【続編⑦】【派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】派遣先に闇金から取り立ての電話があったときの対応方法

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闇金業者との2回戦

R社への謝罪訪問とNさんとの合意解約の翌日、朝会社に出社をすると、事務所の様子がいつもと違います。

朝は派遣社員の電車遅延や体調不良などで電話の多い時間ではあるのですが、電話のコール音がいつもよりずいぶん多く感じるのです。

早くから出社している女性社員に話を聞くと、8時半位からずっと無言電話が続いているとこと。

派遣社員からの勤怠連絡もありますから、取らないわけにもいきません。

おそらく例の闇金業者なのでしょう。

9時半くらいまでそのような無言電話が続きうんざりしていると、女性社員から私の名前を呼ばれます。

「Nさんの件で話したいという方から電話なんですが・・・」

おそらく無言電話は先制攻撃のつもりなんでしょう。

私は周りの社員にこう伝えます。

「申し訳ないけど、おそらく闇金業者からの電話で、交渉を有利に運ぶために一旦相手を逆上させるから、また無言電話が来るかもしれない。こっちが弱気になると調子にのる相手だから、申し訳ないけど対応につきあってください」

周りの社員は私の言った言葉の意味を計り知れないようで、不安そうな表情をしつつ、私の電話に聞き耳を立てています。

私も少し緊張しながら受話器を取りました。

もちろん電話機には録音機材をセッティングしてあります。

電話の向こうの男性が話しだしました。

  • おたくはNさんの雇用主だと聞いている
  • 彼はは当社から融資を受けているが、勤務先を偽ったり、それどころか名刺や社員証まで偽っていて、かなり悪質
  • 本人は返済を滞納していて、返済ができる目処がないようだ
  • おたくには彼の雇用主たる責任がある
  • 彼に変わって即刻全額を返済してほしい
  • 返済をしないようであれば、雇用主として責任を果たさない御社を然るべき方法で公にする

話しぶりからして、先日電話をしてきた人物よりも少し年配の人物のようです。

語り口も落ち着いていて、声を荒げたりはしていませんが迫力を感じます。

私は少し呼吸を落ち着けてから話し始めました。

  • 話の順番が違うのではないか?
  • 先日、そちらの人物から電話があったときに、突然「おまえ」呼ばわりされた
  • 私はそのことに大変憤慨している
  • 次に私に連絡をするときは、謝罪をしてからでないと何も話さないとお伝えをした
  • あなたは先日の人物の上司なのか?何も引き継がれていないのか?とても失礼な話だ
  • あなたと話をする必要を感じないので電話を切らせてもらう

と、告げて早々に電話を切りました。

我ながら思い切ったことをしたものです。

ただ、我々にとって闇金業者は「得体の知れない存在」ですが、今回の電話で彼らにとっても私は「得体の知れない存在」になったはずです。

電話でのやりとりである以上、殴られるわけでもありませんし、強気に出たもの勝ちなのです。

電話を切った後に何度も電話がありましたが、同じセリフを繰り返して電話を切りました。

さて、彼らは次にどんなアプローチをしてくるのでしょうか?

闇金業者との3回戦を前に下準備

私から「謝罪をしないと、何も話をしない」と完全に拒絶をされた彼らは次にどのようなアクションをしてくるでしょうか?

事務所に押しかけてくる?

そんなことになったら大歓迎です。

入室を拒否しても無理やり入ってくるようなら不法侵入ですぐに110番に電話をしてやります。

電話でのやりとりを中心にしているであろう彼らは、基本は相手先には出向かないと思われます。

理由は「効率が悪い」と考えるだろうと予測するからです。

出向いたら出向いたで、私のようにいきなり110番をする人や、こっそり撮影されて証拠を残されたり、はたまたそれをSNSにアップされたりしてしまうかもしれません。

後ろ暗い商売をしている彼らが、いたずらに姿を現し、身元を特定されることにメリットはありません。

もう一度、彼らがどんな特徴を持つのかを思い出してみましょう。

  • 常識から外れたことをあえて行うことで「話が通じない」「怖い」「何をされるかわからない」というイメージを持たせ、こちらからの譲歩を引き出そうとする
  • 「こちらが嫌がること」を徹底的に行うことで、こちらが根負けして譲歩をすることを狙う

この特徴を踏まえると、次に彼らが行うのは「私が嫌がることを徹底的にやる」です。

おそらくは私の会社の本社など各所に電話をして、私に対するありもしないことを言ってまわるということだと思われます。

であれば、事前に社内の根回しをすることで、ある程度対策が可能です。

とても手間のかかることですが、この手間を惜しまずに行うのです。

実際に闇金業者が私の会社の各所に電話をかけた際、「その件は担当の〇〇が対応をするのでそちらに電話をしてほしい」と言われたらどう思うでしょう。

こちらの段取りの良さ、会社内での私の影響力の大きさに驚くに違いありません。

つまり私は彼らにとって「得体の知れない、話の通じない存在」になることができ、彼らと同じ土俵に立てるのです。

闇金業者と有利に戦うべく、私は役員に許可をもらい、社員全員に次のような内容のメールを送りました。

  • 金融業者を名乗る者、もしくは名前を名乗らず電話をしてきたものが、派遣社員Nさんの債務に関して当社に支払いを求めるような電話をしてきたら次のように答えてほしい
  • 「その件は担当の〇〇(私の名前)以外は何も答えないようにと全社的に指示が出ている。直接〇〇に連絡してほしい」
  • 「〇〇では話にならない」とか、「上司に変われ」など言われても一切ブレずに同じセリフを繰り返してほしい

どんなイレギュラーがあるかわかりませんが、とりあえず必要な準備は整えられました。

さて、闇金業者はうまく罠に引っかかってくれるでしょうか。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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