【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中の居眠りが治らない派遣スタッフDさんのクレーム対応

【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中の居眠りが治らない派遣社員Dさんのクレーム対応

私の担当派遣社員として派遣先のN社に3年近く勤務してくれている40代男性のDさんですが、業務中の居眠りが目立つので派遣会社から注意をして欲しいという派遣先からのクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

クレーム経緯

●派遣社員Dさんは3年ほど前からN社で就業開始

●スタート当初から2年半は倉庫業務を行っていた

●N社の希望により、派遣社員Dさんの業務を事務所内の軽作業や入力業務に変更

●派遣社員Dさん用のデスクを与えられ、デスク上で軽作業や入力業務を行うという意味で、立ち仕事からデスクワークに大きく変化した

●デスクワークに変わってから、仕事中の居眠りが目立つようになった

●それとなく本人に指摘しても、「寝ていません」と言い張るので、それ以上指摘できない

●居眠り以外の仕事のパフォーマンスには、満足している

●居眠りによる、業務への影響は少ないが、モラルに欠けるし、周りの派遣スタッフから苦情が出ている。改善がないと、居眠りを見逃していると捉えられかねず、全体への影響も懸念される

対応のポイント

今回のお客様は温厚な方でクレームと表現するのもはばかられる程、申し訳なさそうに連絡を下さいました。

職場での指揮命令の中で解決すべき問題と捉えていたようで、派遣会社に相談する事柄ではないと思っていたようです。

派遣社員への対応のポイント

業務中の居眠りは派遣社員に対して派遣会社が対応すべき事柄であり、次のようなポイントをもとに本人に厳重注意をし、改善させる必要があります。

  1. 業務中の居眠りは業務怠慢であり、社会人としてのモラルも問われる行為
  2. 業務中の居眠りは派遣先によっては即日の業務終了を言い渡されてもおかしくない行為
  3. 厳密に言えば、居眠りをしている時間は働いてないわけであり、働いた分だけ、報酬を払うというノーワークノーペイという考え方で言えば、その分の給与減額、また減給の対象になる行為

また、居眠りの原因が単に寝不足などの体調管理の問題なのか、睡眠時無呼吸症候群などの健康上の問題なのかによっても対応が変わってきます。

派遣先への対応のポイント

派遣先からのご指摘の通り、業務中の居眠りは本人の業務量が減ったり、正確性が落ちたりといった業務への影響だけでなく、まわりの社員の方々のモチベーションにもかかわります。

  1. 業務中の居眠りは業務怠慢であり、派遣会社として重大な問題であると認識している事を伝える
  2. 本人のパフォーマンスだけでなく、周りへの悪影響、ひいては指揮命令者のマネジメント能力を問われてしまう事柄のため、早急に本人対応を行い、改善させる事を約束する
  3. そのために、これまでの居眠りの頻度や様子をヒアリングするとともに、厳重注意をした後にも居眠りが繰り返されるようであれば、後の厳しい指導や対処のために、居眠りをしていた日時や時間、注意した後の本人の反応などを記録に残してもらう事をお願いする

対応経緯

派遣社員Dさんへの対応

お客様からの事前ヒアリングをもとに、まずはDさんとの面談を行いました。

Dさんは寡黙で朴訥とした印象の男性です。

これまでの面談の中でも、あまり雑談で盛り上がるような事もありませんでしたが、男性の派遣社員という事もあり、そんなものかなぁと感じていました。

要するに寡黙で、黙々と仕事をするイメージの男性です。

注意にあたっては、本人への事実確認なしに、頭ごなしに注意をすると、感情的になる事も多く、まずはDさんへの近況のヒアリングから話を始めました。

  • 最近の仕事の様子はどうか?何か困っていることはないか?
  • 派遣先から何かご指摘を受けた事はないか?

「特にはないです」という、予想通りの答えでしたので、次のように意見を求めつつ、注意をしました。

  • 派遣先より、Dさんが業務中に頻繁に居眠りをしているとの指摘があったが、それは本当か?自覚はあるか?
  • もしそうだとしたら、業務中の居眠りは業務怠慢であり、社会人としてのモラルも問われる行為である
  • 業務中の居眠りは派遣先によっては即日の業務終了を言い渡されてもおかしくない行為である
  • 厳密に言えば、居眠りをしている時間は働いてないわけであり、働いた分だけ、報酬を払うというノーワークノーペイという考え方で言えば、その分の給与減額、また減給の対象になる行為である
  • 居眠りの原因はなんだと思うか?睡眠時間などの体調管理の問題か?それとも健康的上の問題か?

