【続編④】人見知りなのに営業マンになってしまった人にお伝えする、農耕型営業マンのすすめ

【続編④】人見知りなのに営業マンになってしまった人にお伝えする、農耕型営業マンのすすめ

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農耕型営業マンのすすめ

自らの性格や適性を考えると成果に向かって精力的に営業活動を行う「狩猟型営業マン」には向いていないと感じた私は、人材派遣というサービスの特徴をよくよく考え直しました。

狩猟型営業マンが人材派遣というサービスで成果をあげるにあたってのポイントを「いかに派遣先の発注を受けやすい状況を作るか」とし、発注を受けるタイミングを増やすために新規開拓営業→深耕開拓営業→紹介営業というサイクルでの営業活動を行うの対して、私は別にところにポイントを置いたのでした。

そのポイントとは、人材派遣はクレーム・トラブル産業であり、派遣先は派遣会社に問題解決能力を求めているということです。

派遣先は派遣会社に問題解決能力を求めるのは、人材派遣がクレーム・トラブル産業であることだけにとどまりません。

  • 派遣法改正による3年ルールや労働契約法による無期雇用化、2019年4月からの同一労働同一賃金関連法案への対応などに法対応にかかわる問題解決
  • 労働者の権利意識や知識レベルが高まる中での労務トラブルの対応
  • パワハラやセクハラ、ブラック企業などハラスメント全般への社会的な注目が高い労務トラブルの対応

派遣会社に求められる問題解決のタネは、「派遣バブル」ともいえる派遣マーケットの急拡大が起こった2000年初頭に比べると比較にならないほど増えています。

狩猟型営業に対し、問題解決能力を前面にした営業手法を私は「農耕型営業」と呼んで自ら実践しているのです。

では何を持って「農耕型」なのでしょうか?

農耕型営業とは?

農耕型と言うくらいですから、いきなりに成果を求めるのではありません。

問題解決能力の高さを派遣先担当者に理解してもらい、「人材派遣を利用すれば、どの派遣会社でも同様のトラブルが発生するなら、トラブル対応に長けた営業担当に引き続き頼みたい」と思ってもらえるような働きかけをすることが必要なのです。

  • 多くの労務トラブルは派遣先・派遣社員双方のちょっとした認識の違いが積もり積もったり、放置されたままになることによって生じることが多く、双方への定期的なフォロー面談とお互いへのフィードバックにより認識を合わせる働きかけを行い、トラブルの未然防止を図る
  • いざトラブルが発生した際には、何をおいても対応を優先する
  • 誠意と経験値もって対応を行い、必ずお互いが納得もしくは禍根を残さないかたちでなんらかの解決に導く

「ピンチはチャンス」というのはよく聞く言葉です。

普通の業種であればピンチは自らのミスや手抜かりによって起きるもの。

自ら招いたピンチを情熱をもって逃げずに解決までやりきることに顧客が誠意を感じ、関係が深まるといった意味合いかと思います。

派遣業界では、この「ピンチはチャンス」を他の業界よりも数倍、いや数十倍活かすことができるのです。

  • 人材派遣は業務内容や人間関係を含む職場環境の認識の違いや、昨今の労働者の権利意識の向上、ハラスメントへの意識向上で労務トラブルが発生しやすい
  • 派遣が多数働いているような派遣先では、派遣会社がコントロールできない派遣社員起因のトラブルも多い

つまり、派遣業界では最終的に営業マンや派遣会社の責任ではなく、「派遣社員本人の問題」と派遣先が理解してくれているクレーム・トラブルが数多くあるのです。

  • 業務内容の理解に食い違いがあって、やってほしい仕事をやってくれない
  • 派遣社員に強く注意をしたら「パワハラだ!」と社内の相談窓口に通報された
  • 業務スキル不足から契約更新をしなかったら「不当な雇い止めだ」と労基署に駆け込まれた
  • 体調が悪いと1週間以上連続で休み、任せた仕事が進まない

農耕型営業は問題解決能力がウリですから、このような本来派遣社員の雇用主である派遣会社が責めを負うべきクレーム・トラブルを「派遣先が派遣社員個人も問題だから仕方ない」という派遣先の寛大な言葉に甘んじてはいけません。

「派遣先は許してくれているのに、雇用責任のある派遣会社として建前通り、誠意を持って最後まで対応する」ことが農耕型営業の起点になります。

派遣業界は不思議な業界です。

「◯月◯日〜◯月◯日の間、◯◯という経験・スキルを持った派遣社員を派遣する」という商契約をしているのに、いざ途中でその派遣社員が辞めてしまったりすると、入れ替えの人の手配がつかず、「申し訳ありません。どうしても人の手配がつかず、引き続き人を探させてください」と、契約期間に穴が空いても御構いなしです。

派遣先も慣れたもので「じゃぁ、ほかの派遣会社にも人選を頼むから」と契約期間はどこへやら、複数の派遣会社にオーダーを出したりしています。

極端に言えば、派遣業界は「ごめんなさいすれば、なんとか許してもらえる」という前提で事業が営まれているようにすら感じるのです。

このようなあやふやな前提の中で営業活動が行われているがゆえに、「派遣会社の営業マンは信用できない」というような派遣先からの評価も多く頂いているようです。

そんななかで派遣先の言葉に甘えず、誠意ある対応でなんから結論が出るまで責任をもって対応するという姿勢は、担当者からの絶大な信頼を得るきっかけになるのです。

  • どの派遣会社に頼んでも同じようなトラブルは起こるだろうから、トラブル対応能力や問題解決能力に長けた派遣会社、ひいては営業担当を選ぼう
  • 他部署でも人材派遣の利用を考えているようだが、取引のある派遣会社の営業担当は問題解決能力が高いから紹介してあげよう

まさに「ピンチはチャンス」、クレーム・トラブルに真摯に対応し問題解決能力を示すことで、狩猟型営業マンのように「ガツガツ」営業をしなくても、深耕開拓営業と紹介営業を兼ねることができ、担当の派遣先を持ってから半年〜1年もするとリピートオーダーや、別部署の担当者の紹介がポツポツと入ってくるようになるのです。

自分の営業スタイルか確立したら、あとはできるだけ長く同じ顧客を担当し続ける事です。

年功序列は崩れつつあるものの経年と共に出世する人はしていきます。

そうなるばしめたもの、ひたすら耕した顧客という苗が木になり、大樹となって実をつけるのをひたすら収穫するのみです。

農耕型営業の極め付けは「ろくに営業しなくても勝手にオーダーが入り、数字があがること」です。

派遣業界の営業は古くから人海戦術をベースとした、いわゆるドブ板営業の域をでることができませんでした。

がゆえに、派遣会社営業マンがいかに経験を積んだとしても、そこにノウハウやスキルの積み上げといった発想は薄く、「派遣営業は数回ってなんぼ」「数打ちゃ当たるなら人件費が安くて若い社員の方がいい」とベテラン社員がキャリアルートを描けず、派遣業界にダラダラと滞留するか、歳をとったら人材エージェントやキャリアコンサルタントという道に進むというような潰しの効かない職種になってしまったのでした。

私の実践している農耕型営業のポイントである問題解決能力を実務の中で磨いていくこと、または農耕型営業のような時代に合わせた営業スキームを作っていくような能力こそ、ベテランがベテランとしての経験やスキルを活かす場を作ることになるのではないでしょうか。

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