【続編14】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】派遣先の既婚中年担当者から「俺と付き合わない?」と告白された派遣社員Wさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】派遣先の既婚中年担当者から「俺と付き合わない?」と告白された派遣社員Wさんのクレーム対応

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引き続き、派遣先の40代既婚担当者から言い寄られた20代女性の派遣社員Wさんのクレーム対応をご紹介していきます。

数日後にT社と商談

M課長達との商談の数日後、T社の部長から「打ち合わせをしたい」との連絡がありました。

T社に訪問をすると部長とM課長が会議室に通してくれます。

商談が始まると、部長が口を開きました。

  • 先日のWさんとの三者面談の経緯は聞いている
  • Wさんの主張は、当社としては「認識違い」と感じることもあるが、本人の主張を曲げることもできないし、然るべきところに相談するのを止めることもできない
  • Wさんとの契約はまだ半月残っているから、まだWさんは御社と雇用契約のある人物だと思っているが、雇用主として御社はこの状況をどう捉えているのか?

この期に及んで、まだ責任と対応をこちらになすりつけようとする部長に呆れましたが、私は淡々と答えました。

  • 本人からは先日の三者面談の日をもって退職の希望があり、受理した。
  • それについてはM課長にもご報告をしている
  • Wさんと当社の雇用契約はすでになく、Wさんは個人として御社に憤慨し、「然るべきところに相談する」と言っている
  • この件に関しては御社とWさんの問題であり、当社はなんら関知するところではない
  • もし、御社と当社の残りの契約期間の履行を求めているなら、派遣契約はあくまで「派遣契約をした業務内容の遂行」であり、必ずWさんであることを求められるものではないので、別の派遣社員を人選する
  • ただ、今回のハラスメントの件を踏まえ、職場環境に懸念があると捉えており、別の派遣社員の紹介は検討させてほしい

私の話に部長は不満そうな表情で次のように話を返してきました。

  • 派遣会社としてそんな無責任な対応が許されるのか?
  • 当社と親会社含めて取引がなくなるのを覚悟しての話か?

T社のような大企業のグループ会社の部長クラスは大抵が親会社からの天下りです。

親会社にいた頃から出入りの業者にチヤホヤされてきたのでしょう。

取引停止をちらつかせて威圧すればなんとかなると思っている輩はわりと多くいます。

私は次のように答えました。

  • 御社や、御社の親会社の取引がなくなってしまうのはとても困る
  • 今回の件で、御社とのお取引がそのような結果になってしまっては、私も上司にどう説明して良いかわからない

私からのへりくだった返答に、「我が意を得たり」と言った表情の部長が口を開く前に、続けて次のように話しました。

  • もし、御社や御社の親会社での取引がなくなることになったら、現場の担当者様や当社の派遣社員に、「今回の経緯」を「丁寧に説明」し、取引がなくなってしまう事を「お詫び」して回らなければならない
  • コンプライアンス相談窓口を管轄する親会社の法務部ともお取り引きがあるので、どのように「お詫び」をしたらよいかわからない

今回の件に関しては「売られた喧嘩は買う」と決めていたので、部長やM課長にどう思われようがかまいません。

そもそもグループ会社であるT社の部長風情に、親会社含めて当社との取引を停止する権限なんてあるわけがないのです。

一度は下手に出たと見せかけて、嫌味たらたらに「もしT社や親会社の取引停止というような暴挙にでたら、取引がなくなったお詫びのていにして、今回のハラスメントの経緯を各現場に話して回るぞ」となかば脅かすような私の返答に部長は憮然としています。

しかし、この部長、本当に「取引を止めるぞ!」と脅したら、この件がなんとかなると思っていたのでしょうか・・・

だとしたら、ずいぶんナメられたものです。

そろそろお暇しようかなと思っていると、部長が口を開きました。

部長からの提案

私が引くつもりがないのを察してか、商談が決裂間際のタイミングで部長から次のような提案がありました。

  • 先日の三者面談のあとの打ち合わせで、Wさんとの今回の件の示談について、御社が間に立つと聞いている
  • こちらにも非があるのでなんらかの対応はしたいと思っているが、御社はWさんに対してどのような対応をする予定か?

相変わらずピントのずれたことを言っているので、早々に切り替えします。

  • 何度も申し上げているが、いまやWさんと御社の問題であり、当社が示談の間に立つ義務はないし、Wさんとの雇用契約もない中で、当たり前のように間に立つのも不自然
  • また、同じ理由で示談について当社がなんらかの負担をする理由がない

答えのない水掛け論が続きそうで、いい加減うんざりしていました。

すると部長が、「わかった、腹を割って話をしましょう」と言います。

何を言い出すのかと訝しく思っていると、部長が次のように話し始めます。

  • 今回のWさんからの訴えを、当社とWさんの問題としたときに、Wさんに対して慰謝料を支払う準備がある
  • ただ、今回のような経緯で、いったいどのような名目で、いくら払ったらよいかわからない
  • また、「慰謝料」という名目で支払うのは、当社の社内決済の仕組み上、とても難しい
  • できれば、派遣会社に間に入ってもらって、Wさんの納得する金額を教えて探ってもらい、派遣会社からWさんに支払いをしてほしい
  • 当社は商取引として、御社に対して支払いをする

「そんな結論を持っているなら、さっさと言えばいいのに」と思いつつ、部長がWさんとの金銭での示談を具体的に口にしたことに手応えを感じました。

部長の投げかけに答えます。

  • 重ねてのお話になるが、Wさんと御社の間でのお話なので、私が「いくら払ったらいい」というような無責任なことは言えない
  • とはいえ、元々は当社の派遣社員であり、Wさんは御社との直接のやりとりはしたくないと言っている背景もあり、それとなくWさんに話を聞いてみる
  • それにしても目安の金額は必要で、御社としては金銭での示談にどれだけの予算を考えているのか?
  • さきほど「腹を割って話そう」という話があった。御社の考える予算について、これ以上かけひきのようなことはやめてほしい。私がWさんと話をするなかで後から後から話が変わるようなことがあると、まとまる話もまとまらなくなる

話が金銭での示談にたどり着くまでに部長の見当違いなかけひきがあったことを蒸し返して、これ以上無駄な交渉が発生しないように釘を刺します。

「予算は50万円だ」という部長に、「では、そこを上限にWさんと話してみます」と伝え、打ち合わせを終えました。

長くなりましたので、続きは続篇とさせて頂きます。

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