【続編②】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中にふらっといなくなる派遣社員Fさんのクレーム対応

【続編②】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中にふらっといなくなる派遣社員Fさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてJ社で1年以上働いてくれている30代男性の派遣社員Fさんですが、仕事中にふらっといなくなる事が多いということで、派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

派遣先J社のK係長との打ち合わせの後にFさんを会議室に呼び出してもらうことにしたのでした。

派遣社員とかかわった経験の少ないK係長には、少し物事を大げさに伝えてしまいました。

最悪のケースとしてFさんと労務トラブルが発生した場合に、雇用主である当社だけでなく派遣先のF社も巻き込まれる可能性があり、そういった懸念を踏まえて段階的な本人への注意と改善検証を行う必要があり、「一気に何かしらの結論が出るものではないのだ」という認識合わせをしたのでした。

この後のFさんとの面談の中では、そういった最悪の事態にならないように手を打っていくのですが、K係長との事前の認識合わせがなかったら、おそらくはもっとドラスティックな解決を求められていたことでしょう。

事前の派遣先の認識合わせによって、問題解決のための時間的な余裕を生み出せるだけでなく、派遣会社の営業担当としての打ち手のバリエーションが広がるのです。

派遣社員Fさんとの面談

K係長との打ち合わせを終え、そのままFさんを会議室に呼んでもらいます。

Fさんにとっては突然の私の訪問ですし、更新確認面談以外で私が急に訪れるようなことはあまりなく、どれだけ強がったとしても「何か言われるのかな?」といった不安な気持ちでいるはずです。

前述の対応のポイントにもあった通り、まずは派遣社員・派遣先の間に立つものとして中立的なスタンスを取り、今後私がどういったスタンスを取るのかを推し量らなければなりません。

今回のこれまでの情報では明らかにFさんに非があるとしか思えませんが、長い派遣会社営業担当の経験の中では「上司からのパワハラがひどく、いたたまれなくなって職場を外した」などということもあったのです。

部屋にFさんを招き入れ席に着くよう促します。

Fさんは30代の男性です。無口で、口を開いても用件だけを話すようなタイプ。

特に悪気があってそうしているわけではないことは同じ男性の私にはわかるのですが、女性には「何を考えているかわからない」と言った印象になりそうです。

Fさんの職場はデータ入力業を行なっているため女性の割合が多く、彼の行動が余計にクローズアップされてしまうのかもしれません。

「すみません突然。K係長と話してましてFさんの話題になったものですから、その流れでお呼びしたんです」

「実はK係長からFさんが休憩時間以外にも頻繁に、しかも長く休憩、というかいなくなるというご指摘を頂きまして」

「特に先方に証拠めいたものもなくて、職場の皆さんからの情報ということだったんです」

「私としては派遣先の言うことをそのまま信じるものでもないなと思ってまして、まずはFさんの話を聞いてみようと思ってお時間を頂いたんです」

ひとしきりの頭出しをしました。

  • 職場の複数人数からFさんの業務怠慢について指摘があること
  • 派遣会社としては丸ごと鵜呑みにしてはいないが、全部が嘘であるはずもないので、Fさん本人にも確認をしたいと思っていること

Fさんは少し動揺した様子で目線が右に左に流れます。

「うー、うー」と小さな声で唸りながらどう話そうか考えているようです。

1分ほど経ってFさんが口を開きました。

「あんまり心当たりがないんですけど、どんな風に言われているんですか?」

Fさんから帰ってきた言葉は「心当たりがない」と言う否定でした。ただ「あんまり」という言葉にためらいを感じます。

「そうですか・・・ただ派遣先も何の確証もなしに雇用元である派遣会社の私に連絡をしてくることはないと思うんです」

「受け止め方の違いということもあるかと思うんですが、そういう意味でも心当たりは全くありませんか?」

新たに『受け止め方の違い』という表現を加えることで、一度否定したが故に引っ込みがつかなくなるような状況から逃げ道を作ってあげます。

するとFさんが少し考えてからつぶやくように口を開きました。

「実は数回、昼休み後にお腹をこわして30分とか、1時間とか席を外していたことはあります・・・」

「そうですか。数回って何回でしょう?すみません、しつこく聞いて。ただ先方の言い分とFさんの話に結構開きがあるので、Fさんの味方であるためにも正確な情報がないと先方と話し合えないものですから。あと時期はいつ頃ですか?」

ここまでのFさんの様子ですと、やはり派遣先の指摘の通り、頻繁な業務怠慢があったようです。

ただ、今回は初回の注意面談。あまり踏み込み過ぎてFさんが私に心を閉ざしてしまったり、居直られたりしては今後の問題解決に支障が出ます。

  • 派遣先からFさんに業務怠慢の嫌疑がかかっていることを伝える
  • 派遣先の指摘と程度の差があったとしても、Fさんが業務怠慢を行なっていたという自覚があることを確認する、言質をとる
  • 今後同様の業務怠慢を行わないように警告する

今日のところはこの3つを実行できれば良しとしましょう。

「そうですね・・・最近1〜2ヶ月くらいの話ですかね・・・4〜5回くらいだと思います・・・」

Fさん声は徐々に小さくなり、消え入りそうです。

「わかりました。体調不良だったということですが、それであればできる限り事前に周りをかけてから席を外すようにしてください。派遣先はFさんが不当に休憩を取っていると思っていると思っていますし、理由はともあれ結果だけ見ればその通りだと思います」

「同じようなことがあると、どんどんFさんの立場が悪くなって、私もフォローしきれなくなりますから、今後は同じようなことはないようにお願いしますね」

「あと、体調が悪いのであればお休みするとか遅刻早退するとか色々手段はあると思うので、そこは社会人として判断をしていただければと思います。都度私に相談をしてもらっても結構ですし」

初回の注意面談として、やるべきことはできたかなという手応えでした。

今回Fさんの業務怠慢でクレームを受けていますが、データ入力のスピードや正確性は問題ないようですので、サボりグセさえ治れば、引き続きJ社で働き続けてもらえるかもしれません。

そのためにも次はJ社のK係長に上手くフォローを入れて、Fさんの就業をサポートしなければいけないのです。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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