【続編④】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】背中に大きな刺青の入ったQさんの対応報告

【続編④】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】背中に大きな刺青の入ったQさんの対応報告

←前編①   ←前編②   ←前編③

→続編⑤   →続編⑥   →前編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11   →完結編12

Qさんの背中の刺青が問題に

プロジェクトが営業スタートし、2ヶ月経ちました。

当初問題になったネットワークビジネスの方々や、仕事や環境に慣れるに従って徐々に勤怠が悪くなった数人の社員も指導の甲斐あり改善が図られました。

そろそろ季節も初夏になり、営業まわりをすればうっすら汗ばむような季節です。

そんなある日マネージャーから相談がありました。

  • 夏場に入り、事務所内では上着を脱ぐ機会が増えて、シャツ一枚でいることが多くなったが、私の部下のQさんの背中に大きな刺青が入っているとの噂がある
  • よくよく観察していると、シャツから透けて見える日とそうでない日があるが、肌着の種類によるようだ
  • いずれにしても大きな刺青は入っているのは事実で、みんなが怖がっている
  • 何をするわけでもないが、プロジェクト内の若者達がQさんを中心にグループになり始めている
  • 定時後に事務所の休憩室にたむろして雑談をしたり、仕事中に私語をすることが目立つようになった
  • 何をしたわけでもないが、みんな怖がっていて、どのように対応したらいいか教えてほしい

営業スタートから2ヶ月も経って、いまさらこんな話が出てくるのは意外でした。

マネージャーの話を聞くと、次のようにまとめられます。

  • Qさんはこれまで刺青をわざと見せるようなことはなかった
  • 夏場になり、肌着の形状や色によって刺青が透けて見えることもあることから、隠すつもりもないようだ
  • 若者同士でグループになることは自然だし、業務中の私語や休憩室にたむろすることは注意すればよいこと

Qさんの背中にそんなに大きな刺青が入っているのは意外でしたが、起こっている事象だけ見れば大したことではありません。

ただ、営業という仕事でもあり、お客様先で刺青が入っていることがわかってしまうようなことは絶対に避けなければおけないのです。

マネージャーには次のような対応方針を説明し、近日にQさんと面談をすることにしました。

  • 刺青がはいっているということだけで、Qさんに不利益が生じる扱いはしない
  • ただし、お客様先で刺青が入っていることが知られてしまうようなことは絶対ないように約束させる
  • 職場内ではまわりのメンバーが怖がるので、できるだけ刺青が見えない配慮をしてもらう
  • 反社会勢力との関係が連想されるため、現在進行形で反社会勢力とのかかわりがないかを確認する
  • 仮に反社会勢力との現在進行形のかかわりがあった場合は、その内容により、就業規則に則って然るべき対応を検討すると伝える

マネージャーは役職はついているものの、Qさんと同じ契約社員であり、業務指導からは少しずれた今回の面談では、私が主体で話をしようと考えました。

面談の中での言葉の選び方も難しく、一歩間違うと労務トラブルに発展してしまうのです。

とはいえ、Qさんの上司として、面談の中でQさんがどのような態様であったかを把握してもらうため、同席をしてもらうということにしました。 

Qさんとの面談

翌日、営業から戻ってきたQさんを呼び出し、マネージャーとともに面談を行うことにしました。

面接でのQさんさんの印象は、180cm越えの長身、ハッキリした目鼻立ち、日焼けした褐色の肌から、「女性にモテそうな、いい男だなぁ」くらいの印象でした。

今回の件でよくよく観察すると、肩は筋肉で盛り上がり、なかなかマッチョな体つきです。

これで背中の大きな刺青を見せつけられつつ凄まれたら、かなりの迫力でしょう。

同じチームのメンバーが怖がるのも無理はありません。

マネージャーに対して「私がQさんと話すから、 労務トラブルを避けながら、伝えるべきことを伝える話し方を参考にしてください」なんて偉そうに宣言したのが悔やまれます。

すっかり怖気付いた私の気持ちなど知らずに、マネージャーはQさんを会議室に招き入れます。

私が会議室に呼び出して話をするというような機会は初めてでしたから、Qさんもだいぶ警戒しているようです。

がっしりした長身の体に整った顔立ちで真剣な表情をされると、ますます迫力が増します。

が、立場上負けているわけにもいかず、私から話し始めました。

  • プロジェクトが始まって2ヶ月ほど経ったが、仕事はどうか?何か困っていることはないか?
  • 日々の営業報告を見ていると、順調に仕事をして頂いていると思っている
  • 人間関係なども順調だろうか?

まずは社交辞令的に近況を聞くと、特に困ったことはないとの返答です。

これ以上、アイスブレイクに時間をかけても仕方なさそうな気配のため、一気に本題を切り出しました。

  • Qさんの背中に大きな刺青が入っていると噂になっているが本当か?

あえてここで話に一呼吸入れました。

するとQさんが血相を変えて、小声ながら低い声で口を挟みます。

「刺青が入ってて何がいけないんスか?」

「だったらなんだってんだ、、、」

想定した通りの反応に、私はできるだけ冷静に、しかしはっきりと言い返します。

  • 刺青が入っているのかどうかを聞いただけで、良いとも悪いとも言っていない
  • 仮にも私はあなたの上司で口のきき方に気をつけてほしい

もう少し下手に出て、穏便な話し出しをする方法もあったのですが、あえて最初に「背中に大きな刺青が入っていると噂になっているが本当か?」と聞くことで、捉えようによっては「刺青が入っているような人は置いておけない」と言った話の切り出しと聞こえるような言い方にし、Qさんの反応を探ります。

そして乱暴な口を聞いてきたQさんに怯むことなく、このタイミングで「上司に生意気な口をきくな」というような攻撃的なコメントを返しました。

この狙いはQさんからみて、私が一筋縄ではいけない人物だと理解してもらうことです。

相手の反応を恐れて、下手下手に対応をした場合、早い段階で「上下関係」ができてしまい、途中で修正することは困難です。

最初の段階で「カマしておく」ことで、「こいつはなにを言ってくるかわからない」という相手の認識を作るとともに、多少過激なことを言ってもいちいち過剰反応されないような関係ができてくるのです。

私からの注意にふてくされた様子のQさんですが、気にせず話を続けます。

  • 刺青が入っていること自体を問題にはしていない
  • ただ、最近暑くなってきて薄着になり、Qさんの刺青が悪目立ちしているようだ
  • できれば目立たないように工夫してほしい

ここまで話したところで、Qさんはこちらの意図を理解したのか、態度が軟化しました。

「わかりました。目立たないように工夫します。さっきは変な言い方してすみませんでした。」

見た目はゴツくて威圧感はあるのですが、もともと顔つきには素直さを感じるQさんでしたが、どうやら印象通りの人物のようです。

Qさんが詫びてくれたことで、少しずつ上下関係が確定してきました。

刺青が目立たないように工夫をしてもらうことには了承してもらえましたが、続いて反社会勢力とのかかわりについて釘を刺しておきたいところです。

これまたアプローチが難しい内容で慎重な発言が必要なのです。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

←前編①   ←前編②   ←前編③

→続編⑤   →続編⑥   →前編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11   →完結編12

更新情報はTwitterに配信しています!