【続編11】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】背中に大きな刺青の入ったQさんの対応報告

【続編11】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】背中に大きな刺青の入ったQさんの対応報告

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朝一番からQさんとの神経を使う面談を終え、グッタリ疲れ果てました。

この事務所は営業を行うための場所であり、本来は営業成果を増やすことに力を注ぎたいのです。

今回のようなトラブル解決は、そう言った本筋からいくと無駄な作業にも思えます。

しかし、どれだけ本筋や建前を述べたところで、結局は人の集まり。

社員がが安心して楽しく仕事をできるかどうかが大事なのです。

いつも不満や不安に苛まれているような職場環境では、特に営業職のようなモチベーション次第の仕事の成果は高まりようがありません。

早々にQさんとMさんのトラブルを片付け、当事者の2人だけでなく、今回の騒ぎに浮き足立つ他の社員たちの目線も本来業務に戻す必要があります。

また、どの会社の営業職にも共通しますが、営業マンは常に相手を値踏みして対応を変えるものです。

皆、今回のトラブルを私がどう捌くのか注目をしていて、この結果によって私の管理職としての立場が、単に会社から与えられたものでなく、自らの実力によるものだという「マネジメントの正当性」が証明されるのです。

Mさんとの2回目の面談

Qさんとの面談では多々紛糾があったものの、所長という立場を守りつつ、Qさんに注意すべきことを注意することができました。

また、今後もここで働き続けるために、Mさんとの和解を私に依頼し、折り合いがつけばMさんに謝罪をすることも約束してくれました。

次はMさんと膝詰めで話をする番です。

Mさんをやり込めることは容易にできる自信はあるのです。

ただ、Mさんのやる気を損なわずにQさんに謝罪させ、和解をさせるというのはなかなかに難しい。

Qさんとの面談は上手くいきましたが、またもや大きな壁が立ちはだかります。

会議室に入室してきたMさんは初めから憮然とした表情。

さて、どう攻略しましょうか。

  • Qさんとの騒ぎの件で昨晩面談をさせてもらったが、そのときにあなたは「Qがなんの理由もなく、いきなり襲いかかってきた」と言っていた
  • しかしマネージャーに話を聞くと、騒ぎの前に、Mさんが誰に言うでもなく「同じ職場にヤクザがいるなんてやってられないよ」という発言をしたと証言があった
  • さらには「以前からMさんとその取り巻きの間で、Qさんの悪口を言っていることは何度か見かけた」との証言もあった
  • もう一度確認するが、騒ぎの前にQさんに対して侮辱をする発言はしていないか?
  • マネージャーの証言だけで足りないなら職場の他の社員にもヒアリングをする

私からの質問にMさんは顔を真っ赤にしてがなり立てます。

  • 昨日も言ったが、なんであんなチンピラのことをみんなで庇うのか?
  • この事務所はチンピラが働くのを推奨している組織なのか!

相変わらず強く主張をすれば自分の考えが通せると思っているのが透けて見えます。

この手の手合いには冷静さを書いた時点で負けなのです。

  • どちらの味方とかそういう話をしているのではない。論点をずらさないでほしい
  • マネージャーの証言から、昨日のあなたの発言が違うのではないかと思っていて、その真偽を問うているだけ
  • 昨日は「Qがなんの理由もなく、いきなり襲いかかってきた」と言っていたが、その発言に間違いがないのか否か、イエスかノーで答えてほしい

「イエスかノーで答えろ」と、どんどんクローズドになっていく私の質問にMさんは最後のあがきを見せます。

  • 所長(私のこと)こそ私の質問に答えていない
  • この事務所はチンピラの言うことばかり聞いて、のさばらせるような組織なのか!?

質問に極端な質問を被せてこちらを混乱させると言うのは、主張をごり押しすることに慣れている人物の特徴です。

このやりとりはエンドレスになり、根負けを誘うのが狙いですから、この議論から抜け出し、彼の首根っこを掴むような本筋の話に戻さなければなりません。

  • 質問に質問で返してくるような不毛な議論に時間をかけるつもりはない
  • ここまでの議論の中で、あなたはマネージャーの証言を否定しなかった
  • 「事務所はチンピラの言うことばかり聞いて、のさばらせるような組織なのか!?」と論点をずらす話ぶりは卑怯だと感じた
  • 私はマネージャーの証言を信じ、また念のため他の社員にもヒアリングをするつもり
  • 先日の話した通り、Qさんとの騒ぎはあくまで個人の問題だと思っている
  • 今日面談に呼んだのは、Mさんの主張に嘘があるということを確認したかったから
  • Qさんが「Mさんとは自分でカタをつける」と言っていたから、勝手に個人間で解決をしたらいいと思う

昨晩の通り、「Qさんとの件は個人同士で話をつけろ」という私の主張に旗色が悪くなってきたMさんは何か言い返そうと口を開きかけます。

私はMさんが口を挟むのを許さず、次のようにたたみかけました。

  • QさんはMさんが先に侮辱をしてきたのが原因だと主張している
  • 私はMさんや現場にもいたマネージャーにも確認して、Mさんが先に侮辱をしたのかどうかの真偽を見定めると約束した
  • マネージャーの証言と今日のMさんと話で、私はMさんが先にQさんを侮辱をしたのは真実だと確信したが、Mさんはそれを真っ向から否定していると説明するつもり
  • これはQさんに対して約束をした私の考えを示す作業であって、誰に止められる筋合いのものではない

Mさんは私の言いたいことを理解したようです。

「Mとは自分でカタをつける」と息巻くQさん、「Qさんとの件は個人同士で話をつけろ」と突き放す私、その上「Mさんは自分の非を全く認めず、Qさんがいきなり殴りかかってきたといっている」と火に油を注ごうとしているわけです。

このままではQさんから何をされるか分かったものではありません。

苦し紛れにMさんの口から漏れ出てきたのは次のような言葉でした。

「わかりました・・・先に私がQさんの気に触るようなことを言ったかもしれません」

長くなりましたので、続きは続篇とさせて頂きます。

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