【続編⑨】【派遣社員として働くための基礎知識】派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例

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引き続き、日々の仕事に翻弄されて、派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例をご紹介します。

難航する派遣先F社とのOさん退職の調整

正社員での転職活動が本格的に進み始めたOさんが、滞りなく今の派遣先F社を退職できるよう、退職の頭出しをする目的でF社C課長と商談を迎えたものの、Oさんの退職の頭出しに対して、思いがけずF社の役員まで登場することになったのでした。

F社の役員登場

C課長が商談を慌てた様子で中座してしばらくすると、F社の役員であるD役員が登場しました。

仮にも役員が、課長の急な呼びかけで打ち合わせに同席できるということに、「よほど暇なのかな?」と半分呆れつつ、「Oさんの退職は役員が登場するくらい、先方にとって重要なのか」と半分Oさんの日頃の働きに感心しつつ、D役員がなにを言い出すのか様子を見ていました。

するとD役員が話し始めます。

  • 急に参加をさせてもらって申し訳ない。以前からOさんが退職の希望があったと聞いていて、もし今回の更新でもそのような話があったら、私を呼ぶように課長に指示していた
  • Oさんに働いてもらっている総務経理部は、私が部長を兼任している
  • 部署柄もあり、色々な事情のある社員を引き取っているため、社員の人数が多くても、実質的に戦力になる人数が少なく、Oさんをはじめとした外部人材に助けてもらって、なんとか部署が運営できているような状況
  • その中でもOさんには幅広く仕事をしてもらっていて、とても頼りにしている
  • そのOさんが退職するかもしれないとなると、部署運営が非常に厳しくなる
  • ここだけの話だが、健康面の問題で、社員がさらに1名休職に入ろうとしている
  • 時給など条件面は考えるので、なんとかOさんに残ってもらえるように説得してもらえないか?

D役員の話を聞いて、大体の事情が理解できました。

それにしても、仮にも役員が、派遣会社の営業担当に頭を下げるというのも、可愛そうやら、滑稽やらといった感想です。

管理監督責任といえばそれまでですが、派遣社員に頼りきりの部署運営から脱却できないC課長にたいそう苛立っていることでしょう。

お気持ちはお察ししつつも、時給が多少上がるくらいで、順調に進みつつある転職活動をやめるというのはOさんに全くメリットがありません。

真面目なOさんのことですから、D役員含めてペコペコと契約更新を懇願されたら、うっかり契約更新を承諾してしまう懸念も捨てきれません。

そこで、私の勝手な判断ながら次のように提案しました。

  • Oは「年齢的に最後のチャンスかもしれない」という思いで正社員での転職活動を目指しているようだ
  • 派遣会社の営業担当としては、御社のお困りの状況も踏まえつつ、Oのことも考えてあげなければいけない立場
  • そこでOを御社の正社員として雇用することはできないか?
  • 条件を頂ければ私からOに打診する

私からの提案に、D役員の顔色は明らかに曇っていきます。

  • いきなり派遣社員から正社員登用は制度上難しい
  • 契約社員であれば可能かもしれないので確認をする
  • 契約社員になった場合の条件は、基本給は今の派遣社員として御社が支払っている給与をベースにし、年2回、約1ヶ月分ずつの賞与

F社の制度の問題で派遣からいきなり正社員にできないということは、いわば「そっちの都合」であって、Oさんには関係のないことです。

とはいえ、Oさんが慣れた職場であるF社で、いまよりも安定した雇用形態になれることは選択肢としては悪い話ではないかもしれません。

Oさんの契約社員化は、確約ではないものの、役員が口に出したのであれば、ある程度確証があってのことでしょうから、一旦Oさんには「F社から契約社員化の打診があった」と話してみるということでD役員とC課長との話を終えたのでした。

派遣社員Oさんと打ち合わせ

D役員・C課長との商談を終え、Oさんに時間をもらいました。

先ほどの商談でF社での契約社員化の打診があったことを話すと、Oさんはおずおずと話し始めました。

  • 実は今朝リクルートエージェントのコンサルタントからメールがあり、二次面接が3日後に決まった
  • 採用担当者からは、二次面接でよほどのことがなければ採用決定になりそうなので、だいたいの入社日を決める、つまり退職の準備をしてほしいと言われているてのこと
  • 自分としては転職をしたいと思っている

Oさんの決意は固いようです。

せっかく転職活動がうまくいっていますから、F社の契約社員化の件などで水を差さず、このままうまく退職をできる段取りにしてあげたほうがよさそうです。

  • 転職の意思が固いようであれば、私はOさんがF社をうまく退職できるように間に立つ
  • 二次面接が3日後ということであれば、F社には「Oさんに御社での契約社員化の打診をしたが、大事なことなので1週間くらい時間が欲しいと言われた」と伝え、時間を稼いでおく
  • 仮に転職が決定すれば、本格的にF社を退職する流れを作るし、仮に不調に終わった場合はF社に派遣社員のまま残るか、契約社員になるか、そのとき考えればいい

Oさんは私の提案に合意してくれ、F社のD役員とC課長には、その日のうちに「Oさんに御社での契約社員化の打診をしたが、大事なことなので1週間くらい時間が欲しいと言われた」とメールをしておいたのでした。

大枠の段取りを組むことができ、一安心をした私ですが、この後に一波乱が待ち受けているのでした。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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