【派遣会社営業マンのクレーム対応報告】スキル不足の派遣スタッフBさんのクレーム対応①

【派遣会社営業マンのクレーム対応報告】スキル不足の派遣スタッフBさんのクレーム対応①

最近、私の担当スタッフとして就業開始した40代男性のBさんですが、就業開始後しばらくしてからスキル不足という事で、お客様から強いクレームがありました。

その時の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業マンが、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

クレーム経緯

●4月よりK社で就業開始

●今回就業を開始した仕事をオファーする段階で、個性が強く、視野狭窄な印象があったので、「マッチングする派遣先は限られるな」という懸念はあったが、お客様にご紹介を差し上げると、元気の良い印象を気に入って頂き、就業スタートとなった

●就業開始から2ヶ月、お客様より「Bさんの仕事ぶりに関して相談がある」との連絡を受けた。就業開始してから1ヶ月程度は研修が行われ、受け身の仕事内容であったため、目立たなかったが、最近になり、業務を任せ始めると次のような問題点が続出し、とても困っているとのこと

  1. OAスキルがとても低い。事前に派遣会社、業務内容確認の時に本人から聞いていたスキルレベルと全く違い、共有フォルダのみんなで使うファイルを、コピーを作らず、自分のパソコンに元ファイルのまま持って来てしまうなど、オフィスワークで求められる基本的なOAスキルを持っていない。EXCEIなどアプリケーションのスキルは壊滅的。
  2. 教えた事を覚えるまでに時間がかかり、また、覚えるためにメモを取るなどの努力をしていない
  3. ケアレスミスがとても多い。ミスしていることを前提にしなければいけない頻度なので、チェック要員が必要になり、人出が欲しくて来てもらっているのに、チェックの分、むしろ彼のために人手をかけている状況

上記のようなBさんの頻発するミス、スキル不足に対して、お客様はかなりご立腹でした。

やり取りをしているお客様は総務的な立ち位置で、派遣の取りまとめをされており、実際にBさんの働く現場社員の方々から、「なんでこんな人を受け入れたんだ!?」といった強い苦情を受けたからのようです。

対応経緯

●訪問時に、お客様には丁重にお詫びをするとともに、Bさんの仕事ぶりや問題点のヒアリング、合わせて先方の求める対応と、その落とし所を探った

●お客様との打ち合わせの後に本人をお借りし、面談を行なった。

お客様の言い分

  1. Bさんは我々が契約上求めているスキルを持っていない。また、事前に派遣会社や本人が話していたスキルがなく、嘘をつかれたと思っている
  2. 教育係を1人つけているが、ミスが多いので、ミスをしている前提でチェックをしなければいけなかったり、一度教えても何度も聞いてくるので手間ばかりかかり、人手不足の解消どころか、教育係の稼働が割かれ、マイナス1人になっている
  3. Bさんの教育には、ここ2か月間、教育係がずいぶん時間と手間をかけてきた。何度同じことを教えても覚えてくれない、ミスを繰り返すという状況に教育係も不満を漏らしている。また、そんなこともあって職場の雰囲気も悪くなっている
  4. そういった状況から、即刻契約通りに仕事のできる人に変えて欲しい
  5. なんらかの事情ですぐに人を変えられないとしても、現在の契約を更新するつもりはない(今回は3か月単位の契約)

まずはお客様の言い分を伺ったものの、本人がどんな認識や思いであるのかも分からなかったため、すぐにBさんとの面談の時間を頂き、その後、面談結果踏まえて再度打ち合わせを行うことにしました。

スタッフの言い分

お客様の言い分が全て正しいとも限らないので、指摘された1つ1つを本人に確認しました。

  1. ミスは多いと自覚していて申し訳ないと思っている。ただ、これから長い就業の中で慣れてくれば解決するとも思っていて、派遣先の担当者達もそう励ましてくれた
  2. OAスキルは、しばらく実務で使っていなかったので忘れているだけ、こちらも今後の長い就業の中で慣れてくれば解決すると思っている
  3. 教育係をはじめ、職場の皆さんはいろいろ教えてくれたり、気遣ってくれたり良くして頂いている。ミスやOAスキルの件は自覚はあったが、長い目で見て頂いていると思っていた。そんなにご迷惑をおかけしていたのであれば申し訳ない

