【続編⑥】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「派遣先の社員から脅迫された!」と損害賠償を請求してくる派遣社員Jさんのクレーム対応

【続編⑥】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「派遣先の社員から脅迫された!」と損害賠償を請求してくる派遣社員Jさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社で就業スタートしたばかりの40代女性の派遣社員Jさんから、「派遣先の社員から脅迫された!」という訴えとともに、派遣先と当社を相手取って損害賠償を請求するというトラブルがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Jさんとの3回戦

「Jさん、社員のFさんに謝ったほうがいいと思いますよ」

D社の社員Fさんからの業務指示が脅迫であると主張していたJさんでしたが、私に「脅迫にはあたらない」と論破されると、「社員Fさんの業務指示に問題があったのであれば抗議する」という私の話に乗っかって、「脅迫ではなくパワハラだ」と主張を変えたのでした。

まんまと罠に引っかかったJさんに社員Fさんへの謝罪を迫る私。

「今回の一件は脅迫でなくパワハラだということなので、私は派遣先に『JさんがF社員から受けた被害は脅迫ではなくパワハラであるとの主張の変化があった。パワハラがあったかどうかを確認するためF社員への状況調査をお願いしたい』と報告をします」

「パワハラがあったかどうかはのちのち結果が出るとして、『脅迫された』というのはJさんの事実誤認なんですよね?」

「そうなれば職場でいわれもなく部下に脅迫呼ばわりされた社員Fさんは怒って当然ですよね?さらにパワハラの嫌疑をかけられたFさんは先手を取ってJさんを名誉毀損で訴え出てもおかしくないと思いません?」

「だから、謝っておいたほうがいいと思いますよ」

合っているのかいないのか、理屈が通っているのかいないのか微妙なところではありましょう。

実際のところ、Jさんが社員Fさんに謝罪するか否かはどうでもよかったのです。

  1. 社員Fさんの業務指示を脅迫だと主張
  2. 旗色が悪くなりパワハラだと突然訴えを変える
  3. 脅迫は事実誤認であり、社員Fさんの名誉を著しく貶めたのに非を認めず、謝罪をしない

このような対応記録が取れればそれでよかったのです。

私からの言葉に、Jさんは声にならないような大きな怒りを溜め込んでいるように見えました。

稀にいるのですが、Jさんは派遣会社の営業担当を必要以上に見くびるタイプの方なのでしょう。

ちょっと脅かしたらハイハイ従うとでも思っていたのかもしれません。

単語の選び方からしてゴネ慣れている雰囲気は感じますが、細部の詰めが甘いのです。

「脅迫が事実誤認だというのが、今さっきの話でしたからすぐに結論を出さなくても結構ですよ。謝罪をされるという時は私も間に立ちますので教えてください」

「本当は今後、JさんがD社でどのようにお仕事をされたいのかを聞きたいのですが、その前に先程発言された『弱い者いじめ』と『人権侵害』について教えください」

私からの投げかけにJさんはうんざりした様子で言いました。

「・・・それは言葉のあやです」

「そうですか、Jさんは言葉のあやで『弱い者いじめ』や『人権侵害』といった過激な言葉を使うんですか?」

「そうです。別に悪いとは思ってません」

ふてくされた様子で答えます。

「Jさん、先程言いませんでしたっけ?この面談は業務です。給与も発生していますし。Jさんのおっしゃる『弱い者いじめ』や『人権侵害』といった単語は業務中に言葉のあやで使うような気軽な単語じゃありません」

「もし、逆に私がJさんに同じような単語を使ったらどう思われますか?言葉の選び方は気をつけたほうがいいですよ」

「私からこんな注意を受けるのは不本意だと思いますが、社員のFさんへの不用意な発言にもつながっているんだと思うので、あえて注意させてもらっています」

私からの度重なる注意に、Jさんの憤りは頂点に達したようでした。

「それの何が悪いっていうんですか!!!」

Jさんの怒声が狭い店内に響き渡ります。

テーブルに両手をどんっと叩きながら中腰でこちらを睨みつけているJさん。

なにごとかと他のお客さんがこちらを振り返りました。

「何が悪くないと思うんですか?」

「あと、大声を出すのはやめてくださいってお願いしましたよね?他のお客さんにも迷惑です」

憤るJさんとは正反対に冷静に反論する私に、Jさんは顔を真っ赤しつつも、周りの目を気にしてか席に着きました。

「Jさん、では『弱い者いじめ』や『人権侵害』といった発言はあまり深く考えずに発した言葉であるということですね?」

「・・・そうです」

「わかりました。では話を本筋に戻して、JさんはD社での今後の就業をどのようにお考えですか?」

Jさんはしばらく沈黙します。

「・・・・・もうD社では働けません」

ん?Jさんにしては意外な発言と感じました。

さらにしばらく間を置いてJさんは口を開きます。

「派遣先はパワハラをするし、派遣会社は派遣社員を守ってくれないし、派遣先とあなたの会社、それからあなたを訴えます!」

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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