【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてK社で秘書として半年ほど働いてくれている40代女性の派遣社員Yさんですが、派遣先から「秘書という立場を悪用して部内で好き放題やっている」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先S課長へのヒアリング

「電話取次という意味では他の役員様あての電話もあるんだと思うんですが、そちらでは秘書さんと同じようなトラブルはあったりしないんですか?」

私からの質問にS課長は答えます。

「まぁ電話がかかってくるという意味では同じなんだけど、B常務の電話が一番多いかな。あと、他の秘書さんは何だかんだ大目に見てくれているっていうのが実情かな」

「なるほど。ちなみにお二人の社員に対するYの接し方はどんなスタンスでしょうか?」

「というのも、稀にあることなんですが、自分が年長なので派遣社員とか正社員ということは関係なく、単に社会人の先輩として良かれと思って指導しているつもりであるケースがあるんです」

「そう行った意味では、Yの接し方には育成的な接し方が感じられますでしょうか?それとも単に苛立ちをぶつけているだけでしょうか?」

S課長は少し悩んで答えました。

「私が見ている限りは後者かな・・・今や何かなくても小言や嫌味を行っている印象もあるし・・・そもそも私の部下を彼女に育成してもらうつもりもないね」

「もちろん、それはそうですね。私も彼女が育成のつもりでやっているから良いというつもりはございませんで、どちららかというと本人が育成のつもりでいるのに頭ごなしに注意すると話がこじれることが多くて、念のためにおうかがいしました」

「なるほどね・・・Yさんへの対応をどうするかですよね・・・」

S課長は目線を天井に向けて、少し途方にくれた様子です。

「いくら彼女が秘書業務をきっちりとやらせて頂いていたとしても、御社様の業務に支障を与えているとすれば、これは雇用主である派遣会社として注意をしなければいけないと思っています」

「問題は注意の仕方ですね」

「・・・そうなんですよ、注意の仕方なんですよ」

S課長はため息混じりに答えました。

B常務と信頼関係ができ、秘書業務には全く抜かりのないYさん。

若い社員2人に業務上のミスという非があったこともあり、「派遣先から部署内の社員との関わり方について苦情が入っている」などと頭ごなしに注意すれば話はこじれるばかりです。

受け手のYさんからすれば「誰がそんなことを言っているのか!?責任者であるS課長も納得した上での私への注意なのか!?」とか、「彼らが悪いのになんで私が注意されるのか!?派遣だから何も言ってはいけないのか!?」といった過激な反応になるに違いありません。

これまでの私のYさんとの関わりでの印象は次のようなものです。

  • 秘書としての経験やスキルは十分で、本人もその自覚があり、プロ意識が高い
  • プライドが高い印象が強く、立ち振る舞い含めて「秘書っぽい」
  • 職場だけでなく派遣会社からも秘書として相応の扱いを求めている
  • 頭の回転が早く、少しでも矛盾した発言をすると納得するまで質問してくる
  • 1つの発言・出来事から2手3手先を読んでいる印象がある

B常務と秘書のYさんという絶対的な上下関係の中では、これらのYさんの特徴は秘書としてプラスに働くものが多く、実際それが故にB常務から評価をされているのでしょう。

ただ、S課長たちのような秘書を取りまとめる部署の面々や、経験の浅い派遣会社の営業担当にはなかなか扱いづらい人物です。

私は少し考えた後に、S課長に次のように提案しました。

「S課長、そうしたら私がYさんと面談して、いつもより深掘りして話を聞いてみます」

「B常務との関係はもちろん、所属する部署の皆様との関わり合い含め、就業開始して半年経った節目として意見を聞きたいというようなアプローチにしたいと思います」

「その中で出てきた不安・不満を掘り下げていくような形ではどうでしょうか?」

S課長は賛成してくれ、とりあえず私がYさんとの面談を行い、彼女の考えを確認することになりました。

派遣社員Yさんとの面談を調整する

私のYさんへの印象に「職場だけでなく派遣会社からも秘書として相応の扱いを求めている」というものがありました。

その印象を営業担当としてどのように活かすか?という発想が大事なのです。

いつもの問題解決であれば、S課長との打ち合わせのあとに、そのままYさんを会議室に呼んだことでしょう。

ただ、Yさんは「秘書として尊重されたい人」なのです。

秘書はどのような仕事をしているでしょうか?

  • ボスのサポートを第一に考え、先手先手を読んで立ち振る舞う
  • 待機することも仕事のうち。ボスが秘書になにかを頼みたいときにいないということはサポートができていないということ
  • アポイントの調整は相手先の予定も含め、隙間隙間を縫って、場合によっては交渉などもしながらなんとか調整していくもの。常に優先順位を考えてアポイントの調整を行う

つまり秘書目線で見たときに、派遣会社の営業担当との面談など、優先順位が相当に低いものなのです。

S課長は「この後Yさんと面談してもいいよ。会議室も空いているし」と言ってくれましたが、Yさんを秘書として尊重するなら、改めてアポイントをとるべきでしょう。

それに「就業開始から半年の節目にきちんと話を聞きたい派遣会社の営業担当」は突然時間が欲しいといってくるはずがありません。

言っていることとやっていることが矛盾している、Yさんの最も嫌うタイプの振る舞いではないでしょうか。

S課長との商談を終え、駅までの移動がてらにYさんの直通番号に電話をします。

「わかりました。面談の主旨も理解しました。では来週水曜であれば常務が海外出張でいらっしゃらないので、その日にいかがでしょうか?」

やはり思った通りです。

S課長は「Yさんは時間が空いている」と思っていても、彼女はそう思っていませんでした。

さて、来週のYさんとの面談はうまく進められるでしょうか。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

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