結果としてBさんは自分のミスの多さや、スキル不足について認識はあるものの、お客様たちの表面的な励ましを真に受けて、その認識の仕方がかなり甘いこと、認識が甘いがゆえに、周りに迷惑をかけているという意識もなく、先々に向けて楽観的に前向きであることがわかりました。

対応のポイント

今回のケースでは育成の努力もして頂いているお客様側に非はなく、次の点が対応のポイントになると考えました。

  1. Bさん本人にも問題はありつつも、就業開始以前にBさんの個性の強さや視野狭窄な印象を持ち、派遣先を選ばなければトラブルになるという懸念を持っていたという点で、そもそも派遣会社としてのマッチングミス
  2. 色々理由はあったものの、営業担当として都度Bさんの評価を確認できていれば、クレームと同時に契約更新なしという結論にはならず、間に一手二手の対応ができたという点で、対応が後手に回ったのは反省点
  3. お客様の言い分とBさんの言い分に大きなギャップがあるのは、後々別のトラブルの原因になる可能性が高く、ギャップを埋める作業が必要
  4. 派遣会社、営業担当としての反省はありつつも、本人の不正確なスキルの申告、ミスの多さ、スキルの低さやミスの多さに対する向上心や反省のなさ、といった部分には問題があり、意識付けが必要
  5. 即刻人を変えてほしいというお客様と、Bさんの残る雇用契約期間とのギャップを埋める対応が必要

本人への対応

お客様からの状況説明をもとにBさん本人にも状況を確認したところ、ミスやスキルの低さは認識しているものの、それがどれだけ周りに迷惑をかけているかの自覚が足りない、つまり、お客様の想いと、本人の想いに大きなギャップがあったので、次のような注意をすることでギャップを埋めることを試みました。

  1. Bさんから聞いていたOAスキルは、実務で即戦力になるレベルだと受け止めていたが、お客様からの指摘によると話とずいぶん違うようだ。嘘をついていたとは言わないが、かなり誇張してアピールしていたと理解している。お客様からもそう思われていることを自覚してほしい
  2. Bさんはミスの多さをあまり重く受け止めていないようだが、お客様からすると、ミスが多すぎて、Bさんの行った事務処理は「ミスがある前提でチェックする」という運用にまでなってしまっている。これではBさんに来てもらっても、人手不足を解決するどころか、チェックの分だけ余計に人手が不足すると言われても仕方のない状況。ミスが多いということを重く受け止めてほしい
  3. スキル不足とミスの多さという2つの致命的な問題で、とても残念だが、次回の更新は難しいとのお話を頂いている。お客様たちなりに改善の働きかけをしてくれていたと聞いているので、先方としても残念に感じているようだが、結論として受け止めてほしい。

本人からすると、OAスキルの件もミスの件も、自覚はありつつも「寝耳に水」といった受け止めのようでした。

雇用契約も残っている中で、お客さんに言われるままに即刻解雇というわけにもいかず、続けて本人に次のような投げかけをしました。

  • Bさんからすると突然の注意で、しかも更新がないという結果になっていると聞いて驚いたと思う。もうすぐ週末なので、まずはご自身で少し時間をかけてこの状況を理解してほしい
  • 更新なしとはなったが、今の契約満了までBさんとお客様がお互いに気持ちよく働き続ける環境を作るお手伝いをするのが私の仕事だと思っている
  • とはいえ、先の更新がないという中で仕事を続けていくかどうかについては、Bさんなりに考えもあるかと思うので、週末含めて今後どうしたいか考えてほしい。私はBさんの考えに寄り添って対応したいと思っている

Bさんより質問があったので、契約満了まで働く場合と、契約の途中で別の道を選ぶ場合について具体的に説明しました。

●契約満了まで働く場合

  1. 先方から指摘を受けているOAスキルとミスの多さについては、少しずつでも改善していることを示していかなければいけない。そのために私がお客様との間に立って定期的に状況をチェックするので、最後まで改善のために一緒に努力をしていく覚悟をしてほしい
  2. これまで自覚がなかったと思うが、これから日を追うごとに周りの皆さんから厳しい目でみられていることを実感していくこととなると思う
  3. お客様からすると、これまでBさんに長く続けてもらうために育成の努力をしてくれていたが、契約を更新しないということで、Bさんに新しいことを教えることがしづらくなり、つまり任せて頂ける仕事が限られてきて、単純な作業ばかりになったり、仕事が極端に少なくなったりすることを想定してほしい

