【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】辞めたのに入館証をなかなか返さない派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】辞めたのに入館証をなかなか返さない派遣社員Kさんのクレーム対応

←前編①   ←前編②   ←前編③

→続編⑤   →続編⑥   →続編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15

私の担当派遣社員としてT社で2週間前に就業介した30代男性の派遣社員Kさんですが、色々な経緯の中で派遣先のT社を契約途中で退職したのに、なぜか貸与されている入館証を返さないという状況が続き、派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

  • 明日以降の今週一杯の勤怠が改善されないようであれば、来月末までの現契約期間で終了とする
  • この後、再度Kと面談を行い、明日以降出勤で自宅を出るときに私に連絡をするように指示をする
  • 明日以降も遅刻や欠勤が続くようであれば、都度Kと注意面談を実施する

T社のO部長にそう約束し、承諾を頂いたのでした。

今日のうちに改めてKさんと面談し、認識を合わせておかなければなりません。

O部長が「じゃぁ、Kさん呼んでくるよ」と言ってくださりお言葉に甘えます。

しばらくするとKさんが会議室に現れます。

職場の冷房が肌寒いのか、ベージュのカーディガンを羽織っているのですが、相変わらずシワシワで、しかも愛用をしているからか毛玉だらけ、おまけにボタンが掛け違えていてだらしなさに拍車をかけます。

もともとKさんがスタートをした時には別の営業担当がT社を担当していて、たまたま急な人事異動でKさんもろともT社を引き継いだのですが、前任の見極めの甘さに腹が立ちます。

昨今の雇用情勢の好調を受けて、派遣で働こうという方はだいぶ減りました。

少ない派遣社員のパイを巡って、派遣会社各社が派遣社員のぶん取り合戦をしているのです。

数年前は「オーダーにあった派遣社員を探す」という考え方でしたが、ここ数年は「派遣社員の希望するオーダーを探す」と考え方が逆転しています。

圧倒的な売り手市場に、人選担当としても、営業担当としても、オーダーにマッチングした人選をすることは難しくなってきました。

そういった認識は派遣先にも伝播し、「いまはなかなか派遣だといい人いないんでしょ?」と自ら妥協をする傾向もあり、ますますミスマッチを生みやすくなっているのです。

では、人材派遣において「いい人」はどこに行ってしまったのでしょうか?全て正社員に?

いえ、「いい人」はそれぞれの派遣先で働き続けてくれているのです。

つまり現在の派遣マーケットは目先の転職を繰り返す、転職回数の多い人材があちらこちらに行ったり来たりしているような危ういマーケットになっていると言えます。

そういったミスマッチによって派遣先・派遣社員双方にトラブルやクレームが起きやすくなり、今回のKさんの事例のように派遣会社の営業担当は右往左往することを余儀なくされます。

安定して就業を続けてくれている派遣社員や、安定した職場を提供してくれている派遣先に稼働を割く余裕がなくなり、もっとも派遣会社の収益に貢献をしてくれている人たちに報いることができないのは個人的にもジレンマを感じるところなのです。

派遣社員Kさんとの再度の面談

会議室にKさんに席に座るように促します。

するとKさんは言うのです。

「いや、もうあなたと話すことはないんで。部長に言われたので一応来ましたけど、話すことはないと言うことを伝えに来ました」

???

ふてくされた態度をしてくることは想定していましたが、ここまでとは思っていませんでした。

こういった場面で派遣会社の営業担当はどのように声をかけるのが最も適切でしょうか?

普通に呼び止めたところでKさんは言うことを聞かないでしょう。

またよしんば席に着いたとしても、「話し合いのために席につくことをお願いした」ような力関係になり、また席を立ってしまうことを恐れて、こちらから指示や注意をするような発言はしづらくなります。

私が選んだのは次のようなセリフでした。

「Kさん、私と話すことがないかどうかは関係ないんです」

「O部長の指示で私と会うように言われたんですよね?」

「つまりそれは業務指示です。私と打ち合わせを行うということがO部長からの業務指示なんですよ」

O部長から私とうちあわせるように言われたのであれば、それは業務指示、仮にこのまま私と打ち合わせることなくオフィスに戻れば「KさんはO部長からの業務指示に従わなかった」ということを伝えています。

Kさんはムッとした表情で言い返してきます。

「あなたと打ち合わせるのが業務指示だっていうなら、今こうして話してるじゃないですか?これで用件は済みました?」

すでに屁理屈の攻防戦のようになっていますが、私も負けじと応戦します。

「そうですね、ここまでのやり取りで打ち合わせができたとは思っていませんし、仮にKさんの言う通りこれで打ち合わせが済んだというなら、私はO部長に『Kさんと勤怠改善のための打ち合わせを試みたが、Kさんは全く反省も歩み寄りもなく物別れに終わった』と報告することになると思いますよ」

ひねくれた子供の言い合いのようなやり取りに私自身もうんざりし始めましたが、Kさんもこれ以上こんなやり取りをしても仕方ないと思ったのでしょうか、席に着いたのでした。

「それで何の用ですか?」

Kさんの見当はずれな質問に少し苛立った私は答えます。

「何の件だと思います?ここまでのやり取りでご理解いただいていると思うんですが?」

「・・・勤怠の件ですかね・・・」

苦虫を噛み潰したような表情のKさん。

私はあえて少し間を空けてから話し始めました。

「Kさん、言い争いみたいになっちゃってますけど、本来私はKさんの敵じゃないんですよ」

「どっちの味方というわけじゃないですけど、トラブルの際は派遣社員と派遣先の両方が納得するような落とし所を目指して調整しているつもりです」

「今回の勤怠不良は明らかにKさんに非がありますよ」

「引き続きT社で仕事を継続されたいなら、何らか改善の取り組みをしなければ派遣先だって納得できるわけがありません」

「そういう状況だってことをご理解いただいていますか?」

最後の歩み寄りと言える私からの言葉にKさんは少し考え込んでいる様子です。

さて、Kさんはどのように反応をしてくるのでしょうか?

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

更新情報はTwitterに配信しています。

←前編①   ←前編②   ←前編③

→続編⑤   →続編⑥   →続編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15