【派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】新人の派遣会社営業担当が早期に身につけたい商談力とは?

【派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】新人の派遣会社営業担当が早期に身につけたい商談力とは?

派遣先担当者と話すのは緊張する・・・

派遣業界で10数年間営業担当をしているベテランの私は、新卒採用や中途採用で新しく入った営業担当の育成をよく任されます。

新人の営業担当と話していると、「派遣先担当者との商談は緊張する」とか、「派遣先担当者と何を話していいかわからない」という相談をよく受けるのです。

自分ではあまり感じたことがなかったので、常々不思議だったのですが、育成で新人と同行する機会が増え、彼彼女たちに主体的に商談を進めてもらい隣で聞いていると、だいたい理由がわかってきました。

ざっくり言うと、話し下手だから会話が続かないのではなく、準備が不十分だから会話のきっかけが少ないと言うことだと感じています。

「若輩のお前が偉そうに講釈するな」と怒られそうですが、このブログは同業同職種の方も見て頂いているようなので、ケース別に私が感じた問題点や課題点をあげてみたいと思います。

商談に同行して、新人営業担当の商談力を確かめてみた

新規開拓の商談での失敗例や課題点

何人かの新人の新規開拓営業に同行し、運良く受付をクリアして、派遣先担当者に会えたと言う場面に何度か立ち会いました。

上司である私が隣にいて、緊張して本領を発揮できていないだけかも知れませんが、新人達の話ぶりを聞いていて課題点は次のように感じました。

  • アポなしでの新規開拓ではなかなか派遣先担当者に会えることができないため、本来は手段であるはずの「担当者に会うこと」が目的になってしまい、会ったあとの商談の準備ができていない
  • 初めてお会いする担当者には商談始めになんらかのアイスブレイクが必要だが、アイスブレイクのネタを準備していない
  • いきなり資料を机に広げて、自社の会社案内やサービス案内など、商談の主が「説明」になってしまい、「会話」になっていない
  • 商談で重要なのは「いかに先方から情報を得ることができるか」だが、「営業とは売り込むこと」だと考えているのか、一方的にこちらから話すのみで、ヒアリングの投げかけをしていない
  • 「派遣のニーズないですか?」「何人派遣使ってますか?」など、上司から聞けと言われた質問を次々に聞いていくスタイルのため、派遣先担当者がその商談に付き合うメリットがない

いずれもきちんと準備をしておけばなんとかなってしまうことだと感じました。

アイスブレイクになる雑談ネタに困る新人がよくいますが、天気や新聞の記事、電車の中吊りなど、色々あります。

どうしてもないときは最寄駅の街並みや風景、会議室に向かうまでの壁面に飾ってある絵画など、なんでも使えるはずです。

取引のある派遣先担当者との商談での失敗例や課題点

取引のある派遣先との商談の場合は、派遣社員が働いてくれているわけですから、新規開拓に比べれば、ある程度話題はあるはずです。

ただ、横で聞いていると、せっかく取引があって、ある程度の信頼関係があるのに、それを活かしきれていない物足りない印象があり、派遣先担当者との会話も淡白になりがちです。

  • 「うちの派遣社員は最近どうですか?」「うちの派遣社員は今、こんな状況みたいです」という、派遣社員周りの話が終わると早々に会話に詰まってしまう
  • せっかく役職者に会えて、しかも取引があるという信頼関係のベースがある中で、役職者だから持つ、派遣先の会社の組織の話や業績、今後の会社の方針などの顧客理解につながる生の情報を引き出せていない。また、そのためのフックになる情報の準備ができていない
  • 対面している担当者よりもさらに上の担当者(対面しているのが課長なら、部長)に会うための仕掛けをしていない

相手の派遣先担当者は何かしら役職のある人でしょうから、それなりに社会経験を積んでいるわけで、薄っぺらい商談をしていたのでは甘くみられてしまいます。

何かトラブルがあったときもアテにしてもらえないでしょうし、追加の人材ニーズがあったときに声をかけてもらえないかもしれません。

この場合もやはり、事前の準備不足が課題なのです。

ポイントは事前の準備

まず、商談はなんのために行うのでしょうか?

