【続編⑤】【派遣社員として働くための基礎知識】派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例

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引き続き、日々の仕事に翻弄されて、派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例をご紹介します。

派遣社員Oさんの転職活動状況は?

まずは履歴書・職務経歴書を作り、早速応募

事前に立てた転職活動プランのとおり、Oさんは最初に東京しごとセンターに足を運んだそうです。

担当のカウンセラーと面談をし、直近の職歴が派遣社員であることが正社員での転職に不利にならないか不安であることを伝えたようでした。

カウンセラーからは次のようなアドバイスがあったようです。

  • 直近の職歴が派遣社員であっても、勤務期間も2年とまとまった期間を勤めているし、派遣法3年の期間制限と自分の年齢を考えて、在職しながら正社員での転職を目指すというのは話の筋が通っているから、大きなハンディにはならないと思う
  • 東京しごとセンターで扱う求人案件の中には「正社員未経験の方もOK」といった案件も数多くあるので心配いらない
  • まずは履歴書や職務経歴書を作り、何度か添削をして、早速応募ができる段取りを整えよう

Oさんはカウンセラーのアドバイスに納得がいったようで、応募書類を完成させ、応募する求人案件もいくつか選んで、早速2社ほど書類選考に入ったとのことでした。

求人企業が求職者の「正社員経験の有無」にこだわる理由

求人企業にとって、応募者の正社員経験の有り無しは求職者側が思うより大きなポイントです。

それには次のような理由があります。

  • 企業規模によるが、新卒社員の導入研修は2週間〜長い企業だと数ヶ月間。仮配属なども含めて、色々な社員の手を借りて社会人としての、職業人としての基礎教育がなされる
  • 正社員の経験がないと、その基礎教育がなされていない人材である可能性が高く、育成コストが高い人材と判断される
  • 一般にパート・アルバイト・契約社員・派遣社員といった雇用形態では主体的に仕事に取り組める環境がない場合も多く、仕事感が受け身に出来上がっている先入観がある

面接の時には良い印象を持ったとしても、実際に働いてもらったらずいぶん印象が違ったというようなことはいくらでもあるため、学歴などと同様にある程度信頼性のある判断材料とする採用担当者が多いのです。

そういった意味ではOさんは3社の職歴の1社目は新入社員として正社員で働いており、新入社員研修やその後の現場での教育もしっかり受けているようですから問題はなさそうです。

並行して転職サイトで求人探し

Oさんは東京しごとセンターのカウンセラーと面談をした成果は次のようなものだと話していました。

  • 今まで書き方がよくわからなくて、履歴書や職務経歴書を作ることから逃げていた。そのため、正社員で転職しようと考えてはいても、最初の一歩すら踏み出せていなかった
  • カウンセラーからアドバイスを受けたことで、履歴書や職務経歴書の作り方がわかり、応募する準備ができて、ずいぶん気持ちが前向きになった

自分の経験でもありますが、転職活動はとてもエネルギーを使う作業です。

応募書類を作り、求人案件を探し、面接対策をして面接に行き、上手くいかなくて落ち込んで・・・

少し考えただけでも気が重くなります。

実際にそういった煩わしさを避けるために派遣社員という働き方を選んでいる人もいるくらいです。

確かに派遣社員なら、応募書類作りも面接対策もなく、比較的簡単に仕事が決まります。

最初の第一歩である履歴書・職務経歴書作りが終わって、どの求人案件にでも応募ができる準備ができたOさんはずいぶん気持ちが前向きになったようでした。

Oさんの印象として、東京しごとセンターで紹介される求人案件が比較的中小企業が多く、もう少し大きな中堅企業を探そうと考えたようです。

具体的には大手企業のグループ会社に狙いを絞り、リクナビNEXTと、とらばーゆを利用して求人案件を探してみることにしたということでした。

1社から内定を獲得!しかし・・・

Oさんと話してから2週間後、Oさんから連絡がありました。

東京しごとセンターで応募した会社と二次面接を終えて、すぐに内定を頂いたとのこと。

しかし、Oさんの声色は弾んでいません。

内定をもらった会社は都内にある繊維の専門商社、従業員数は50名程度で、設立も古く、小さい会社ながら安定していそうです。

Oさんに浮かない声の理由を聞くと次のような答えがありました。

  • 内定をもらった会社は、都内だし歴史もあって安定していそうだし、総務事務ということもあり、50名程度の従業員は買えと名前が一致するという意味では良いと思っている
  • しかし、今派遣で勤めている大手企業のグループ会社であるF社に比べると、福利厚生や職場環境が明らかに見劣りする
  • 無い物ねだりをしても仕方ないが、最初に面接を受けた会社ですぐに内定をもらってしまい、比較対象がなくて決めかねる

私の派遣会社営業担当としての経験でも、ある派遣先を紹介した候補者が、「あまりに順調に決まりすぎて決めかねる、他も見てみたい」といったコメントをされたことは一度や二度ではありません。

また、私個人の転職活動の経験でも、あまりにトントン拍子に決まってしまうと、拍子抜けというか、「こんなに簡単に転職を決めてしまっていいのだろうか?」と疑心暗鬼になったものです。

そんなときには、自分に対しての戒めも含めて、次のようにアドバイスをしています。

  • 転職はタイミングや縁だから、勢いがないと決められない
  • 判断に迷うときは、自分の市場価値が正しく掴めていないときが多い
  • 自分の市場価値を知るには、色々な会社に応募して書類選考や面接を受ける中で、「自分という商品」がどれだけの価値があるものなのかを、場数を踏んで体感してみるのもやり方の一つ
  • OさんはまだF社に在職中で、退職を急ぐ理由もないから、自分自身で納得がいくように時間をかけてみてはどうか?

例えが悪いかもしれませんが、オークションサイトにモノを出品するとき、中古ショップにモノを売りにいくとき、「この商品はこれくらいで売れるはずだ」というような自分なりの相場感があるはずです。

ただ、世の中は需要と供給の関係で価格が決まります。

思ったより安かったり、思いがけず高かったり、そんな経験が自分なりの相場感を作るのです。

そのような「自分という商品」への相場感なしに、ただ「内定が出たから」という理由だけでそれに飛びついてしまうのは危険かもしれませんし、なにより、失敗をしたときに反省材料もなく、次に活かすこともできません。

Oさんにとっては回り道になるかもしれませんが、彼女の慎重な性格を考えても、回り道になろうが納得感のある転職をすることが必要だと感じたのでした。

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