【続編②】人見知りなのに営業マンになってしまった人にお伝えする、農耕型営業マンのすすめ
間違えて営業マンになってしまった私はどうすれば!?
自分なりの強みを探す
さて、「明るくてストレス耐性があり、成果に貪欲で、人と話すのが好きな人」という一般的な営業マンのイメージと正反対な私は、どうすれば人並みの営業マンになれるのでしょうか?
学生の頃のように理想像に囚われて背伸びをしたところで、もともと適正のある人にかなうはずがありません。
社会人たるもの「頑張っていて当たり前」、自分の弱みを強みに変えるには人の何倍もの努力が必要。
それよりも強みを伸ばした方がずっと効率がいいはずです。
さっそく私の特徴の中で強みに転換できそうなものを棚卸ししていきます。
- 理屈っぽい
- 人の評価や発言が気になる気の弱さ
- マメ
- 真面目
長所と短所が入り混じりますが、これらの特徴を強みに変えていくことがまともな営業マンになれる近道になりそうだと考えました。
理屈っぽいを「論理的」に変える
理屈っぽいことは弱みで、特に人材派遣の営業担当のように女性の派遣社員と接する機会の多い役割には致命的です。
すべての女性がそうであるわけではありませんが、やはり女性は感性や感情で動くもの、理屈先行で接すると「わかってくれない」とか「ちゃんと話を聞いてくれない」といった厳しい評価になりがちなのです。
しかし派遣先や社内においては、論理的に説明したり提案したりする能力は必須で、その両立につまづいていたのでした。
論理的に説明したり提案したりするには、自分の頭の中で情報が整理され、体系化されていなければいけません。
そういった情報の整理がされていないと、一見論理的に聞こえる発言に1つ2つツッコミが入っただけで論理が破綻し、考えが浅いことが露呈して、しどろもどろになったりするのです。
情報を整理・体系化した上での論理的な考え方、いわゆるロジカルシンキングができるようになるにはひたすら訓練が必要なのです。
その訓練方法として、私が見つけたのがフレームワークでした。ウィキペディアによれば次にように解釈されています。
経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組み。MBAなどで教わることが多く、ビジネスに必要とされるロジカルシンキングや発想法などを体系的にまとめたもの。SWOT分析、ファイブフォース分析などが挙げられる。
要は「効率的に物事を考える枠組み」です。
数あるフレームワークの中から私が選んだのはマインドマップとマンダラート。
いずれのフレームワークもたくさんある不規則な情報やアイデアをマインドマップやマンダラートという「フレーム」に当てはめることによって情報を整理・体系化できるとともに、そのテーマについて掘り下げて思考をすることで、さらに良い情報を掘り下げられたり、新しいアイデアが浮かんでくるというメリットがあります。
常にノートを持ち歩き、なにか問題が起こればノートに書いて情報を整理・体系化して対策を考えます。
そんなことを何百回、何千回とやっているうちに、A4のノートに一からマインドマップやマンダラートを書き上げていたのが、メモ帳に単語をいくつか書けば情報が整理できるようになり、最後には頭の中でマインドマップやマンダラートを描き、問題解決の方法にたどり着くことができるようになりました。
ロジカルシンキングが板についてきたということです。
今となっては、何か相談事をされたときにその場で問題解決方法の立案までたどり着けるようになりました。
また、派遣社員や派遣先、社内に限らず相手と一緒にフレームワークを使って視覚化しながら議論していくことで、次のような副次的な効果もありました。
- 相手との認識のズレを修正しながら議論することができる
- 「共同作業」をしたことで自ら考えたことであるかのように認識してもらうことができ、その実行に弾みがつく
- 「そんなこと聞いていない」というような、後からハシゴを外されるような状況がなくなる
派遣会社の営業担当という仕事においては、派遣社員との面談のときにも使えますし、派遣先担当者との打ち合わせにも使うことができ、とても汎用性のある手法です。
フレームワークを使いながらロジカルシンキングの能力を高めたことで、私は「理屈っぽい人」から「論理的に物事を考えられる人」に進化をすることができたのです。
周りの目を気にするを「相手の反応を見ながら本音を引き出す」に変える
子供の頃から自分が周りの人々からどう思われているのかが気になりました。
自分に自信がなく実力も実績もないことを気取られたくなくて、常に周りに評価を気にしながらビクビクしていたのです。
このような性格はなかなか治りようがありませんが、見方によっては営業マン向きの性格です。
営業マンというと図太い神経で、相手が口を挟む暇もなくセールストークをまくし立てるイメージがあるかもしれません。
高度成長期の購買意欲が高いことが前提になったマーケットならいざ知らず、 皆がたいていの欲しいものを手に入れていて、ニーズは顕在化していないのです。
相手の話を引き出し、反応を見ながら適度に合いの手を入れていくことで、「相手が話しているうちに自らのニーズに気がついた」というような潜在化したニーズをいかに顕在化させるか?ということが営業マンの力量です。
また、人材派遣は「労働力の仲介業」ですから派遣社員と派遣先の間に立って調整ごとを行う機会が多いのです。
そのときに大事なのは「それぞれの本音がなんなのか?」であり、いかに両者に忌憚なく話をしてもらい、本音を引き出し、それぞれの相手に響きやい言葉に通訳して伝え、問題解決を行うかという力は必須のものです。
そういった意味で「周りの目を気にしてビクビクしている」という性格は、「常に相手の反応をうかがいながら、相手の本音やニーズを引き出すために会話をリードする」という昨今の営業職には欠かせない能力の下地になるようなところがあり、弱みと考えていたものを、考え方次第で強みに変えることができるのです。
長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。