【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】突然音信不通になり、無断欠勤を繰り返した派遣社員Cさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】突然音信不通になり、無断欠勤を繰り返した派遣社員Cさんのクレーム対応

私の担当派遣社員として派遣先のJ社に1年半近く勤務してくれていた40代男性の派遣社員Cさんですが、突然音信不通になり、無断欠勤が続くようになって、派遣先よりクレームがありました。

その時の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

クレーム経緯

●派遣社員Cさんは営業職兼営業事務として派遣先のJ社で1年半近くに渡って就業してくれており、淡々とした印象はありつつも堅実な仕事ぶりで派遣先からご評価を頂いていた

●就業1年を超えたあたりから徐々に担当顧客を任され、1人称で顧客対応をするようになっていった

●派遣会社の営業担当の私としても、本人の頑張りにこたえるため、派遣先に契約金額の増額交渉を行い、派遣社員Cさんの給与を昇給したりと、至って順調な就業であった

●ある週の水曜に派遣先より電話があり、「Cさんが今週月曜日から来ていない。お休みの連絡もなくて無断欠勤になっている。そちらは把握しているのか?」とのこと

●当社にも派遣社員Cさんから連絡はなく、1年半も真面目に勤めてもらっているスタッフのため、派遣先も私も、まず考えたのは「何か事故でもあったのではないか?」という安否の問題であった

●そこで、まずは派遣社員Cさんの安否確認を行い、派遣先に状況報告をすることとなった

対応のポイント

●長く就業してくれている派遣社員の無断欠勤は、なにかしらの怪我や病気などなんらかのトラブルが原因のケースが多く、安否確認と状況確認が最優先かつ、スピード勝負。また、現場現場で都度の派遣先への報告をする事により、派遣会社側の対応に臨場感を持たせる事で、後々のトラブル解決の落とし所への合意形成をしやすくする

●派遣先も安否確認が最優先という意識が強いが、日を追うごとに実務に支障が出るため、営業担当として、派遣先の温度感・スケジュール感の確認が必要

●セキュリティの観点から、派遣先がスタッフに貸与している入館証や、退職時の誓約書などの提出は必須で、未返却や未提出は派遣先の社内での立場を危うくするケースもあり、派遣会社として回収できるまで、必ずやりきる姿勢が必要

対応経緯

対応1日目

まずは安否確認のため、社内のアシスタントにCさんへの電話、メール連絡を任せ、私は埼玉にあるCさん宅に向かうことにしました。

途中途中、アシスタントに連絡が取れたかを確認するも、連絡取れずの状況。

登録時の情報を確認するとCさんは独身で一人暮らし、ご実家は九州で、お母様がいらっしゃいます。

駅から徒歩20分と遠く、下町風の住宅街のため、迷いに迷って14時頃にやっとCさん宅に到着し、次のような対応をしました。

  • 呼び鈴を鳴らすが反応なし
  • ドアノブを回すが鍵はかかっている
  • 一人暮らしのワンルームのアパートだが、電気はついておらず、玄関ドアから耳を澄ましても物音はしない
  • 一階の部屋のため、裏手のベランダ側に回って、窓越しに耳を澄ましてみるが、やはり物音はしない
  • 玄関ドアの頭上にある電気メーターは回っていて、直近まで生活をしている状況のようだ
  • 玄関ドア近くでCさんの携帯電話を鳴らしてみるが、中から着信音やバイブ音は聞こえない

部屋の周りをうろうろしていると、そろそろ通行人から怪しまれそうでしたので、一旦捜索をやめ、アパートの両隣にお住いの方にCさんの様子を聞いてみることを試みました。

が、単身用のアパートのためか、両隣とも不在。

晩御飯どきになれば帰ってくるかもしれないと、19時近くまでCさん宅付近で待ってみましたが現れず。

私の携帯電話からの着信や留守電・メールに反応なく、会社の固定電話からの着信、留守電・メールにも反応がないため、仕方なく玄関ドアに「連絡をください」と書いた名刺を貼っておきました。

派遣先には随時状況をご報告していましたが、1年半も一緒に仕事をさせて頂いている間柄でもあり、やはり安否確認を第一優先にしてほしいとのご依頼。

また、今回の無断欠勤について、職場でなにか伏線になるような事柄がなかったかを確認するため、お詫びも含め、明日朝に訪問をする約束をしました。

対応2日目

朝、派遣先に出向き、お詫びとともに今回の無断欠勤の伏線となる事柄がなかったかを確認しました。

3名の社員にご出席頂き、ヒアリングをしましたが、派遣先の見解は次のようなものでした。

  • 職場での人間関係は良好だったと思っている
  • 仕事ぶりも堅実で、特にトラブルは抱えていなかったと思う
  • これまで無断欠勤などなく、遅刻もなかったので勤怠はとても良かった
  • 仕事が原因と考えづらく、なにかあったのではないかと心配している

派遣先からの話を受け、やはり本人と連絡をつける以外に方法がないと確信しました。

また、4営業日の間、無断欠勤になっているCさんについて、派遣先の考えは次のようなものでした。

  • まずは安否確認
  • 無断欠勤となった理由によって変わるが、基本的には引き続き仕事をしてほしい
  • Cさんには担当の派遣先を持ってもらっているため、今後も音信不通が続くようなら、どこかのタイミングで人を変える選択をしなければならない
  • 現状は社員が代理対応しているが、結構な稼働がかかっており、来週一杯が限界だと思っている

