【派遣社員として働くための基礎知識】派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例

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私の担当するF社で働く派遣社員Oさんですが、職場の無責任な上司や社員たちに悩まされつつも、日々の仕事に追われて、以前から希望していた正社員での転職になかなか踏み切れずにいました。

派遣会社営業担当の私がかかわった派遣社員Oさんの転職活動について営業日報形式でご紹介します。

派遣社員Oさんの現状

●派遣社員Oさんは30代半ばの女性

●2年前からF社の総務経理部で派遣社員として働いている

●Oさんが所属するF社の総務経理部は社員10名、派遣社員はOさんを含めて4名が所属

●部署柄なのか、メンタル不調や体調不良で欠勤や遅刻など勤怠の安定しない社員がほとんどで、戦力になる社員は実質4名程度

●社員の戦力不足を補うために派遣社員に頼った部署運営になっており、また責任者である課長が意思決定の曖昧な頼りない性格の方であるため、指揮命令が明確でなく、仕方なく派遣社員が自主的に仕事を巻き取っているような状況

●最初は総務事務で就業を開始したが、派遣先の人員の都合で経理業務を兼任してほしいとの依頼があり、現在は総務事務半分、経理事務半分という業務割合

●Oさんは数字を扱う仕事に苦手意識があり、当初は業務内容が変わることをきっかけに正社員での転職を考えた

●そのタイミングがたまたま決算前後であったため、慣れた人でないと業務が滞る懸念があり、派遣先から「なんとか残ってほしい」との慰留があり、しぶしぶ就業を継続した

派遣社員Oさんに行うべき問題解決

派遣社員頼りの職場の悪循環とは?

Oさんが働くF社の総務経理部は典型的な「派遣社員に頼った職場」です。

メンタル不調や体調不良の社員が多く、実質の戦力となる社員が10名中4名しかいないという状況は、責任者である課長にとってはとても辛い状況だと思います。

ただ、その状況を放置して、足りない分の穴埋めを派遣社員に求めるという悪循環な部署運営を行なっており、その責任はやはり課長にあるのです。

このような派遣社員の力量や頑張りに依存した職場にはいくつか特徴があります。

  • 常識的な派遣社員ほど、「派遣社員への依存」という職場の構造的な問題を早々に察知してすぐに辞めてしまう
  • そのような職場で長く勤めることができるのは「主体的に自分のやり方で仕事をしたい」とか「自分の経験やスキルを最大限生かして働きたい」というような前向きでキャリア志向の派遣社員
  • 上司の指揮命令やマネジメントが効いていない職場では、キャリア志向の強い派遣社員は先々次のような結果を迎えることが多く、結局は職場が安定しない
  1. 勤続が長くなる中で、その人にしかできないことが増え、静止できる上司がいないために職場での発言力を異常に強めて「仕事はできるが、扱いづらい派遣社員」になる
  2. その人にしかできないことが増えた結果、その派遣社員は「社員の業務を派遣社員である自分に丸投げされただけ」であることに気がつき、転職を決意する

実際にOさんの勤めるF社の総務経理部も、新たに派遣社員を探すときには「主体的に仕事を探して、1言われたら10わかるような人がほしい」というような人物像を挙げ、新しく派遣社員がスタートをしては辞め、時に年単位で勤める人がいたと思うと職場内で幅を効かせる「お局」のような存在になり、ますます職場の雰囲気が悪くなるというようなことを繰り返していました。

文句を言わないOさんに業務が集中

そんな職場環境の中で、真面目で、文句も言わずにコツコツと仕事をするOさんは希少な存在で、目立ちはしませんが、職場のみんなから一目置かれているようでした。

もともと総務事務をやっていて、半分経理事務をやってほしいといった派遣先の希望も、あとになってよくよく聞いてみると、他の派遣社員が「そんな仕事はやりたくない、どうしてもというなら辞める」と強硬に拒否をしたため回り回ってOさんにあてがわれたという経緯のようです。

このような出来事はOさんが勤務してきた2年間の中でもこまごまとあったようで、Oさんはあまり主張はしませんが、派遣先の課長のコメントの端々から伺い知れます。

そのような出来事の積み重ねでOさんの業務量は増えに増え、おそらく1.5人分程度の業務量になっているようです。

業務内容の追加や変更に合わせて、都度時給アップの交渉を行い、それなりの対価はOさんに支払うことはできているものの、仕事が忙しすぎて「いつかは正社員で転職したい」というOさんの希望はいつ行動に移すことができるのでしょうか?

派遣社員Oさんに行うべき問題解決

これまでも3ヶ月ごとの契約更新のタイミングごとにF社に対して「業務の指揮命令が明確でないようだから改善してほしい」とか「Oさんの業務量がずいぶん多くなっていて、残業も増えているし、少し減らしてあげてほしい」といった交渉は行なっていましたが、正直派遣先の課長自身も余裕がないのか「のれんに腕押し」といった状況で、改善の期待できませんでした。

かたやOさんは、契約更新の面談ごとに「もう30代半ばだし、この機会に正社員の転職を目指したい」と言いはするものの、結局は「でも、今私が辞めたら職場のみんなが困るから」とどこまでも真面目で優しいのです。

派遣会社の営業担当としては、このままOさんがずっと就業を継続してくれることはありがたいのですが、この調子だと数年後もズルズルとF社で働き続けているかもしれません。

とても言葉が悪いですが、私はOさんが「強い悪意があってのことではないが、F社のいいように食い物にされている」と感じています。

私がOさんに行うべき問題解決は、「近いタイミングで、Oさんが正社員での転職が成功するようにアドバイスすること」と考えました。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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