派遣社員Dさんの言い分

私からの質問や注意に対するDさんの言い分は次のようなものでした。

  • 頻繁に居眠りをしているつもりはないが、うつらうつらしている時はあるかもしれない
  • 健康上の問題はないと思う。健康診断でも特に指摘されていない
  • 確かに睡眠時間は5時間程度と少ないので気をつけたい

大枠で自らの非を認め、反省をしていましたが、今後また居眠りを繰り返し、再度同様の注意をすることになった場合を考えて、居眠りとはどんな状態なのか?を定義しておいた方が良いと考えました。

つまり、「居眠りをしていると言うけど、私は下を向いて考え事をしていただけ、それを居眠りと決めつけて、罰を与えると言うのはパワハラではないのか?」といった言い逃れをなくすと言うことです。

そこでDさんには、「仮に居眠りをしていなかったとしても、周りがそう思うようなそぶりがあれば、Dさんがまた居眠りをしていたと言う評判になってしまうのだし、すでにそう言った評価の悪循環に入っている事を認識してほしい。」

「つまり、居眠りをしているのがいけないのはもちろん、そう周りに思われるような紛らわしい行動もしないように心がけて欲しい。」と話し、合意しました。

派遣先への対応

派遣先にはまず、Dさんとの面談での本人の言い分や、私から厳重注意したことに対する本人の反応についてご報告しました。

  • 居眠りについては大枠で認め、反省をしている
  • 今後居眠りをしないと約束をした
  • とはいえ、また同じことになった時に言い逃れができないよう、居眠りを「周りから見て居眠りと疑われるような行為」と定義した
  • Dさんは居眠りを改善し、今後も御社での仕事を継続したいと思っており、まずは現在の契約満了まで様子を見ていただけないか?
  • 派遣会社としても、定期的に面談をして、状況確認と注意喚起をしていく

以上のような報告と今後に向けた対策をお話しし、しばらく様子を見てみようと言うことになりました。

私のホンネ

お客様にこれまでのDさんの様子を聞くと、デスクワークになる前、立ち仕事の倉庫作業のときにも居眠りをしていたと言う噂があったとのこと。

仕事中に立ちながら寝るというのもなかなか器用だなぁと妙に感心してしまいます。

そんな中の今回の話なので、お客様も私もまた同じことがありそうだと感じつつ、「仕事量は他の方と同じかそれ以上やってくれているので、その度に注意しながら、ごまかしごまかしやっていくしかないかな」といったお互いに一種の諦めの感情をもっての対応となりました。

そしてそんな予想は大当たりし、再びDさんの居眠りの対応に迫られることとなったのです。

Dさんに居眠りに対する厳重注意をしたやり取りから約1か月後、再びお客様よりご連絡があり、訪問してお話をうかがうことになりました。

クレーム経緯

Dさんに居眠りに対する厳重注意をしたやり取りから約1か月後、再び派遣先より連絡があり、訪問してお話をうかがうことになりました。

派遣先に訪問すると、次のようなお話を頂きました。

●前回の厳重注意のあと、派遣社員Dさんはしばらくは緊張感を持って仕事をしてくれていた

●今週に入って業務中にうつらうつらしている場面が目立ち、社員複数名が目撃している

●前回派遣会社から注意をしてもらった経緯があるので、直接的な注意はせずに、仕事に関する話を装って話しかけ、起こすようにしている

●居眠りをしていた日時や様子は、把握している限りメモを取ってある

●前回もお話したが、居眠りという問題はありつつも、業務的にはパフォーマンスが高いので、辞めてほしいというような思いはない。しかし他の社員の目もあるので、居眠りは改善させたい

対応のポイント

お客様への対応のポイント

Dさんに前回厳重注意をして1ヶ月と効果が持たず、また居眠りを始めるという事態に、お詫びをするしかありませんでしたが、派遣先としては居眠りを改善して、引き続き就業は続けてほしいとの希望であり、難しい対応となりました。

業務中の居眠りは業務怠慢であり、お客様には全く非はありません。

派遣会社として、派遣先との派遣契約という商契約を履行できていないことにもなるため、温厚なお客様に甘えることなく、自らにも、Dさんにも厳しい態度で臨むスタンスが重要です。

派遣先への対応のポイントは次のようなものになります。

  1. 引き続きDさんへの厳重注意を行い、業務中の居眠りをなくすことを約束する
  2. 単に注意をするだけでなく、お客様も巻き込んで、居眠りをしないような仕組みを作る
  3. 経過期間を設け、それでも改善されない場合は、派遣会社の意思として、Dさんとの雇用契約期間途中であっても人の入れ替えを行うことを伝える

派遣社員への対応のポイント

Dさんに対しては前回以上に厳しい対応が必要になります。

  1. また居眠りを指摘されるに至った原因のヒアリング
  2. お客様の記録をもとに居眠りの事実を認めるかの確認
  3. 再度、同じことを繰り返した場合には、派遣先がDさんの就業継続を希望しようとも、派遣会社として引き続きDさんをN社に派遣し続けることはできないという見解の表明
  4. 再三の注意でも居眠りという業務怠慢が繰り返されるという現状を鑑みて、派遣会社としてDさんが当社との雇用契約で求められる働きをしてくれておらず、就業規則にもてらして、雇用契約期間の途中であっても雇用契約を解除する可能性があることの表明

4については派遣会社によって就業規則が違うであろうこと、また現実的には雇用契約の期間途中での解除は難しいと思いますので、あくまで「途中で解除する可能性」に触れるだけで十分です。

対応経緯

派遣先への対応

既に一度ご指摘を頂き、Dさんへの厳重注意を行なった後での再度の居眠りでしたので、経緯上、先に派遣先に対してなんらかのコミットをする必要があり、前述した派遣先への対応のポイントをもとに派遣先に次のようなお願いを差し上げました。

