【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中にふらっといなくなる派遣社員Fさんのクレーム対応

【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中にふらっといなくなる派遣社員Fさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてJ社で1年以上働いてくれている30代男性の派遣社員Fさんですが、仕事中にふらっといなくなる事が多いということで、派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

派遣先担当者K係長と再度の打ち合わせ

Fさんとの注意面談を終えた後に、再度K係長に時間をもらいます。

クレーム対応はスピード感が命なのです。

何度も担当者を呼び出すのは気が引けますが、いらぬ気遣いで変に時間を空けて情報の鮮度が失われてしまっては、先ほどのFさんとの面談も無駄な時間になってしまいます。

相手がうるさく思うくらいに細かく対面や電話・メールなどの手段を使って「実況中継」のように対応状況を共有することで先方もこちらの本気度を察してくれるのです。

人材派遣というサービスは「派遣社員が起こしたコントロールできないトラブル」により、派遣社員の雇用主としての責任からトラブル・クレーム対応を行い、派遣先の関係各所にお詫びに回るということが日常茶飯事。

同じように派遣社員が多くいるような派遣先にとってもそのようなトラブルは日常茶飯事で、トラブルに対する派遣先の担当者の目線は次のようなものです。

  • 派遣社員は複数の派遣会社に登録しているから、派遣社員自身の資質の問題の方が大きく、派遣会社が一方的に悪くて今回のトラブルになったわけではないことは理解している
  • しかし派遣社員の雇用主は派遣会社であり、派遣契約という商契約を結んでいるわけだから、派遣会社がトラブル対応は派遣会社の役割
  • 派遣会社は数多くあり、派遣社員は複数登録しているのだから、ある意味どの派遣会社でも今回と同様のトラブルは起こりうる
  • 営業担当が今回のトラブルにどのように対応するのかが着眼点であり、どの派遣会社でも同様のトラブルが発生するなら、トラブル対応に長けた営業担当に引き続き頼みたい

クレーム・トラブル産業である人材派遣ではユーザーである派遣先もトラブルに慣れていて、派遣社員が複数の派遣会社に登録しているのであれば、どの派遣会社に頼んでも同じようなトラブルは起こるだろうから、派遣先の担当者には「トラブル対応能力や問題解決能力に長けた派遣会社、ひいては営業担当を選ぼう」というモチベーションが生まれるのです。

つまりは「ピンチはチャンス」であり、このタイミングで力を入れて対応することにより、このお客様がリピーターになってくれる可能性は非常に高いのです。

K係長を内線で呼び、会議室に通してもらうと、先ほどFさんとの面談内容を報告します。

  • 派遣先からFさんに業務怠慢の嫌疑がかかっていることを明確に伝えた
  • Fさんは全面的にではないが、業務怠慢を行なっていたという自覚があり、言質を取った
  • 今後同様の業務怠慢を行わないように警告した
  • 今回の注意面談は、先々業務態度が改められない場合の雇い止めに備え、「繰り返し注意をしたのに改善が見られなかった」という主張をするためのエビデンス作りの第1回目ととらえている

K係長は報告した内容に納得をしてくれ、労務トラブル化により係争などに発展するのを避けるため、段階的に対応を行うことに同意をしてくれました。

2週間後に派遣先から再度のクレーム

先日のFさんとの面談、派遣先のK係長との打ち合わせから2週間後、外回りで外出していると私の携帯にK係長から着信がありました。

「Fさんがまた休憩時間外にふらっといなくなって、たまたまうちの社員がコンビニに買い物に出かけたときに、Fさんが公園のベンチで寝ているのを見た」

K係長は開口一番、興奮気味にそういうのです。

あれだけ注意したら普通はしばらくなりを潜めるものですが、Fさんにはモラルというものがないのでしょうか?

平謝りするしかなく、ひとしきりお詫びをするとともに、「すぐそちらに行ってFと面談をします」と約束します。

すぐに出向いたところで何が変わるわけではありませんが、やはり人材派遣は人を主にしたサービス、クレームは対面での接点が少ないほど深刻化し、解決に手こずります。

一見無駄に見える訪問も、先を見据えた意味のあるアクションなのです。

30分ほどでJ社に着き、まずはK係長と今後の対応を打ち合わせます。

「いやぁ、さすがに困るよFさん」

「公園で寝てるの見かけた社員が、少し遠くからだけどスマホで写真撮ったから、これが動かぬ証拠になるね」

K係長も他の派遣会社の派遣社員から「Fさんのサボりぐせをほったらかしているのはおかしい」と突き上げられているようで、苦々しい表情。

Fさんが公園で寝ている写真を見せてもらうと、疑うことなくFさんです。前回の件もあり、一発アウトになりかねません。

Fさんと面談を行う前に、どうしてもK係長に確認をしておかなければなりません。

「こんな状況でお聞きしづらいのですが・・・」

私はおずおずとそう前置きをして質問をしました。

  • 今回の件は、前回の注意面談からFの業務態度が改善がなされていないということだと捉えている
  • 業務中に勝手に外出し、公園で寝ている写真という決定的な証拠がある中で、即刻の終了と言われても仕方ない状況だと理解をしているが、本人対応にあたって御社はどうお考えか?

つまり今回の事案に対してJ社が一発レットカードとして「明日から来なくていい」とするのか、それとも労務トラブルを避けるために現在の契約期間は満了をさせるのかを問うています。

派遣先の考えによってこの後のFさんへの対応は随分変わってくるのです。

K係長は少し悩みながらも次のように答えました。

「うーん、本当はもう来ないで欲しいくらいだけど、労務トラブルになるのも困るから、今の契約満了まではいてもらおう」

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