【続編③】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】営業担当の私が派遣社員Zさんにストーカー行為をされた話
N社のコールセンターで私の担当派遣社員として働いてくれているZさんですが、職場での人間関係の悩みや自身の離婚問題などで心労が絶えないようでした。
仕事上の問題解決や相談に乗る中で、徐々に仕事上の関係から踏み込んでくるZさんに危機感を感じた私は、遠回しに一線を引く対応をして距離を取れたと思いきや、少し経ってからZさんのストーカー行為とも思える行動が目立つようになったのでした。
対応経緯
派遣社員Zさんから長文のメールが届く
派遣先の理解もあって、Zさんの抱える職場の人間関係問題を迅速に解決したことをきっかけに「担当が●●さん(私のこと)でなければ続けられるか自信がない」と言ってくれるたZさんですが、私からするとさほど難易度の高い問題解決をしたわけでもなく、過剰にご評価を頂いているという認識なのでした。
ただ、良い評価をもらって嬉しくないはずもなく、問題解決に伴ってチーム変更になった後も、本来の営業担当には引き継がず、しばらく私がそのままZさんを担当することになったのです。
新しいチームは男女半々、年齢層は30代から40代半ばまでの方々の集まりで、人柄が良い方が多く、人間関係で悩むようなことはなさそうです。
Zさんはもともと仕事ができる人なので、今後のかかわりは徐々に他の派遣社員同様になっていくのかなと感じていました。
しかし、新しいチームに異動した1週間後、Zさんから長文の相談メールが届いたのです。
メールの内容は話があっちに行ったりこっちに行ったりするので、文としてはパソコン画面で数スクロールが必要な長文ながら、言いたいことは次のような事だと理解をしました。
- 新しいチームに入り、いい人ばかりだが、輪に入れずに孤独
- このまま人間関係が希薄なままでは、ストレスの多いこの業務を続けていける自信がない
- 新しいチームでは仕事の進め方に以前と違いがあり、失敗が続いてひどく落ち込む
- 夫との離婚問題がこじれており、二重のストレスになっている
- ストレスを発散する手段がなくてつらい
- 仕事以外の話も入ってしまうかもしれないが、少し話を聞いてほしい
ものすごくざっくりした理解でいくと「色々とつらいことがあって、寂しいし話だけでも聞いてほしい」ということのようです。
要約をしてしまうと淡白に感じますが、実際のメール文面は「この世の不幸が全部自分にやってきた」とでも感じられるような、暗い思いつめた様子の文章なのです。
Zさんはメールで問合せをしてきてくれましたが、日頃の派遣社員のフォロー面談の中では愚痴5割、文句5割といった内容を延々と1時間近く話されることも多いのです。
営業担当としてこのまま放っておくのは少し危険だなと感じましたし、話を聞くくらいならお安いご用です。
就業後に近くに喫茶店で面談
数日後、Zさんの派遣先の近くの喫茶店で就業後に面談をすることになりました。
いまどき珍しく静かで落ち着いたお店で、全てがソファー席、隣の席との間隔も広くて、ゆっくり話をするには最適な環境です。
私といえば次の用件もあり、あまり長居をするわけにもいかないのですが、Zさんが指定したお店からして嫌な予感を感じます。
席に座り、早速Zさんが話しはじめます。
「●●さんの顔を見たら安心しました」
ん?
なにか話の出だしに違和感があります。突然なんの話でしょうか?
不思議に思った私が、「何のことですか?」と質問するとZさんは答えます。
「あ、深い意味はないです。ただ前の仕事のことですぐに対応してくれたこともあって、頼り甲斐があるなぁと思っているんです」
褒めてくださることはとても嬉しいのですが、なにやら雲行きがあやしいなぁと感じていました。
私が独身ならいざ知らず、ご主人もいる女性と意味ありげな会話をしているとなると少々問題です。
私の勘違いだといいのですが、ここはZさんのペースに乗ることなく、仕事として淡々と対応をしなければなりません。
「今日はご相談ということで、先日のメールもあったのでお時間を頂いたのですが、お仕事の様子はいかがですか?」
するとZさんは答えました。
- 今のチームはいい人が多くて、前のチームのような人間関係のいざこざが起こることはなさそうで安心はしている
- ただ、チーム内の人間関係が出来上がってしまっていて、私のような引っ込み思案の人はなかなか入っていけない
- 夫との離婚問題がこじれていて精神的に不安定なのかもしれないが、ちょっとしたことで不安になってしまい困っている
- なにか心の支えになるような人がいればいいのだが、結婚していたので、他の男性なんて考えたこともなかった
- ただ、夫が浮気をして離婚問題になっているのだし、離婚するなら私も次の出会いを考えてもいいと思っている
また、話の流れがおかしくなってきました。
私の勘違いであれば恥ずかしい限りですが、どうにも誘われているように感じるのです。
好みは分かれるのでしょうか、Zさんは細身で繊細そうな表情のお綺麗な女性です。
私が独身であればそういったおつきあいも考えなくはないのでしょうが、妻も子供もある身で、ちょっかいを出そうなどという気持ちは毛頭ありません。
もしかしたらZさんは私が未婚だと勘違いをしているのかしれません。
Zさんがそれを知らずにアプローチを続けさせて恥ずかしい思いをさせないために、ここは早めに釘を刺したほうがいいでしょう。
ただ、Zさんの発言が全くそんな気もなく言っていることなのであれば、それそこ私も大恥です。ここは言い方を工夫して伝える必要がありそうです。
「そうですか、色々おつらい思いがあったんですね。」
「でも、浮気されたから浮気し返すというのもZさん自身をおとしめるように感じますね。色々と状況を整理をしながら頼りになる方を探したらいいんじゃないでしょうか?」
「私も妻がいますが、夫として妻にZさんのようなつらい思いをさせたくないものです」
私が妻の話をすると、サァッとZさんの顔色が変わります。
どうやら懸念した通りだったようです。
気の利いた伝え方ではなかったかもしれませんが、その後のZさんは上の空で、中身の有るような無いような話を30分した後、お互い帰路に着いたのでした。
しかし、なにが良くて私のような中年男性に興味を持ったのでしょう。
慣れないシュチュエーションにすっかり戸惑うばかりでしたが、とりあえず伝えるべきは伝えることができました。
今日の件を機に、N社での営業担当も本来の者に引き継いだほうが良いかもしれません。
長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。