【続編③】【派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】派遣先に闇金から取り立ての電話があったときの対応方法

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闇金業者に対応する際の心構え

金融業者との第1回戦とも言える電話でのやり取りで得られた情報や、今後のやりとりでポイントとなる情報を整理しておきましょう。

  • Nさんは派遣先であるR社の名刺を使って融資を受けている
  • 闇金業者は5人以上のチームである
  • 電話をしてきた人物には「Nさんの借金問題は御社と個人の問題」と宣言している
  • これ以上、電話をしてくるようであれば、警察に通報すると宣言している
  • 電話の内容は録画していて、そのことは相手にも伝えている
  • 私を「おまえ」呼ばわりしたことを謝罪してからでなければ、今後一切のやりとりをしないことを宣言している

ここまでで闇金業者に対して、今後のやりとりの際に使えそうな様々な伏線を張ることができました。

闇金業者と聞いて、いたずらに怯える人もいますが、結局のところ彼らも労働者なのです。

どのような組織になっているのかはわかりませんが、横一線の関係という事は考えづらく、おそらくなんらかの指揮命令系統はあるはずです。

普通の企業よりもビビットに収益を求めるのでしょうから、先程私が電話で話したような末端のオペレーターの彼らなどはノルマを課せられているか、実績に応じて高い報酬が支払われるといった仕組みなっているに違いありません。

かけた手間と実入りのバランス、つまり費用対効果に基づいて優先順位を決めると考えるのが自然です。

「ちょっと脅かせば、ビビってすぐにお金を払う」ような相手は彼らにとって、とても費用対効果の高い、優先すべき相手なのです。

であれば、私は彼らにとって「面倒臭くて時間ばかりかかり、お金を払いそうにない」相手であると思わせるのが最善の策なのです。

所詮彼らは反社会的、非合法な集団です。

今もこれからも私のお客様になることなどあり得ないのですから、どれだけ嫌われようが構いません。

心配する上司・同僚たち

私はそのような理屈のもとに、いかに彼らにとって「面倒臭くて時間ばかりかかり、お金を払いそうにない」相手になるか思案を巡らせていましたが、まわりの上司や同僚は心配をしていたようです。

  • そんなに強気に対応して大丈夫なのか?という漠然とした不安
  • 闇金業者はこちらの住所を調べることもでき、突然乗り込んできたら怖いという不安
  • 暴力を振るわれたりするのでは?といった漠然とした不安

このような不安が彼らの武器であり、拠り所なのです。

冷静に考えれば、彼らも費用対効果をもとに優先順位をつけて仕事をしているはずですから、結果を得られそうにないのに私のいる事務所に押しかけてきたり、暴力を振るって警察のご厄介になったりといった割に合わないことをするはずがありません。

理屈が通用しないように見えたとしても、それぞれの集団の中には理屈や秩序が必ずあるはずなのです。

闇金業者の彼らの理屈は「手っ取り早く儲かるか儲からないか」だと仮定したときに、下手に出るほうがリスクだと判断しました。

派遣社員Nさんに状況確認

闇金業者との1回戦を終え、情報も整理できたところで、再度Nさんに連絡を取りました。

今後できるだけ早急に状況を整理して、対策を考えた上で、派遣先に対して経緯説明とNさんの今後について話し合わなければいけません。

個人的にはNさんは話しやすく気さくで好きなのですが、派遣先のR社の名刺を使って融資を受けた上に返済を滞らせ、R社や当社に迷惑をかけているのだとしたら、やっている事はかなり悪質です。

ここは感情に流されず、状況を見ながら冷静に判断をする必要があります。

その日の勤務後にNさんを事務所に呼び、事の経緯を確認することにしました。

派遣社員Nさんが来社

仕事終わりに来社したNさんを会議室に通し、さっそく事情を確認していきます。

  • 金融業者にはNさんから連絡をされ、R社や当社に電話がこないようにされるということだったが、あの後も当社には再三電話があった
  • Nさんと金融業者の間でどのような話し合いがあったのか教えてほしい

するとNさんは申し訳なさそうに答えます。

  • R社に連絡をしたのは、昨日1日金融業者からの連絡を無視していたからのよう
  • 借りたお金は金利だけだが約束通り返しているので、返済は滞っておらず、1日くらい連絡を返さなくても問題ないだろうと判断してしまった
  • 金融業者には、いきなり就業先に督促をされるいわれがないと抗議をし、納得してもらった
  • まさかその後にも派遣会社に電話をしているとは思わなかった

要するに自分は悪くないと主張するNさんに重ねて質問をしました。

  • 金融業者からはNさんが派遣先のR社の名刺を使って融資を受けたと聞いている
  • 1日連絡を欠いただけで勤務先に連絡をしてくる金融業者もどうかと思うが、Nさんとの話のあとにも当社に電話をしてきたのは、Nさんが勤務先を偽ったことで信頼できないと判断をし、元本の回収を急いでいるのではないか?
Nさんが融資を受けるのに派遣先のR社を名刺を使ったことは、金融業者にとってだけでなく、R社・当社にとっても大きな問題です。今後の話し合いの中でR社がどのような判断を下すのかはわかりませんが、即日の契約終了を言い渡されてもおかしくない事案なのです。

私からの質問にしどろもどろになるNさん。なにやらモゴモゴと言い訳をしている様子でしたが、観念したように答えました。

  • おっしゃる通り、R社の名前を使った方が融資額が増えると思って、R社の正社員であると金融業者に申請した
  • 金融業者からは契約内容に疑義があるとして元本全額の返済を求められている
  • ただ、元本全額を返済出来る手持ちがない
  • R社にも御社にもこれ以上迷惑をかけないために、給与を前借りして返済に充てさせてもらえないだろうか?

話が一転し、ずいぶん都合の良いお願いをされてしまいました。

前借りという事は、引き続きR社での就業が続けられるということを前提にしているわけで、NさんはR社の名刺を使って身分を偽り融資を受けたがどれだけ大変なことなのか理解が足りないようです。

長くなりましたので続きは続編とさせて頂きます。

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