アポがあるにせよ、ないにせよ、取引があるにせよ、ないにせよ、必ず商談に至る目的(ゴール)があったはずです。

商談の目的(ゴール)から商談を組み立てる、準備する

例えば新規開拓であれば取引を開始したいという目的(ゴール)があります。

そのための準備とはどういったことでしょうか?

取引開始というゴールからプロセスを遡ってみましょう。

  • 取引開始(派遣社員の就業開始)
  • 派遣社員の紹介
  • 基本契約の締結(契約や支払条件)
  • オーダーヒアリング
  • 派遣先担当者との関係構築(派遣ニーズやポテンシャルのヒアリング)

かなりざっくりとしたプロセスですが、新規開拓で飛び込み営業をしているような段階では、取引開始というゴールから見て、派遣先担当者との関係構築という途中プロセスにいることになり、それぞれのプロセスはミニゴールであるとも言えます。

商談にのぞむ際には、そのミニゴールをいかにクリアするかを念頭に事前の準備をする必要があるのです。

●派遣先担当者との関係構築をする際の事前準備

何をもって派遣先担当者との関係構築ができたとするかは難しいですが、とりあえずは「派遣先担当者から派遣ニーズやポテンシャルなどについて定期的にヒアリングができる」としましょう。

そのようなゴールをクリアするために新規開拓を行い、担当者と商談をする際の事前準備は次のようなものです。

  • 取引開始をしたい企業について調べておく
  • 取引開始をしたい企業の業界について調べておく
  • それらの情報の中から、自分が少しでも知りたいと思った事柄を準備しておく

最近は皆さんスマートフォンを持っているでしょうから、慣れてしまえな、企業の受付に入る前に少しネットで調べればできることです。

たったこれだけで初めて会う担当者との会話のネタができました。

また、話が盛り上がると気が大きくなって、ついつい自分の会社やサービスの「説明」をしたくなるでしょう。

パンフレットを差し出そうとした手をぐっとこらえましょう。

考えても見てください。

若い新人のあなたに派遣会社や派遣というサービスのなんたるかを教えてもらわなくても、たいていの担当者はすでに知っていると思いませんか?

そんな派遣先担当者と関係構築するための事前の準備は次のようなものです。

  • 競合他社数ある中で、自分の会社の強みは?
  • 競合他社のたくさんいる営業担当の中で自分の強みは?

人材派遣はすでに成熟産業です。

新規開拓であなたが取引をしたいと思うような企業は既に人材派遣を利用しているか、過去に利用した経験があります。

そこで必要になるのは、派遣というサービスやあなたの会社の説明ではなく、その企業が派遣というサービスを使っている、もしくは使っていた中での問題点・課題点の解決なのです。

●オーダーヒアリングの際の事前準備

初めて会った派遣先担当者に、長々と自分の会社やサービスについて「説明」してしまうのと同じように、オーダーヒアリングの際に「上司から渡されたヒアリングの項目を順番に聞いてしまう」というのは新人にありがちなこと失敗です。

よく考えてみてください。なんのためにヒアリングをしているのでしょうか?

派遣先からの人材ニーズにマッチングした人材を紹介するためではありませんでしたか?

オーダーヒアリングの際の事前の準備は次のようなものです。

  • 自分がこのオーダーを人選するとしたら、どんな情報が必要か整理しておく
  • 自分がその派遣先で働くとしたら何がしたいのかを整理しておく

人材を紹介するということは、人選をするということです。

紹介をするということは、働く派遣社員がいるということです。

それぞれの立場になって何が知りたいかを考えれば、ヒアリング項目を並べたチェックリストの順番に聞いていくといった、間抜けな商談をせずにすみます。

話し出したらきりのない事前準備のポイントですが、インタネットの普及で最近は本当に情報収集がラクになりました。

企業のホームページや、上場企業であれば決算説明会資料や中期経営計画、様々あるビジネス情報サイト。

気をつけているのは、公開されている情報はできるだけ把握しておくということです。

「営業現場で担当者から苦労して聞き出しはずの情報が、実はその企業のホームページで公開されているような情報だった」

事前に企業のホームページでその情報を知った上で、担当者に「こういった情報が載っていましたが、どういう意味合いなんですか?」と、もっと深掘りした話が聞けたかもしれません。

調べる手段が高度化している現在では、事前の準備は競合他社だけでなく、ビジネスパーソンてして他者と差別化するための手段でもあるのです。

更新情報はTwitterに配信しています!