【まとめ記事】【派遣社員として働くための基礎知識】派遣から正社員への転職に成功した派遣社員Oさんの事例
私の担当していた30代女性の派遣社員Oさん。
真面目で確実な仕事ぶりで派遣先の評価も高く、人に仕事を押し付ける無責任な社員揃いのF社にはもったいないくらいの人材でした。
「もう30代半ばだし、この機会に正社員の転職を目指したい」と言いつつも日々の仕事に追われていいように使われてしまっているOさんを見て、私は30代のうちに正社員での転職をさせてあげたいと思い、アドバイスを始めたのでした。
紆余曲折、試行錯誤をしつつ、なんとか正社員での転職成功に歩みを進めていくOさん。
しかし最後には派遣先F社からのパワハラめいた退職引き止めが行われたのでした。
このシリーズでは1〜13話に渡って、Oさんの派遣→正社員転職成功までのエピソード、私が都度行ったOさんへのアドバイス、F社からの強硬な退職引き止めに対して行った営業担当としての私のアクションをストーリー仕立てでお送りします。
第1話
無責任な社員揃いのF社で、お人好しなばかりにどんどん仕事を押し付けられてしまう派遣社員Oさん。
「もう30代半ばだし、この機会に正社員の転職を目指したい」と言うものの、日々の業務に持ち前の真面目さで取り組むのに精一杯で、年月ばかりが過ぎてしまうOさんを見て、派遣会社営業担当の私はOさんの正社員での転職をサポートしてあげようと決心をしたのでした。
第2話
「正社員で転職できるようにサポートする」と伝えると、自分の働きに派遣先からクレームが入ったのでは?とOさんに勘違いされるというアクシンデントはありつつも、すぐに誤解は解け、アドバイスの前段として、Oさんの具体的な転職の希望条件のヒアリングをしたのでした。
第3話
派遣会社営業担当である私の十数年の人材業界での経験や、自分自身の転職経験を活かして具体的にOさんにアドバイスを始めます。
- 転職活動は在職しながらが基本
- ハローワークは求人の質の見極めが重要
- 転職サイトの利用は必須
- 人材紹介会社(転職エージェント)の利用は必須
- 人材紹介会社を利用する際の注意点
などなど、具体例を交えながらアドバイスをするとともに、自分の転職活動でも利用した転職サイトや人材紹介会社についても、その特徴やメリットも説明をしたのでした。
●DODA
第4話
正社員での転職のための具体的な手段として転職サイトや人材紹介会社の説明をしますが、どうにも浮かない顔のOさん。
どうやら自分の職歴では相手にしてもらえないのでは?と言う不安や、人材紹介会社を利用することによるデメリットが気になるようです。
- 派遣の職歴は正社員への転職活動に不利になるか?
- 人材紹介で応募すると採用ハードルが高いのか?
Oさんの疑問に答える中で、堅実なOさんには、東京都の行なっている就労支援 東京しごとセンターの方が向いているように感じ、紹介をするとともに具体的なアクションに進むようアドバイスをするのでした。
第5話
東京しごとセンターを利用して具体的に転職活動に入ったOさん。
あっという間に1社から内定を獲得するも、なぜかOさんの声は弾まないのでした。
第6話
内定が決まったのに浮かない様子の理由は、大手企業のグループ会社でである今の派遣先に比べて、内定をもらったような中小企業の見劣りが大きいからということのようでした。
内定を断り、改めてターゲットを「大手企業のグループ会社」に絞り直したものの、今度はそのターゲット企業の数の少なさと競争率の高さに応募をためらうOさんなのでした。
第7話
案件数も少なく競争率も高い「大手企業のグループ会社」への応募に二の足を踏んでいたOさんに、改めて人材紹介会社のメリットを説明し、利用を促します。
早速アクションを起こしたOさんは、早速ある大手企業の書類選考を通過するのでした。
第8話
順調に大手企業のグループ会社の書類選考を通過したOさんですが、トントン拍子で一次面接も通過します。
事前に打ち合わせていた通り、そろそろ派遣先のF社に退職に向けて頭出しをしようということになったでした。
第9話
派遣先F社のC課長にOさんが転職を考えていることを伝えると、「ちょっと、私だけでは判断できないこともあって、これから上司を呼んできてもいいか?」とコメントをした後、まさかの役員が登場するのでした。
なんとかOさんを引き止めてほしいという役員、どれだけ派遣に頼った部署運営をしているのでしょうか・・・
第10話
Oさんに退職されると当座の部署運営がままならないF社は、役員と課長の二人掛かりでOさんを軟禁し、会社を辞めないように約束させるという暴挙に出たのでした・・・
第11話
Oさんの営業担当として、退職に向けたF社との交渉を行いますが、相手は役員。
他の部署では数多くの当社の派遣社員が働いており、F社との関係がギクシャクするのを避けたい私は難しい交渉を迫られるのでした。
第12話
役員ぐるみでOさんを慰留するF社。
かたや順調に進んでいく正社員での転職活動に、なんとかF社での退職にめどをつけなければいけません。
そこでOさんと作戦会議をし、「軟禁」や「F社への契約社員化を強要するような言動」といったコンプライアンス問題を懸念させる表現で役員と対決をすることにしたのでした。
第13話(完結)
正社員での転職も成功し、無事F社も退職をすることができたOさん。
「派遣会社での営業担当である私が担当の派遣社員の転職活動を手伝う」というのは私に持っても初めての体験でした。
営業担当という立場では、いかにOさんに長く派遣で働いてもらうかということはミッションの一つでした。
しかし、私にとっての人材業界に身を置くきっかけは「一生の中で多くの時間を占める仕事を通じて誰かの役に立ちたい」という思いであり、今回Oさんの正社員での転職活動に少しでも役に立てたのは私の中でも大きな出来事だったのです。