【続編⑤】【派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】派遣先に闇金から取り立ての電話があったときの対応方法

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派遣先R社に謝罪訪問

朝一番にR社の担当者に電話をし、R社に金融業者からの取り立ての電話が入った経緯もあり、状況説明の訪問をさせてほしいこと、派遣社員のNはなんらかの整理がつくまでは出勤停止とさせてもらいたいことを伝えました。

その日のお昼前に時間をもらうことができ、上司とともにR社へ向かいます。

怒りに震えるK課長

まずは上司とともに当社の派遣社員であるNさんを原因に、金融業者からR社に取り立ての電話が入るといった事態があったことについてお詫びをします。

すると、私たちが話し終えるのを待たずしてK課長が話しだしました。

  • 取り立ての電話があったことに対するお詫びはわかった
  • 当社では代表電話は総務部がとるのだが、代表電話に複数回かかってきて社員が慌ててあるところを、たまたま役員が見かけてしまい、「何があったんだ?」という話になった
  • 役員に知られたことをきっかけに、ほぼ全社員がこの出来事を知ることになってしまった
  • Nさんを始めとるする営業職の派遣社員を管理する私は非常に立場がない状況

物腰柔らかで、語り口は穏やかなK課長ですが、実際のところはふつふつと怒りに満ち満ちているようです。

Nさんをなんとか延命できないものかと考えていた私ですが、その見通しはずいぶん甘かったのです。

K課長は話し続けます。

  • 社内で問題になっているのは次の点
  1. Nさん宛ての借金の取り立ての電話が当社に入ったこと
  2. 当社に取り立ての電話がかかってくるということはNさんが当社の社員であると偽って融資を受けた可能性があること
  3. 当社の社員を偽る際に、証拠として名刺を使ったり、当社に在籍確認の電話をさせた可能性
  • 金融業者からの在籍確認については、当社の女性派遣社員から「〇〇という会社から会社に電話がかかってきたら、営業で外出して不在だと言ってほしい」と頼まれたという証言がある

私が懸念をしていた通り、K課長はNさんが行った不正にあらかた見当をつけていたようです。

在籍確認については、Nさんがそこまでしているとは思わず、油断をしていました。

Nさんは私が思っていた以上に計画的にR社を利用して融資を受ける手はずをしていたようです。

いよいよNさんの復帰の余地などなく、当社も慎重にかつ、誠実に対応をしなければR社との取引自体なくなってしまいそうです。

私から把握している情報を報告します。

  • おっしゃるとおり、Nは金融業者から融資を受ける際にR社の社員であると偽っている
  • R社の社員である証拠として金融業者に名刺を渡し、さらに御社から貸与されている入館証を社員証と偽って提示したようだ
  • 金融業者からは当社に何度も連絡があり、私が対応している
  • 借金問題はN個人の問題なので自分で解決させるが、金融業者から御社に二度と連絡をしてこないよう、こちらで対処する
  • K課長のお話で、御社での在籍確認の手はずまでしていたとは思わなかった
  • Nは自宅待機とさせているが、昨日をもって御社への派遣は中止し、許されるなら別の人物をご紹介したいと考えている
  • Nには当社の就業規則にのっとって、なんらか懲戒処分を行う。厳しい処分になると思う
  • これらのことから、御社から貸与されている名刺、入館証などの貸与物については、本日中にNから回収し、返却する

私の話を聞いたK課長は表情を変えずに次のように答えました。

  • Nさんを昨日付けて派遣終了というのは当たり前の判断
  • 後任というより、今後の御社との取引については上司と相談をする
  • 名刺など貸与物については一刻も早く返却してほしい。この打ち合わせに持参してくるものだと思っていた。対応が遅く、事態の深刻さの認識が甘い

厳しいお言葉ですが、R社からすれば、商売の中核である営業職を人材派遣の人材に任せるというのは、停滞しがちな営業部署に新しい風を入れ込もうという実験的な試みであり、Nさんを始め、5名が一斉に就業を開始したのでした。

100名程度の中小企業の営業部署ですから、正社員の営業マンも30名程度しかいない中、5名の派遣社員の営業マンというのは社内でもインパクトのあることのようで、社長にも決済を通したプロジェクトだったようです。

そのプロジェクトを任されたK課長でしたが、今回のNさんの件で出鼻をくじかれ、社内での立場を失ったわけですから、お怒りなのも当然のことです。

厳しいお言葉は頂きつつも、R社に対するアクションとしては、お詫びと状況の説明をすることはでき、あとはNさんのもっている貸与物を返却すればひと段落がつけそうです。

残るはNさんとの雇用契約の整理、さらには闇金業者の対応ですが、果たして闇金業者はすんなりと当社への取り立てを諦めてくれるものなのでしょうか。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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