【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】辞めたのに入館証をなかなか返さない派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】辞めたのに入館証をなかなか返さない派遣社員Kさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてT社で2週間前に就業介した30代男性の派遣社員Kさんですが、色々な経緯の中で派遣先のT社を契約途中で退職したのに、なぜか貸与されている入館証を返さないという状況が続き、派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

スタートしてから2週間、10日間勤務しなければいけないところを半分の5日間しか勤務しておらず、出勤した日も全て遅刻、結局就業初日しかまともに出勤していないという異常な勤務状況。

Kさんに注意をしますが、開き直ったふてくされた態度のまま物別れに終わってしまったのでした。

勤怠改善の注意はしたものの、注意すること自体が目的ではありません。

ここまでの勤怠不良に至った理由や反省、今後の再発防止のための方法をコミットさせ、確実に勤怠を改善をさせることが目的だったのです。

しかしKさんの物言いや態度をみるに、どうにも改善を望むことはできなそうです。

それどころか「働いた時間しか給料もらえないんですから誰も損しない」とか、注意に対して「それって脅しているつもりですか?訴えますよ?」などといった開き直った言動が目立つのでした。

つまり勤怠を注意して改善を促すといったこと以前に、Kさんは私からの注意を受け入れるマインドではないということです。

ここで私の頭に浮かぶのは、派遣先のO部長の「スタート早々でこんなに勤怠が悪いのは考えられない。本人への指導とともになんらかの対策を報告してくれ」というクレームです。

派遣会社の営業担当は派遣先と派遣社員の間に立つ立場、ケースによってどちらが正しい正しくないはありますが、今回のケースでは一方的にKさんに非があります。

時間稼ぎに「Kさんは深く反省していて、勤怠改善をするコミットをさせた」と嘘の報告をすることもできますが、事が勤怠であるだけに明日Kさんが休んだり遅刻をすればあっという間に信頼を失ってしまいます。

ここは腹をくくるしかなさそうです。

  • Kさんのこれまでの勤怠不良は異常である
  • Kさんに反省の色はなく、そもそも注意を聞く姿勢にない
  • Kさんの勤怠改善は望めない

これではKさんにT社で働き続けてもらうことはできません。

派遣会社として派遣先との契約内容を守れないような派遣社員を派遣し続けることはできないのです。

人材派遣とは派遣先の求めるスキル・経験を持った派遣社員を派遣する事で労働力を提供するというサービスです。

Kさんという属人が指定されているものではなく、あくまで派遣先の求めるスキル・経験を持った派遣社員の労働力が提供されていれば良いのです。

つまり道理だけで言えば派遣会社の判断でKさんから他の人材に変えることは問題ないのです。

とはいえ、職場は人間関係で成り立っていますし、Kさんの代わりに他の人材が派遣されたとなれば、派遣先はまた最初から仕事を教えなおさなければなりません。

派遣会社は派遣先と派遣社員という両者の間に立つ「労働力の仲介業」である以上、両者の考えや立場を尊重した調整ごとは重要な役割なのです。

派遣先O部長との打ち合わせ

Kさんとのやりとりから「Kさんは契約期間満了で人を入れ替える」と腹をくくった私は、その前提で話をリードします。

調整ごとを行うにあたっては現状認識や今後の方針が固まらないままに話を進めてしまうのはとても危険です。

派遣社員は生活が、派遣先は業務の進捗やコストがかかっているのでそれぞれシビアに交渉に臨んでくるのです。

これから始まるO部長との打ち合わせにおいては、部長の立場も考えた言葉選びが必要です。

部長は職場の責任者なのです。

上司に面と向かって言わないまでも、Kさんのいう派遣社員が働き始め、まともに出勤していないといった責任はO部長にあると周りの社員は思っているはず、またO部長ご本人もそう感じているはずです。

つまり彼も引くに引けない立場なのです。

Kさんの今後の就業について部下に説明をする、もしくはO部長の上司に説明をできるだけの材料を与えてあげなければ納得はしてもらえません。

私はまずO部長にこれまでのご迷惑をお詫びした上で、言葉を慎重に選びながら状況を報告します。

  • 先程Kと注意面談を行い、これまでの勤怠不良について厳重注意をした
  • このままの勤怠状況では先々の就業継続は難しいことも警告している
  • 本人は注意は理解したと思うが、深い反省の弁と言ったコメントはなく、今後の再発防止策のコミットというところにもたどり着けなかった
  • 単に私から頭ごなしに注意をされたことを素直に受け止められなかっただけであれば良いが、大変不甲斐ないが今回の面談では改善の手応えは感じられなかった

「そうですか・・・それだと困るな・・・」

O部長は呟くように話します。

「申し訳ありません。私としては次のような対応を考えておりますが、いかがでしょうか?」

  • 本日の注意面談を踏まえて、明日以降の今週一杯の勤怠が改善されないようであれば、来月末までの現契約期間で終了とする
  • この後、再度Kと面談を行い、明日以降出勤で自宅を出るときに私に連絡をするように指示をする
  • 明日以降も遅刻や欠勤が続くようであれば、都度Kと注意面談を実施する

毎朝Kさんから出社の連絡をもらい、それに対応をしたり、遅刻や欠勤をしたらその度に注意面談を行うというのは営業担当の私としたら大変な手間です。

そして、そのような手間をどれだけかけたところで、派遣社員が毎日決められた時間に出社することなど当たり前のことであって、派遣先からの要望にミスマッチな人材を派遣した当社の自己満足でしかないのです。

「わかった。そこまでしてくれるなら今週いっぱい様子を見てみるよ」

これまで多くの派遣社員にかかわり、多くの派遣会社とかかわってきたO部長は私の提案に理解を示してくれたのでした。

長くなりましたので続きは続編とさせていただきます。

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