【続編⑨】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】派遣先の既婚中年担当者から「俺と付き合わない?」と告白された派遣社員Wさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】派遣先の既婚中年担当者から「俺と付き合わない?」と告白された派遣社員Wさんのクレーム対応

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引き続き、派遣先の40代既婚担当者から言い寄られた20代女性の派遣社員Wさんのクレーム対応をご紹介していきます。

派遣社員Wさんとの打ち合わせ

T社の部長とM課長との商談の翌日、Wさんと打ち合わせをしました。

まずはS係長のセクハラ・パワハラに関して、T社の面々と私のやり取りの近況を説明します。

  • コンプライアンス相談窓口からWさんの所属する部署に指導が入り、部長を責任者として、M課長が実務的な対応をするという役割分担のよう
  • Wさんがコンプライアンス相談窓口に連絡をしたことは当然伝えていない
  • 先方は相談内容から、相談者がWさんだと見当をつけているよう
  • 相談内容は先方の都合の悪い内容ではあるが、相談したことを「悪いことをした」かのように扱うのは内部通報の仕組みの主旨に反しており、慎重な扱いをしようとしているのを感じる
  • 匿名の相談であること、内部通報をしたことで相談者に不利益をもたらさないという「建前」は今後の先方との交渉・調整でも武器になりそうだ

Wさんは状況を理解してくれ、引き続きの交渉を私に一任してくれました。

余談ですが、コンプライアンス相談窓口はいわゆる「内部通報」であり、Wさんがおこなった「相談」は「内部通報」ということになります。

ただ、Wさんとの会話においてはあくまで「相談」という表現にとどめています。

これは「通報」といった表現がどうしても大それた印象をあたえる言葉であること、またその通報によって加害者のS係長に大きな影響を与えることも連想でき、どうしても気後れをしてしまうからです。

引き続き、Wさんに先方からのアプローチについて説明をします。

  • 匿名の相談内容を受け、M課長がS係長にヒアリングを行ったところ、S係長から「思い起こせば」Wさんにセクハラやパワハラと「誤解」されてしまうような事柄があったとの話があった
  • 先方はWさんの「誤解」を解いて「誤解をさせてしまったこと」を謝罪したいと申し出てきたが、「コンサートにつきあってと言ったつもりが、Wさんが男女の仲としてつきあってと誤解した」といった馬鹿馬鹿しい話であったし、そもそもWさんからはハラスメント被害は受けていないことになっているので、「Wさんはハラスメント被害を受けていると思っていないし、もちろんそんな誤解もしていないから謝罪など必要ない」と突っぱねた
  • これは先方の狙いが、「Wさんが納得したかどうかは別として、何かしらの対応はした」という親会社のコンプライアンス相談窓口に報告する既成事実を作ることが目的だと感じたから
  • 部長たちは、この問題がコンプライアンス相談窓口の手から、自分たち現場の手に落ちれば、なんだかんだと理由をつけて、Wさんの契約更新をしないとか、うやむやにしようとしている可能性が高い

ここまでの経緯をWさんに理解してもらったところで本題に入ります。

  • 部長達はコンプライアンス相談窓口への相談があったことで、何からの対応をし、結論を報告しなければいけないのだと思う
  • しかし、現状は私にすべて突っぱねられて何も進んでいない状況
  • 先方の部長まで出てきていて、そろそろ落とし所を探らなければいけないタイミングかと思う
  • 私はWさんの考え次第で対応をしようと思う

被害者であるとはいえ、M課長やS係長といった現場で一緒に働くメンバーと暗に争いながら働くというのはなかなかストレスのたまる状況です。

Wさんが今の職場で仕事を続けたいのか?一刻も早く辞めたいのか?とりあえず契約期間満了までは続けたいのか?によってずいぶん対応が変わってくるのです。

Wさんはあらかじめ答えを持っていたようで、すぐに返事をくれました。

  • すぐにでも辞めたいが、収入のこともあるし、次の仕事も決まっていないので決めかねている
  • T社とのやり取りの中で、すぐに辞めた方が良さそうであればそうするし、契約満了までいた方が良さそうであればそれでもいい
  • お任せするので、T社との交渉はお任せする

ありがたいことに、Wさんは私を信頼して一任してくれるようです。

これで契約期間満了までの幅の中で、私の裁量でスムーズにT社とやり取りをすることができます。

私はWさんに今後の対応方針を伝えました。

  • まず、Wさんがすぐにでも別の派遣先で働けるように、社内各所に共有する。仮にすぐ別の派遣先で働くことになり、T社との契約途中で辞めることになったとしても、私が何とかするので安心してほしい
  • あわせてT社には、特にS係長には痛い思いをしてもらおうと思う。まだWさんが働いている状況なので、居づらくなるようなやり方はしないので安心してほしい

部長達にとって、いまやWさんは「腫れ物に触るような存在」のはずです。

Wさんが自ら契約途中で退職することになれば、むしろ小躍りして喜ぶかもしれません。

逆を言えば、Wさんが「引き続きT社で働きたい」と言えば、匿名での通報とはいえ、Wさんが通報者であると認識しているT社は、契約更新をしないことで「セクハラ・パワハラ被害を受けて内部通報したら、それを理由に契約を打ち切られた」といった訴えを受けるリスクを懸念するはずです。

そんな背景を踏まえ、私はWさんが「契約途中でも辞めたい」なんてことはおくびにも出さず、「Wさんは御社での就業継続的に意欲的だ」くらいのブラフをかけて、より交渉を有利に持っていこうと目論むのでした。

長くなりましたので続きは続編とさせて頂きます。

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