【続編27】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】営業担当の私が派遣社員Zさんにストーカー行為をされた話

【続編27】【派遣会社営業担当のトラブル対応報告】営業担当の私が派遣社員Zさんにストーカー行為をされた

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ついに職場にまで現れたZさんのご主人。

根本的な対策もなく逃げ回るだけのZさんは、私へのストーカー行為など忘れてしまったかのように「これからどうしたらいいんでしょう?」と依存してきます。

この期に及んで私に寄り掛かろうとするZさんにどうしても同情はできず冷たくあしらう私は「わかりました・・・●●(私のこと)って冷たい人なんですね」と罵られるのでした。

対応経緯

派遣社員Zさんと面談

冷たい人間だと思われたとしても一向に構いません。

これまでの私へのストーカー行為を顧みることなく、自分を助けてくれない人間を「冷たい」などと一方的に断じるZさんにうんざりしたのでした。

「私にことをどう思ってもらっても構わないんですが、またご主人が職場に来てしまうかもしれないということについてはどうされるおつもりなんですか?」

Zさんは私からの問いかけに少し考えてから口を開きました。

「●●さん(私のこと)は私に冷たい人間だなんて言われたままでいいんですか?」

???

何を言っているんでしょうか?

論点は「Zさんのご主人が再び職場に来ないようにはどうするか?」ということなのですが、Zさんの関心は私との関係にあるようです。

おそらく私に「冷たい人間だ」などといっては見たものの、このまま突き放されたのでは頼る人がいなくなってしまうとでも思っているのでしょう。

どこまで依存体質で恋愛脳なのでしょう。

「そんなことより、ご主人の件はどうするんですか?」

「そうじゃなくて私から言われっぱなしでいいんですか?」

しばらくよくわからない押し問答が続きます。

お互いに一呼吸ついたところで、Zさんが改めて口を開きました。

「たぶん夫はまた職場に来ると思います」

「実は昔にも同じようなことがあったんです」

Zさんがつぶやくように話した内容にピンと来たのです。

そういえば以前ご主人と電話で話したときにそんなことを話していました。

  • 妻の様子がおかしいので問い詰めたら「好きな人ができた」「別れてほしい」と言い出した
  • 私は妻との家庭生活に満足していたので、到底受け入れられないと突っぱねた
  • 妻のスマホを覗き見て、意を決してその男性に連絡をした
  • 電話で話すと、相手の男性はかなり狼狽した様子だったが、「Zさんと浮気なんてしていない」「むしろ付きまとわれて困っているのだ」と主張してきた
  • 妻による「ストーカー行為」の証拠として、男性が受信したメールや、電話や対面での会話の録音データ、時系列にどんな被害を受けたのかといった膨大なメモを提示してきた
  • 妻を同席させ、「今後一切、男性には近寄らない」と宣誓させ、一筆も残し、勤務先の会社は即時に退職することで解決した

つまり妻であるZさんの不貞によって、夫である彼は土下座をしてまで詫びを入れ、妻を退職させることで落とし前をつけたというストーリーでした。

Zさんからも同じ話が出てくるのかと思いきや、彼女は意外な話を口にします。

「前の職場でも私の浮気を疑った夫が会社にのりこんできたんです」

「そのときはすごい剣幕で突然会社に来て、浮気相手と決めつけた相手をだせと受付で騒ぎ立てて、その噂が周りに回って会社にいられなくなって辞めたんです」

「今日はどんな調子だったかわからないけど、私と会えるまで会社に来るのは続くと思います・・・」

Zさんとご主人の話はかなり食い違っており、どちらが正しいかはわかりません。

ただ、正直どちらが正しかろうが正しくなかろうがかまいません。

私から見れば、Zさんもご主人もどうかしているからです。

今回の職場では私につきまとうZさん。

全ては彼女の不貞に始まります。

そしてそんなZさんに嫉妬の炎を燃やすご主人。妻の職場に押しかけるという過激な行動に出ます。

Zさんもご主人も、自分たちの思いや行動が周りに大きな迷惑をかけていることに全く気がついていないのです。

「そうですか・・・でも原因はZさんなんですよね?今回だとZさんは私に付きまとって、それが原因でご主人から不倫の疑いをかけられたんですから」

「Zさんのご主人は家出して消息の掴めない妻を、不倫の疑惑とともに探して職場まで押しかけて」

「Zさんは被害者のように言いますが、どっちもどっちじゃないでしょうか?」

「私は何の落ち度もないのにZさんのご主人につけ狙われる可能性もあるってことですよね?」

正論で私に責められたのが気に入らないのかZさんは返事ひとつ返しません。

「私が悪いっていうんですか・・・」

Zさんが呟いたあと、しばらく沈黙が流れ、思い切ったようにZさんが話しだしました。

「わかりました。私、この仕事今日で辞めます」

「また職場に夫が来て派遣先にご迷惑をおかけするかもしれないし」

「●●さんも私がいると迷惑みたいだし」

普通でしたら「そんなことないですよ」くらいの社交辞令は口にします。

ただ、今は一連のZさんのトラブルに終止符を打てるかもしれない大事なタイミング。

彼女に逃げ場を与える発言は極力控えます。

「そうですか、わかりました」

「派遣先には私から伝えておきます。」

「仮に今後ご主人から連絡があった場合はZさんは退職されたとお伝えしておきます」

話し終えるとZさんからN社貸与の入館証を回収し、解散をしたのでした。

その後

Zさんの退職以降、Zさんから私への連絡や、ご主人からの連絡はありません。

また、派遣先からもご主人が現れたという話も聞きません。

自ら辞めると言ったZさんでしたが、その後も解決までにもう少しもつれると思っていました。

しかしドラマや小説でもあるまいし、現実はあっさりとしたものなのかもしれません。

今回の件では色々な学びがありました。

  • ストーカー被害ではいち早く被害者を加害者から遠ざける必要があること
  • ストーカー被害の問題解決の本質は「何かあってから」ではなく「何かある前」に対応すること

一連の出来事を振り返ると、ここまで話がこじれてしまった原因は上司の初動のマズさでした。

たまたま解決ができましたが、もっと深刻な事態になっていてもおかしくなかったのです。

長い派遣営業の経験の中でも、自分がトラブルの当事者になることはあまりなく、私自身もいつものような冷静な判断ができなかった場面もあり、もっと早い段階で無理やりにでも上を巻き込むべきでした。

また、Zさんをめぐるトラブルを派遣営業として求められる問題解決はできたものの、結局はZさんを切り捨てるようなやり方しかできなかったのは後味がいいものではありません。

ただ、みんな自分の人生は自分で何とかやりくりしているのですから、私のような人間に寄りかかられても何ともして差し上げられないのも現実なのです。

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