つまり、来週中には本人と連絡が取れ、納得できる理由を前提に職場復帰しなければ、Cさんに引き続きJ社で派遣就業してもらうことは難しい、という対応のスケジュール感が固まりました。

その後にまた、Cさん宅に向かうのですが、昨日と同じことをしたのでは、おそらく同じ結果しか生みません。

ですので、次のような対応を試みました。

  • アパートの管理会社の看板を見つけ、連絡して事情を話し、アパートのオーナーに連絡してもらう
  • アパートのオーナーにも事情を話し、警察にも連絡して、オーナー・警察立ち会いのもと、部屋の鍵を開けてもらう

苦労しつつも色々と段取りをつけて、なんとかアパートのオーナーまでたどり着くことができました。

初老のアパートオーナーに事情を話すと、警察を呼ぶのは面倒なので、それは避けたいとのこと。

「なんとしても安否確認が必要なので」としばらく押し問答が続きます。

しびれを切らしたアパートオーナーが、玄関ドアをどんどん叩き、「Cさ〜ん!!いますか〜!?安否確認で開けますよ〜!!」と玄関ドアを開けました。

オーナーが入居者の部屋を勝手に開けて良いのかはわかりませんが、とりあえず安否確認の目的は達成できそうです。

まさかのことがあったら・・・

と緊張しながら部屋に入ると、中は誰もおらず、不在のようです。

仕方なく、また名刺にメッセージを書き残し、状況を派遣先に報告して、明日再度時間をかえてCさん宅を訪問することにしました。 

対応2日目深夜

Cさん宅内に入り、不在であることを確認した2日目でしたが、帰宅して、日も変わり、寝ようかと床についた深夜、会社の携帯電話にメールを着信しました。

「Cです。自宅にくるのはやめてください。実家の母の体調が悪くなり帰省していました。仕事は辞めます。」

メールを受け、電話しましたが電源が入っておらず、メールをしても返信なし。とりあえず対応を諦め、明日朝一番に派遣先に状況報告をすることにしました。

対応3日目

朝一番で派遣先に連絡し、ご報告で訪問をしました。

昨日深夜にCさんから届いたメールを見せ、この後、連絡は取れていないことを説明しました。

派遣先からすると、散々心配させられ、代わりに仕事の穴を埋めてきたのに、きちんとした事情の説明もなく、突然辞めますとはどういうことか!?と、当然ながらお怒りの様子でした。

お詫びとともに、今後の対応について次のように打ち合わせました。

  1. Cさんから明確な退職意思があったため、本日付で業務終了とする
  2. 本当は引き継ぎや後片付けなどして欲しいが、それは望めなそうなので期待しない
  3. 貸与している入館証の返却、退職時の誓約書は必ず回収してほしい
  4. 後任は他の派遣会社に頼みたいところだが、急な話でもあり、すぐにそちらで候補者を出してほしい
  5. Cさんの件は結論が出たところではあるが、事の真相というか、細かい部分がわかったら報告してほしい

後任候補者の人選はコーディネーターに任せるとして、派遣先より指示のあった入館証や退職時の誓約書の回収、また私としても次のような事情で本人と連絡を取る必要がありました。

  1. メールで退職意思が記載されてはいるが、念のため自己都合退職の念書をとっておきたい
  2. 厚生年金や健康保険の喪失手続きのため、本人と雇用契約上の最終日を確認、合意しければならない

引き続き本人に連絡を取り続けるのですが、メールで「自宅に来ないでほしい」と意思表示をされている事、先日アパートオーナーが本人の許可なくCさん宅に入った事(私は入っていない)の後ろ暗さもあって、自宅に訪問することはやめ、電話・メールで連絡し、本人と会う機会を設けることにしました。

対応15日目

毎日習慣のように、ずっと電話とメールを繰り返していると、15日目になってやっと電話がつながり、Cさんの自宅最寄駅近くの喫茶店で会う事になりました。

ずいぶん日が経ったため、派遣先のお怒りもだいぶ静まり、また、後任のスタッフさんも就業開始したことから、面談の目的としては「回収すべきものを回収し、事務的に聴かなければいけない事を確認する」といったニュアンスに変わっていました。

Cさんに対面すると、少しふてくされたような表情で「ご迷惑をおかけしました」といい、なぜこのような事態になったのかも確認しましたが、「それはちょっと、色々ありまして」と言葉少なです。

この先揉め事になってもお互いなにも得がないため、淡々と貸与物の返却をしてもらい、必要な事務処理を済ませて別れました。

私のホンネ

派遣会社の営業担当という役割柄、スタッフさんが引き起こした事を自分の責任として謝罪することが多く、今回のようなケースも稀にあるので、慣れているといえば慣れていて、さほどストレスにもなりません。

ただ、半年ほど前に、3年も派遣社員として勤めてくれていたスタッフさんが、同じように突然無断欠勤して数日連絡がとれず、警察とともに自宅に入った時には帰らぬ人に、というような経験がありました。

仲良くしてもらっていた年上のスタッフさんで、その時のことがトラウマになっているものですから、今回のケースではだいぶ慌てました。

不幸な結果でなくて、不幸中の幸いといったところですが、改めて色々な人がいるなぁと、この仕事の大変さを感じたケースでした。

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