  • 再度本人に厳重注意をするが、前回と同じアプローチでは、また繰り返しになる可能性が高く、新たなアプローチにご協力をお願いしたい
  • 具体的には、本人との合意のもとにDさんの業務量を増やし、居眠りをするような時間をなくすこと
  • また日々、ざっくりでもいいので、その日の朝に当日の業務量をコミットさせ、夕方に結果を検証するといった緊張感のある仕事の仕方を導入して頂きたいことをお願いする
  • 1ヶ月間を目安に新たな仕事の仕方を実施し、毎週金曜に私がお客様への状況確認、Dさんへのフィードバックを繰り返すこと
  • それでも居眠りが治らないようであれば、派遣会社としてDさんは派遣すべき人材ではないと判断して人を入れ替えること
  • それによってDさんと起こる可能性のある労務トラブルは一切派遣会社側で巻きとれるように本人対応をすること

普通ですと、派遣社員への調整なしに、ここまで派遣先にコミットすることはないのですが、Dさんとのこれまでの人間関係や前回の注意面談での本人の反応から、コミットした内容は本人が合意するであろうという見立てと、派遣先には非のない話であり、これくらいのコミットはしなければ申し訳ないという思いと両面から判断して話を進めました。

派遣先からはほぼ提案どうりのご理解を頂いたので、あとはDさんへの本人対応を残すのみとなりました。

派遣社員への対応

Dさんには、派遣先に御了解を頂いた上で、突然呼び出すようにしました。

いつもは派遣社員の仕事に配慮してアポを取るのですが、突然の方が、より本音が確認できるかなと思ったからです。

次のような手順で質問や注意喚起を行いました。

  • また居眠りを指摘されるに至った原因はなにか?前回の反省や、体調管理をするという約束はどうして守られなかったのか?
  • 派遣先の記録によると、これだけの居眠りと解釈される行為をしている。居眠りだけでなく、居眠りと誤解されるような行為も避けるようにと伝えたのは前回の通り
  • 前回あれだけ注意喚起をしてから1ヶ月間で再発という状況を考えると、再発防止は簡単ではないと思っている
  • 体調管理の問題だけではないと考えており、なんらか「居眠りをなくすための仕組み」が必要だと感じているが、理解できるか?
  • 再度、同じことを繰り返した場合には、派遣先がDさんの就業継続を希望しようとも、派遣元として引き続きDさんをN社に派遣し続けることはできないと考えている
  • 再三の注意でも居眠りという業務怠慢が繰り返されるという現状を鑑みて、派遣会社としてDさんが当社との雇用契約で求められる働きをしてくれておらず、就業規則にもてらして、雇用契約期間の途中であっても雇用契約を解除する可能性がある

Dさんは突然の私の訪問に不意をつかれたこと、派遣先が居眠りの記録までつけていたということへの驚きもあってか、居眠りをしていたということを素直に認め、反省しきりでした。

このままだと、本当にこの職場で仕事が続けられないかもという危機感を持ったのかも知れません。

本人の反応は次のようなものでした。

  • 睡眠時間は増やしたものの、改善できず、結局は自分の意識の問題だと思っている
  • 自分で解決でなかったので、何か策があるのであれば、それに従いたい
  • 居眠り=業務怠慢というのは前回の面談でもうかがったので、N社で仕事が継続できなくても仕方ないと思っている

反省をし、私の見解も受け入れてくれたところで、業務中に居眠りをしないための仕掛けについて説明しました。

  • Dさんの合意のもとに、給与等の条件はそのままに、業務量だけを増やし、居眠りをするような時間をなくす
  • 日々、ざっくりでもいいので、その日の朝に当日の業務量をコミットし、夕方に結果を検証するといった緊張感のある仕事の仕方を導入する
  • 1ヶ月間を目安に新たな仕事の仕方を実施し、毎週金曜に私がお客様への状況確認、Dさんへのフィードバックを繰り返す
  • それでも居眠りが治らないようであれば、派遣会社としてDさんは御社に派遣すべき人材ではないと判断して人を入れ替える

以上の取り組みについてDさんは合意し、雇用契約書も差し替えた上で、新しい業務の仕方を導入することで、居眠りをなくす取り組みが始まりました。

私のホンネ

この居眠りをなくすための取り組みは、今も実行中で、派遣先にいらない手間をかけて申し訳ないなと感じています。

また、ほとぼりが冷めた頃に居眠りをする可能性が高いので、今回の取り組みが成功しても、しばらくは毎月様子を見に行こうと考えています。

しかし、勤怠や勤務態度の悪い人は、本当に何度言っても治りません。

一時期は情熱に燃えて、「私がなんとか治してあげよう」なんて思って、勤怠の悪いスタッフさんに毎朝モーニングコールをしていたような時期もあったのですが、人間、人に言われてもなかなか性格や習慣なんて治らないものだと実感しました。

お互いいい大人ですから、自分の不始末は自分で責任取るべきだと、最近は割り切っています。

更新情報はTwitterに配信しています!