【続編⑦】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「派遣先の社員から脅迫された!」と損害賠償を請求してくる派遣社員Jさんのクレーム対応

【続編⑦】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「派遣先の社員から脅迫された!」と損害賠償を請求してくる派遣社員Jさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社で就業スタートしたばかりの40代女性の派遣社員Jさんから、「派遣先の社員から脅迫された!」という訴えとともに、派遣先と当社を相手取って損害賠償を請求するというトラブルがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Jさんとの3回戦

「派遣先はパワハラをするし、派遣会社は派遣社員を守ってくれないし、派遣先とあなたの会社、それからあなたを訴えます!」

そう断言するJさん。少し勝ち誇った様子です。

そうのような時に私のスタンスは一貫しています。

「止めも勧めもしない」

どちらに勝ち目があろうがなかろうが、訴えるという人を止める権利はありません。

また、止めようとすれば相手に隙を見せることとなり、「訴えるのをやめて欲しければこうしろ、ああしろ」といった話になってしまうのです。

今のところ訴えられたところで、派遣先のD社にも当社にも非らしいものは何もありません。

「訴える」というJさんがどのような手段をもってそう言っているのかはわかりませんが、訴えるならばいわゆる訴訟を起こしてもらう方がスッキリします。

経験上、「訴える」とか「然るべきところに相談する」といった人物が実際に行動に移す確率は50%程度でしょうか。

多くの場合は労基署への相談を選ぶようですが、労基署はサービス残業や給与の未払いなど明らかな法律違反を取り締まるのであって、労務トラブルについてはアドバイスを行うといった程度の存在です。

私自身の経験として、こちらに非があって担当派遣社員に労基署に相談行かれてしまったという経験はないのですが、一方的な主張をもとに「労基署に行くといえば派遣会社はビビる」とか「労基署に行ってこう言われたといえば派遣会社は言いなりになる」と考えてごね得を狙うような輩は一定数いて、何度か対峙したことがあります。

そのような人達は「労基署に行く」とか「労基署でこんな風なアドバイスを受けた」と言っても対応を変えない私に驚いたり、むしろ労基署の担当者に説教をされて帰ってくるようなケースもあるようで、「労基署は派遣会社にとっての水戸黄門の印籠」のように考えていた彼らは拍子抜けをするようです。

また弁護士に相談して実際に訴訟を起こすという人はごくごく少数です。

時間と費用がかかりますし、採算が合わないというのが本音でしょう。

派遣会社側もそう言った事情はわかっていますから、「労基署に行きます!!」と言われようが、「弁護士に相談して裁判を起こします!!」と言われようが、本音のところは「どうぞどうぞ勝手にやってください。むしろその方は水掛け論に時間をかけるよりもスッキリします」といった程度の感想でしかありません。

さて、当のJさんはどのようなお考えなのでしょうか?

「Jさん、まず先に言っておくのですが、私は『訴える』という人を止めも勧めもしません。そんな権利がないからです」

「そうするとD社での派遣就業は自ら辞められるという事ですか?」

するとJさんがすぐに切り返してきました。

「辞めるなんて言ってません!!『D社は働けるような環境ではない』と言っているんです!!」

Jさんが言っている意味がよくわかりません。

「ちょっとおっしゃっている意味がわからないんですが・・・」

「わからないんですか?察しのの悪い人ですね!」

「社員はパワハラするし、派遣会社と営業担当はそれを見逃す無能だから、派遣先はパワハラ精神的被害での損害賠償で訴えるし、私を働けない環境に放り込んだ派遣会社には契約期間いっぱいまで補償を求めます!」

やっと本音が出てきました。

おそらく派遣先を訴えるというのは私を困らせるつもりで言ったブラフでしょう。

「Jさん、訴える訴えないはご自身の自由ですけどね。私はあなたに無能呼ばわりされるいわれはありませんよ。侮辱と受け止めました」

「だってあなたが○×△!!!」文句を言ってくるJさんの目線を隠すように腕を差し出して発言を制します。

「いやいやJさん、私は侮辱だと受け止めたという主観を述べているのであって、それに対するJさんの主張はうかがってませんよ」

「では、Jさんは派遣先と当社を訴えるという事ですね。わかりました。では働ける環境にないD社では就業をしないという事ですから、その首に下げている入館証を返却してください」

Jさんは少し考え込みます。

「・・・返せません」

「???なんでですか?D社はJさんにとって働ける環境でないから現状の契約期間分の給与補償を訴訟という形で当社に求めるんですよね?」

「この件の解決がされていないからです!」とJさん

「いやいや、給与補償が行われるかどうかは訴訟で解決するんでしょう?パワハラ被害でD社を訴えるという話も入館証と全く関係ありませんし」

「それにJさんにとって働ける環境でないD社の入館証を持っていて、なんの意味があるっていうんですか?」

Jさんは少し混乱した様子です。

入館証を返さないという自分の主張がのちのち不利に働くのではないかと不安になっているようです。

1分くらいでしょうか。ずいぶん長考した後にJさんが口を開きました。

「ちょっと相談をしたい人がいるので電話をさせてください」

・・・どうやら裏で糸を引いている人がいるようです。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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