【気難しい派遣先担当者の攻略法】初対面で呼び捨て、とにかく上から目線のA課長

【気難しい派遣先担当者の攻略法】初対面でいきなり呼び捨て、とにかく上から目線のA課長

一癖も二癖もある担当者の攻略法とは?

人材派遣というサービスは「労働力の仲介業」です。

労働力はどんな業種業界の企業であっても必要なわけで、派遣会社は様々な業種業界の企業を営業先にします。

私の勤める派遣会社は「事務系」と言われる派遣会社で、一般事務や営業事務など事務職を中心に営業活動をしています。

事務職の人材ニーズといえば、それこそどんな部署でもあるわけで、事務系の派遣会社はあらゆる業種業界の、あらゆる部署を営業ターゲットとし、実際に取引をしているわけです。

そんな営業活動の背景もあり、私は様々な業界の、様々な部署の担当者と関わり合いを持っています。

その中には、やはり個性の強い、派遣会社にとってなかなか扱いづらい担当者もいるのです。

今回は、そんな一癖二癖もある担当者の一人をご紹介すると共に、私が行った攻略法についてご紹介していきます。

とにかく上から目線のA課長

もう5年近く働いてくれている派遣社員Bさんから、最近上司が変わったという話を聞き、早速ご挨拶にと思いアポを取ったのでした。

先に派遣社員Bさんに会い、近況と共に新しい担当者の事前情報をヒアリングします。

  • A課長は数年前に親会社から出向でこの会社にきた
  • これまでも同じ部署だったが、関わりはなく初めて上司部下の関係になった
  • あまり評判のよくない人で、仕事がやりづらくなるかもしれないと思っている
  • A課長は親会社では順調に出世をしていたようだが、子会社であるウチに来て、伸び悩んでいるよう
  • 課長だが、目立った仕事や権限はなく、正直何をしている人なのかわからない
  • ただ、慣れた職場でもあり、自分で大体のことはできるし、味方をしてくれる人もいるのであまり心配はしていない

これからはじめてのご挨拶をするわけですが、ずいぶん雲行きの怪しい話ばかりです。

派遣社員Bさんから事前情報も得たところで、気に病んでいても仕方ありませをから、早速A課長を呼んでもらいました。

A課長登場

会議室で待っているとA課長が入室してきました。

第一印象は次の通り

  • 浅黒く日焼けした目つきの鋭い40代半ば男性
  • 鍛えているのか、全体的にバランスよく筋肉のついた体
  • 見下すよう目線と、こちらとの距離感を伺うような佇まい

私が「いつもお世話になっております。」と名刺を差し出すと、少しのけぞったような姿勢で片手で名刺を受け取り、「○○(私の名前)って言うのか、よろしく」と言います。

派遣社員Bさんの言う通り、終始こんな態度なのだとしたら、そりゃ嫌われます。

気を取り直して、早速商談を始めると、A課長が話し始めます。

  • おたくの会社のことは前から知っている
  • そのときにおたくのCやDが営業担当をしていた
  • 親会社からウチの会社に出向してきて、ウチと取引のなかったおたくに、取引を始めさせてやったのは私だ

初対面で私を呼び捨て、私の元上司であるCや同僚のDも呼び捨て、私の会社は「おたく」呼ばわりと、なかなかの強敵です。

人物想定→仮説→対応策

ここまでのA課長とのやりとりで、私の中でのA課長を次のように人物と想定し、仮説を立て、対応策を考えました。

●人物想定

  • 自信家のようで実は自信がなく、相手を威嚇することで自分の優位な立ち位置を確認したい
  • 業者に対しては絶対的に優位な立場でありたい
  • 過去からの当社との関係をアピールすることで尊重されたい、特別扱いされたい
  • 年齢は若いが、団塊の世代によく見られた業者に対して「質より量」のコミュニケーションを求めるメンタリティ

●仮説

  • 不遜な態度をとってはいるものの、その実は当社のシンパである
  • こちらが足しげく通ったり、下手に出てあげたりとA課長を尊重し、特別扱いをしている風に演出してあげれば、A課長もこちらを特別扱いしてくれる可能性が高い
  • 具体的にはトラブル時になんだかんだ言いつつ融通を利かせてくれたり、他の担当者を紹介してくれたりといったことが期待できる

●対応策

  • 下手に出つつも、「完全に見下せるほど一筋縄でいく営業マンではない」と思わせる演出をする
  • 今後マメに顔を出したり、報連相をすることで特別扱いをしている雰囲気を出しつつも、相応のメリットがもらえるように働きかける

実践

これまでのA課長とのやりとりから人物想定し、仮説を立て、考えた対応策を早速実践してみます。

「昔から、弊社をご贔屓にして頂いていたようで大変ありがたい。上司からもよろしくお伝えするように言われている」

「前にいらっしゃった親会社は、A課長がいらっしゃった部署とは違いながら、私も昔から担当させて頂いていて、役員の○○様からは厳しくも良くして頂いた」

「また、A課長とご縁があったのは光栄。今後はお邪魔でなければ弊社の派遣社員のことや、色々な情報もお教え頂きたい」

「親会社とはお取引が多いが、御社とはまだお取引が少なく、営業活動をする中でおすがりする方がいなかった。今後はご迷惑にならない範囲でA課長にご相談をさせて頂きたい」

昔からのご愛顧に感謝の言葉を述べつつも、「親会社の役員とつながりがありますよ」と牽制します。

派遣社員Bさんから聞くには、今の会社ではあまり影響力がないとのことですが、だからこそ、「A課長におすがりするしかない」と自尊心をくすぐり、気分を良くさせるのです。

私の人物想定や仮説は合っていたようで、A課長はすっかりご機嫌に。

初めましての商談としては上々の掴みができたと思います。

営業職の経験がない方は「あんな誰にでもヘイコラする仕事は嫌だ」と思われるかもしれません。

物は考えようで、ゲームのように相手を観察して攻略法を練り、実践していく、このプロセスはなかなか楽しいものです。

また、こういった担当者との良好な関係が、派遣社員からの職場環境の悩み事の解決や、トラブル時の対応に有利に働きます。

そのためにも営業担当には、相手を一歩引いた目で冷静に分析する力が必要なのです。