中に居眠りをしているとの指摘を受けている
  • 先方はUさんにうまく仕事を依頼できていないという点を負い目に感じてか、強い口調で言ってきてはいないが、私は大変重く受け止めている
  • 居眠りは給与が発生している中で業務を怠っている業務怠慢にあたる
  • 仕事が与えられないから寝ていてもよいなどという理屈はなく、今回の注意で二度目はないと思ってほしい
  • 業務への取り組み姿勢にせよ、業務怠慢にせよ、今回限りの注意で改善をすべきものだと思っている

若い派遣社員には、学生の頃の感覚を引きずって、業務中に居眠りがとても悪いことだと重く受け止めていないケースがあります。

Uさんも重く受け止めていないからこそ頻繁に居眠りをしていたわけであり、ここは多少大げさになったとしても重く受け止めてもらわなければいけません。

最後に仕事中に副業らしきことをしていた点ですが、こちらについては、物証がないことから派遣先には伝えずにいました。

ただ、今後も同じ調子で仕事中に業務外の作業をするようであれば、早晩大きなトラブルになるはずです。

そこで次のように釘を刺しました。

  • 派遣先から「確証のない話しながら、Uさんが仕事中に業務と関係のない作業をしているような噂話がある」と言われている
  • まさかそんなことはないとは思うが、もしそのようなことがあった場合、居眠りどころの騒ぎではなくなるので頭の片隅にいれておいてほしい

Uさんには必要な注意指導を全て行うことができました。

あとは今後のUさんの改善努力次第なのですが、これで全てが完了したわけではありません。

派遣社員Rさんへの報告

そもそもUさんの業務怠慢や仕事への取り組み方に問題提起をしてくれたのはRさんです。

合わせて、そのようなUさんと一緒に仕事をするのはうんざりで、改善をしてもらうか、自分の目の届かないところに場所を変えてほしいという要望ももらっていました。

Uさんに注意指導を行い、これから改善がなされるかどうかの途中経過ではありますが、Rさんへの一連のやりとりの報告をしなければ礼を失します。

あらためてRさんに時間をもらい、丁寧に説明をした上で「しばらくUさんの様子をみようと思う」とのお言葉を頂きました。

Rさんのような真面目に働いてくれる派遣社員に報いなければいけないなという思いとともに、同じ職場で同じ会社の派遣社員に複数就業してもらうのはなかなか難しいなと、改めて考えさせられる一件でした。

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