【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中にふらっといなくなる派遣社員Fさんのクレーム対応

【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事中にふらっといなくなる派遣社員Fさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてJ社で1年以上働いてくれている30代男性の派遣社員Fさんですが、仕事中にふらっといなくなる事が多いということで、派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

1回目の注意面談で今後は業務怠慢をしないようあれだけ注意をしたのに、Fさんは懲りずにまた仕事を勝手に抜け出し、公園で寝ていたところを通りがかった社員に証拠写真を撮影されたのでした。

本来であれば「明日から来てもらわなくて結構」と言われても仕方ありません。

派遣先はあくまで求めたスキル・経験を持つ派遣社員から労働力の提供を受けるというサービスを派遣会社から提供されているのであって、今回のFさんのような業務怠慢で期待されたサービスが提供されないのであれば、それは契約内容に合っていないということになるのです。

派遣先から「明日から来てもらわなくて結構」と言われたとして宙に浮くのはFさんの雇用契約ですが、これは当然、派遣会社が責任を持つものです。

つまり次のような整理になります。

  • J社と当社は「9時〜17時半の間、データ入力のある程度の経験と入力のスピード・正確性を持った人材を派遣する」という派遣契約を締結している
  • Fさんは業務怠慢により派遣契約の内容を満たしていない
  • J社はそれを不服として当社に派遣社員の交代を要請できる
  • Fさんの雇用契約は当社と結ばれているものであり、J社は関知しない
  • J社での就業継続ができなくなったことにより宙に浮いたFさんと当社の雇用契約の扱いは両者間で協議による

たまたま今回はJ社のK係長が「本当はもう来ないで欲しいくらいだけど、労務トラブルになるのも困るから、今の契約満了まではいてもらおう」というような判断をしてくれたので即日の人員交代といった事態にはならなかったものの、本来であれば当社はFさんと残りの雇用契約期間を巡ってシビアな調整をしなければならなかったのです。

K係長との一番最初の打ち合わせで、派遣での労務トラブルでは雇用主である派遣会社はもちろん派遣先も矢面に立つことが多いことを噛んで含めるように説明したのは、今現在のような事態の悪化に備えてのものであり、K係長の譲歩はこういった事前の派遣先への情報提供があってのものなのです。

派遣社員Fさんと2回目の注意面談

さて、K係長からは「今の契約満了まではいていい」と言われたものの、その言葉に甘えてFさんへの対応を緩めるわけにはいかないのです。

Fさんを会議室に呼び出し、面談を始めます。

またもや突然の呼び出しにFさんはおどおどした様子です。

「毎回突然ですみませんね。その後お仕事はどうかと思いまして」

いきなり事実を突きつけるのではなく、まずは本人の近況に対する認識を確認してみましょう。

「・・・そうですね。特に変わりはないです」

ボソボソと答えるFさんに問いかけます。

「変わりはないというと、どういう意味でしょうか?この前ご指摘した仕事中に断りなく席を外すといった事が改善されたという事ですかね?」

私からの問いかけに「・・・はい」とFさんは答えます。

「そうですか・・・実は派遣先から新たな指摘があったんですが、これを見てもらえますか?」

K係長からもらったFさんが業務時間中に近くの公園で寝ている写真を見せます。

「・・・あっ」とFさんがつぶやきました。

「これ、Fさんですよね?J社の社員の方が休憩中にコンビニに行った時に、本来休憩時間でないはずのFさんが公園で寝ていたのを見かけたらしいんですよ」

「この前Fさんに指摘をした時には、派遣先はFさんの業務怠慢の明確な証拠は持っていなかったので、Fさんに厳重注意をして経過を見るという事でなんとか逃れられたんですが、こういう証拠を出されちゃうともう言い逃れしようがないんですよ・・・」

「これはFさんで間違い無いですよ?」

Fさんはおどおどしながら「・・・はい」と答えます。

いつもポーカーフェイスで何を考えているかわからないFさんですが、この時ばかりはあきらかに動揺をしていることが窺い知れます。

「この時は休憩時間ではないし、体調が悪いから休憩したいと行った申し出もしていないですよね?派遣先はそう言っているんですが」

「・・・はい」Fさんは答えます。

「これは明らかな業務怠慢ですし、前回あれだけ注意をした中での証拠のある指摘なので、もうどうにもFさんを守ってあげることはできないですよ。なんでこんなことをされたんですか?」

Fさんの動揺ぶりに、私が一方的にFさんを苛めているような後ろめたい気持ちにもなりましたが、このまま放っておくわけにもいきません。

「Fさん、理由を教えてください。別にそのまま派遣先に伝えるわけでもありませんから」

しばらく沈黙が続きます。

矢継ぎ早に色々言いたくもなりますが、ここは我慢してこちらも沈黙してみましょう。

Fさんのような口数の少ない人と何かしらの交渉・調整をするときに、なかなか口を開かない相手に気持ちが焦ってしまいます。

どうしてもこちらから答えを誘導するような、さらには答えを示して同意を求めてしまうようなことが起こるのです。

後から「無理やり〇〇と言わされた」と梯子を外されることのないように、ここは我慢してじっくりと本人の言葉を待つのです。

しばらくの沈黙の後、Fさんがやっと話し始めました。

「・・・実はここでの仕事も1年経ったし、新しいこともないなと思って転職しようかと思ってるんです・・・」

「・・・だから気持ちが萎えちゃって、仕事に集中できないんです・・・」

初めてFさんから出た本音、さてこの言葉を受けてどう対応をしていきましょうか。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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