【続編⑦】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】派遣先の既婚中年担当者から「俺と付き合わない?」と告白された派遣社員Wさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】派遣先の既婚中年担当者から「俺と付き合わない?」と告白された派遣社員Wさんのクレーム対応

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引き続き、派遣先の40代既婚担当者から言い寄られた20代女性の派遣社員Wさんのクレーム対応をご紹介していきます。

彼らの思惑は?

こんな馬鹿馬鹿しい話を私にする彼らの思惑はなんなのでしょうか?

本当に反省してWさんに謝りたい?

これまでのやりとりから、そんな善良な人たちには思えません。

彼らの思惑はきっと次のようなことなのです。

  • 苦しい言い訳ながらも、それを押し通し、Wさんに誤解を解くためのアプローチをし、謝罪もしたのだという親会社のコンプライアンス相談窓口に報告する既成事実がほしい
  • 事前に派遣会社にも通知をする事で、その既成事実に裏付けを持たせたい

コンプライアンス相談窓口へ通報されたS係長は身の潔白を証明しなければならない、その上司であるM課長は管理責任を問われることを避けるためにS係長に潔白を証明させなければいけない。

潔白とまではいかなくとも、自分たちを正当化させつつ、やるべきことはやったという既成事実が必要なのです。

そのような既成事実を踏んだ上であれば、適当な理由をつけて次の契約更新はせず、都合の悪いWさんを追い出せるなどと考えているのかもしれません。

つまり此の期に及んで、彼らの保身のために私とWさんを茶番に付き合わせたいだけなのです。

反撃開始

S係長からのWさんに対するセクハラやパワハラに対する苦しい言い訳を聞き終えたところで、私からいくつか考えや質問を返しました。

  • 先日少しお話は聞いたが、改めてS係長からWへのセクハラやパワハラの話の詳細を聞いて驚いている
  • 色々と誤解があり、謝罪や説明をして誤解を解きたいとのお考えを聞いたが、ハラスメントは受け手の受け止め方の問題で、果たして謝罪や説明をしたからといって解決をするかは確証がなく、慎重に対応しなければいけないと思う
  • また、Wが必ずしもS係長が考える「勘違い」をしているとも限らず、セクハラもパワハラも受けていないと思っているかもしれない。「セクハラやパワハラと受け止められるような行為をして申し訳ない」と謝罪した時点でヤブヘビになる可能性もある
  • そもそもWが「コンサートにつきあって」を「男女の仲としてつきあって」と聞き間違えるのだろうか?

私はWさんからなにも聞いていないことになっていますから、まずは「詳細について、初めてそんな話を聞いて驚いた」とわざとらしく驚いて見せました。

前回の商談でうかつにもM課長が「通報者はWさんなのか?」と私に聞いた経緯と、今日のM課長・S係長の話の流れからして、「コンプライアンス相談窓口は匿名での通報ができ、通報者は特定されない」という建前になっているものの、2人には通報したのはWさんであると事前に伝えられている可能性が高いと考えられます。

前回の商談では、業者である私に取引関係の優位性をひけらかして高圧的に「雇用主である派遣会社として誠意ある対応をしろ!」とことが大きくなる前に派遣会社からWさんが自発的に辞めさせるよう働きかけ、ことが大きくなる前に事態の「揉み消し」を図ったに違いありません。

「匿名で通報したはずが、加害者に通報者が特定されている」という状況はコンプライアンス相談窓口といった、いわば内部通報の仕組みとしては破綻していて、このことは後々の交渉で私のカード(交渉材料)になりそうです。

その意味でS係長が「これまでのWさんへの行いを反省し、謝罪したい」という主張は、匿名で通報したはずのWさんの相談内容が前提になっている話の組み立てであり、Wさんは「匿名で相談したはずなのに、なんで加害者のS係長が私の相談をほとんど知っているのか?匿名での相談ができるという窓口の話は嘘なのか!?」といった、新たな訴えを起こすことができるのです。

さらに質問を続けます。

  • 先日の商談ではS係長は私に「Wさんは積極性がなくなり、嫌々仕事をしているのは迷惑だから、Wさんの雇用主として派遣会社はどのような対応を取るのか?至急誠意ある対応を考えてほしい」という非常に厳しいお言葉を頂いた
  • それが匿名の通報を受けて、急にS係長がWに対してのセクハラやパワハラと受け止められるような行為があったと急に「思いあたり」、雇用主である派遣会社として誠意ある対応を求めていたのを取り下げるということか?

浅はかな作戦の矛盾点を次々に私から指摘され、M課長は「信じがたいところもあるでしょうが、これが事実なんです」と我慢強く突き通していました。

が、途中から私が目線をS係長に向けながら話をしていると、最初は愛想笑いを浮かべていたものの、徐々に我慢がきかなくなってきたようでS係長が急に声を荒げました。

「じゃあどうしろっていうんですか!?否定ばかりするなら何か代案を示してくださいよ!」

逆上したS係長にM課長は一瞬頭を抱えますが、すぐに気を取り直し、「まぁまぁ、S係長が失礼しました」とフォローします。

このタイミングを逃さず、私は畳み掛けます。

  • S係長からのWへ謝罪したいといったご配慮はありがたいが、本人からはセクハラ・パワハラ被害は聞いていないし、話のきっかけになった通報は匿名であることから、被害の自覚のないWが「私はそんなひどいことをされていたんだ」とヤブヘビになる可能性が高い
  • 本人から被害の訴えもなく、通報も匿名で真偽が不確か、S係長のお話も通報があってから「思い起こしたら」Wさんが勘違いをしてセクハラやパワハラだと思っているかもしれないといった不確かなお話
  • 以前に「雇用主である派遣会社として誠意ある対応」を求められたが、雇用主として、こんな不確かな話に大事なWを巻き込みたくない
  • 「どうしろというのか?」とのことだが、お二人のおっしゃるS係長からWへの謝罪は「する必要がない」というのか私の考え

これまでM課長やS係長に投げつけられた不愉快な言葉を総動員して、珍しく嫌味ったらしく反論しました。

二人とも二の句が告げられないのか呆然としています。

私からとどめの一言を伝えます。

  • S係長はお考えを改められてWにずっと働いてもらいたいとのご意思でありがたいこと
  • 派遣契約は3ヶ月ごとになっているので、まずはその満了まで当社のWがお世話になる
  • その後の契約更新は、また私が間に立って確認をさせて頂く

コンプライアンス相談窓口に通報があった以上、M課長やS係長は何も手を打たなかったでは済まされないのです。

ただ、今日の商談ではなんの進展もなく私に言い負かされただけ。

さて、二人は次にどんな手を打ってくるのでしょうか?

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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