【続編③】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】背中に大きな刺青の入ったQさんの対応報告

【続編③】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】背中に大きな刺青の入ったQさんの対応報告

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営業スタート後、トラブル続出

皆さん、営業マンというとどんなイメージをお持ちでしょうか?

コミュニケーション能力が高い人?押しが強い人?

それとも喫茶店で時間を潰しているいい加減な人のイメージでしょうか?

人それぞれに個性があるように、同じ会社で同じ商材を売る営業マンにも色々な人がいます。

また、商材によって成約までのリードタイムが短いものと長いものがあり、営業活動への取り組みかたやモチベーションの保ち方も違います。

つまり営業職といっても様々で、一般にイメージされる「ガツガツ押しの強い、コミュニケーション能力が抜きん出た営業マン」という営業マンばかりではありませんし、商材によってはそういった営業スタイルが向かないケースも多いのです。

実際、当の私も普段は人見知りで、およそ営業マンには見えません。

ガツガツとした営業力はありませんが、私には私なりの強みがあって、それはそれで通用しているのです。

さて、今回のプロジェクトで集めた30名ですが、ここまでお話しした営業マンとしてのタイプはどんな人がいるのでしょう。

大変なイメージがあってか不人気職種の営業職、さらには半年間の期間限定です。

不人気職種ながら、どの会社でも必ず必要とされるポジションですから、会社規模や商材・条件を選ばなければ比較的容易に正社員で職につくことができるのです。

そのような背景のある営業職、今回のプロジェクトに応募をしてくるからには、介護や育児などなんらか事情を抱えていたり、なかなか職に就けない理由がある人が多いのです。

最初のトラブルは職場内のネットワークビジネスの勧誘

まず最初にトラブルになったのが、職場内でのネットワークビジネスの勧誘です。

9時〜17時半で残業ほぼなしというこの仕事は、ネットワークビジネスで鍛えた営業力やコミュニケーション能力を活かして気軽に働けると受け止められるようで、当初からその手な方々からの応募は多かったのです。

明らかに職場の風紀を乱しそうな方は面接でご退場頂きましたが、副業としている場合は履歴書や職務経歴書には現れず、見極めは難しいなと感じていました。

要は職場で勧誘さえしなければ、もともと営業経験があり、その素養もある方々なのです。

「ネットワークビジネスをしていそうだ」という疑念だけで、バッサリと選択肢から外してしまうのはもったいない。

対策として入社時の誓約書には次のような文言を盛り込みました。

  • 職場で業務と関連のない、いわゆるネットワークビジネスなどの勧誘を行わないこと
  • 職場外においても、従業員である立場を利用して、いわゆるネットワークビジネスなどの勧誘を行わないこと
  • これらに反する行為があった場合は就業規則に則り、然るべき懲戒処分を検討する

ここまでの内容を入社前に読み合わせ、誓約書を提出してもらっていれば、よほど図太い人でなければ、職場や職場外で勧誘行為をすることは考えづらいのです。

ただ、一部の人達は「期間限定で営業の仕事などをしているからには、よほど就職に苦労していて、お金に困っているのだろう」と、プロジェクトのメンバーをそもそも勧誘のターゲットとして入社してくる人がいるようでした。

そのような疑念のある40代男性Cさんですが、やたらと私に話しかけてきます。

  • 社員募集の欠員はないのか?
  • 欠員があれば優秀な人材を紹介する
  • 欠員が出たら、すぐ教えてほしい

不人気職種の営業職では人選も苦労しますから、紹介は大変ありがたいのですが、どうにも積極的すぎます。

派遣会社じゃあるまいし。

しばらく経って他の社員から噂話レベルで聞いたところ、どうやらCさんはネットワークビジネスのちょっとした親玉で、数人の手下がプロジェクトにいるとのこと。

さらに手下を増やすため、ネットワークビジネスだけでは食えず仲間入りを躊躇する人を新たな手下にするために、親分気取りでこのプロジェクトの求人を紹介しているようでした。

契約社員の複数から「職場内で勧誘を受けた」という苦情があり、証言・証拠を積み重ねてCさんにはご退場頂いたところ、手下の4名も同時に退職となり、この手の懸念は払拭されたのでした。

徐々にメッキが剥がれる勤怠不良社員

営業をスタートしてから半月ほど経って、徐々に問題になり始めたのが、勤怠の悪い社員たちです。

体調不良や家庭の事情など理由は日によって様々ですが、30人も一気に契約社員を雇用すると、やはり数人は勤怠に問題のある方が含まれてしまいます。

そのような社員の1人であったDさんの当初の印象は、明るく活発な印象で好感が持てる30代の男性というものでした。

法人営業経験も豊富で、私からすれば文句のない人材。

むしろ、なぜ半年間の期間限定のこのプロジェクトに応募をしてくれたのか疑問を持ったくらいです。

プロジェクトとして営業スタートし、日々の営業活動も始まる中で口頭報告や日報・成果を確認するに、他の社員よりも頭一つ抜けた印象です。

変化が見られたのは営業スタートから半月後、メンバーそれぞれが顔と名前が一致し始め、営業活動や、活動成果の報告の流れも定着し、スタート時の高揚感も少し落ち着き始めた頃でした。

毎朝始業の10分前には出社していたDさんが、電車遅延や通勤途中の体調不良で5分10分の細かい遅刻をするようになります。

始業時間前に電話で連絡はくれるものの、週に3回は遅刻をするといったことが2週間ほど続きました。

Dさんの担当マネジャーには都度注意するように指導をしていましたが、指導が甘いのか、本人の受け止めが甘いのか、一向に改善しません。

勤怠不良をはじめとする部下の素行不良は多くがマネジメントの問題です。

部下は上司が「何をどこまで許し、許さないのか」を常に値踏みしているのです。

するべき指導を遠慮したり気後れして怠ると、部下は少しずつ少しずつ手を抜いたり、不正に手をつけ始めるのです。

このプロジェクトのような、一時的に集められたメンバーで構成される営業部隊である場合、その傾向はより顕著。

そういった営業部隊の管理者に必要なのは「正しいことを正しいと貫き通すこと」「ブレない、メゲない」という強い信念です。

Dさんをはじめとする勤怠不良の社員には多少疎まれようが、遅刻や欠勤の理由を詳細にヒアリングし、改善するためにはどうしたら良いのかを一緒に考えるという作業を繰り返しました。

Dさんの勤怠はみるみる回復し、元々の営業経験も活かして成績は常にトップクラス。

どうやらお尻を叩かれて動くタイプのようです。

一時的な雇用で集まった営業組織のマネジメントは、正社員の営業組織のマネジメントとは似て非なるものです。

本業である営業活動の質や成果を上げるだけでなく、働くメンバーの考え方のベクトルを合わせていく「文化」作りも欠かせないのです。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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