【続編12】【派遣社員として働くための基礎知識】派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例

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引き続き、日々の仕事に翻弄されて、派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例をご紹介します。

Oさんと作戦会議

F社のD役員・C課長との打ち合わせを終えて、すぐにOさんに電話をします。

打ち合わせでの私なりの理解と、今後の対応について私なりの考えを話しました。

  • D役員と話したが、Oさんが感じたような行き過ぎた説得をしたような話ぶりではなかった
  • むしろ契約社員化を承諾した翌日から「しばらく休みたい」という経緯に、Fさんや雇用主である派遣会社を責めるような言葉すらあった
  • 以上のことから、ことの経緯について、全く悪びれた様子がなく、自分たちの都合しか考えていないと感じた
  • 今後の対応はOさんの考え次第だが、D役員達からの強硬な引き止めを材料に私から先方に抗議をし、契約満了での退職や、契約途中での退職など、こちらの望むところに着地をさせたいと思うがOさんはどう考えるか?

まずOさんは、D役員が行った行き過ぎた説得について、全く悪びれた様子がなく、さらにはその翌日に欠勤をしたOさんを責めるような発言があったことにショックを受けたようでした。

同席をしなかった私にはわかりませんが、かなり強硬に会社に残るよう説得をされたようです。

今後まかり間違ってF社の契約社員になった場合に、派遣社員のこれまでより、もっと会社の指示に従順に従わなければならなくなります。

何か問題があった時には、間違いなく今回のように強硬な指揮命令をされることが予見され、OさんはなおのことF社への気持ちをなくしたようでした。

Oさんは少し考えた後に次のように答えました。

  • また出勤したらD役員やC課長に詰め寄られて、次は何を約束させられるかわからず、怖くて出勤できない
  • できれば、このまま出勤することなくやめたいくらい
  • とはいえ、突然退職すると迷惑をかける人が多いので、きちんと引き継ぎがしたい
  • D役員達からの強硬な引き止めを材料に、派遣会社から抗議をしてもらうことで、先方に二度とああいった行き過ぎた在職の説得をしないように話してもらえないか?

この状況でも「きちんと引き継ぎをしたい」というOさんに少し驚きましたが、Fさんの気持ちは汲み取りつつ、次のような対応を提案しました。

  • F社に対し、今後行き過ぎた在職の説得をしないように、先日の出来事を引き合いに出して抗議をするが、その際に「軟禁」と「F社への契約社員化を強要するような言動」というワードを使っても良いか?
  • 今日のD役員の認識や態度をみるに、下手に出るような対応は相手を図に乗らせるだけで、どんどんこちらが不利になる
  • 先日の話し合いを「軟禁」や「F社への契約社員化を強要するような言動」といったコンプライアンス問題を懸念させる表現で抗議していくほうが有利に交渉を進められると考えている
  • この方法しかないと思っているが、話の運びによっては穏やかに引き継ぎをできる状況にはならないかもしれない
  • これは抗議をしたことで、「派遣先から契約を打ち切られる」といったことではなく、こちらから派遣先に三行半を突きつけるような話の流れの中で、「引き継ぎはきちんとします」という事が、話の矛盾点になる可能性があることを危惧したから

ひと通り話し終えたところで、Oさんは、

「もともと、私が転職したら派遣会社的には何の得もない中で色々と対応をして頂いているので、契約期間前に終わりになっても、引き継ぎができなくなっても、なんの文句もありません」

と言ってくれました。

これで思う存分、D役員達と戦う事が出来そうです。

D役員と対決

Oさんと作戦会議した翌日、あらためてC課長経由でD役員と打ち合わせの時間をもらいました。

F社は300人程度の中堅企業とはいえ、親会社は誰でも知っているような大企業ですから、私のような一営業担当が役員クラスと毎日のように打ち合わせをするというのも、なかなか珍しいことです。

会いたいといえば会ってくれるという辺り、D役員にとっては簡単にOさんに辞めてもらうわけにはいかないといった意思の表れなのでしょう。

それにしても一連の退職の引き止めは、最近話題のブラック企業のようです。

D役員とC課長が揃ったところで、私から話し始めました。

  • Oは御社での契約社員化を承諾はしたが、私が本人から事情を聞く限り、本意ではなかったようだ
  • Oの話をそのまま間に受ければ、言葉はとても過激だが「軟禁」に近い状況で、上司である2人の男性に取り囲まれ、退職を思いとどまり、F社の契約社員になることを強要するような言動が繰り返し行われた中での承諾であると理解した
  • 実際にOは御社の契約社員になると言ったことを取り下げたいと言っているし、先日の話し合いからお二人に強い恐怖心を持っているようだ
  • 今回の欠勤もその恐怖心からのことで、一方的にOさんを責められるような状況ではないと思っている
  • Oの言い分が全て正しいとは思ってはいないが、このまま御社と本人の言い分が食い違ったまま係争になった場合、本人が先日の打ち合わせを「軟禁され、男性上司二人掛かりで退職を引き止められ、契約社員化を強要された」などと主張された場合には、御社は圧倒的に不利になると危惧している

「軟禁」や「男性上司二人掛かりで退職を引き止められ、契約社員化を強要」といった、派遣先からすれば、ドキッとするようなワードを入れつつ、最後の落とし所に「Oさんが訴えでたら、状況からして御社が圧倒的に不利なので、今のうちに手仕舞いして、事が荒立たないうちに軟着陸させたほいがいいですよ」という、派遣先を気遣った話の運びにすることで、一方的に先方を責め立てることなく、先方も振り上げた拳を下ろしやすい流れを作りました。

これでD役員がOさんをあきらめ、Oさんが望むように引き継ぎを含めたスムーズな退職が実現できればいいのですが。

話が長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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