●契約の途中で別の道を選ぶ場合

  1. 契約満了まで就業してもらう前提でお客様対応をするので、契約の途中で別の道を選ぶということは自己都合退職ということになってしまう
  2. とはいえ、この状況で今の職場で働き続けることはストレスでもあり、もし契約途中で別の道を選びたいということであれば、私から可能な限り別の仕事を紹介したいと思う。ただマッチングの問題もあるので、必ずという約束はできない
  3. 最終的にはBさんご自身の判断になるので、私はその判断を大事にしたい

私から一通り話し終えると、話しぶりや顔つきからBさんは「収入の間を空けずに、次の仕事が決まるにはどうしたら一番いいのだろうか?」という考えに移っているようでした。

私の経験から、ご本人が寝耳に水といった戸惑っている段階で結論を畳み掛けても、たいてい後から悪い形で話が変わるので、来週週明けまで考えてもらうというスタンスを変えず、話を終えました。

お客様への対応

Bさんとの面談を終えて、再度お客様と打ち合わせを行いました。

まずはお客様からのご指摘に対してBさんがどのような理解をしていて、それに対しどのような対応をしたのかを報告しました。

  1. 自分のミスの多さや、スキル不足について認識はあるものの、お客様たちの表面的な励ましを真に受けて、その認識の仕方がかなり甘いこと、認識が甘いがゆえに、周りに迷惑をかけているという意識が少なく、先々に向けて楽観的に前向きであった
  2. 現場の皆様との認識と大きなギャップがあるため、Bさんへの評価について一つ一つ説明し、改善をしていくことを約束した

その上で、お客様の望む、即刻人を入れ替えるという点について説明をしました。

  1. 御社との派遣契約で求められているスキルや業務成果を満たしていないことは、今回のご指摘と、それを受けてのBさん本人へのヒアリングで理解し、派遣元としてマッチングの精度の低さ、もっと細かに状況確認ができていれば更新なしという結論の前に何かしらの対策が打てたという点で、フォローの甘さについては強く反省している
  2. 御社との派遣契約期間、Bさんとの雇用契約期間については、まったく別の問題だと理解しているが、一般的に派遣スタッフは派遣契約期間=雇用契約期間という理解であり、雇用契約途中に終了する=派遣先(就業先)とのトラブルととらえることが多い
  3. 雇用契約期間を途中で終了することに関する補償については派遣会社が行えば済むだけの話だが、実際問題、補償云々の労務トラブルになった場合、どうしてもスタッフの怒りの先は派遣先(就業先)になるケースが多く、ご迷惑ばかりで申し訳ないができるだけ穏便にことを進めた方が良いと考えている
  4. 最近はSNSや、派遣先の人権保護ホットラインなど訴え出る手段が多く、思わぬ紛糾の仕方をするケースも多い
  5. できればこのまま契約期間(派遣契約期間、雇用契約期間)満了まで、本人と派遣会社ともども改善の努力を行いながら、就業をさせてほしい
  6. 本人より契約期間途中で辞めたいという希望があれば、それは本人意思であり、契約期間満了とは別に解決方法の1つでもあると考えている
  7. Bさんに自分から辞めるように仕向けるような説得はしていないが、先ほどの面談で、これから想定される状況や今後について具体的に話をすることで、Bさんには週末に今後についての自分の考えをまとめてもらうことにしている
  8. 週明けに再度Bさんと面談をしたうえで、今後の対応について再度打ち合わせをさせてほしい

以上のような説明をし、一旦様子を見るということでご理解を頂きました。

私のホンネ

これまでBさんの働きぶりについて、普段私がやり取りをしている担当者からは特にお叱りは頂いていなかったのですが、Bさんと一緒に働いてている皆様はずいぶんたまっていたようで、たまりにたまりきった不満を一気に担当者に「更新はしないでほしい」という結論とともに伝え、不満をぶつけられた担当者は、私にその不満をぶつけてきたというケースでした。

私として、もっと現場にまで入り込んでフォローをすればよかったという反省はありつつも、後の祭りです・・・

長文になりましたので、続きについては、また別の記事でお伝えさせて頂きます。

続編②こちら

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コメント

  1. みかん より:

    はじめまして。派遣会社で四年間コーディネーターをしておる者です。こちらのブログはたまたま辿り着いたのですが、記事はどれも非常に勉強になり一気に読みました。
    この記事の続き含め、更新を楽しみにしております!