【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてK社で秘書として半年ほど働いてくれている40代女性の派遣社員Yさんですが、派遣先から「秘書という立場を悪用して部内で好き放題やっている」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

派遣社員Yさんとの面談の意味合いとは?

秘書であるYさんの所属する総務部秘書担当。

YさんのボスであるB常務あてにかかってきた電話の取り次ぎに若手社員が相次いで失敗したことをきっかけに、Yさんはこの若手社員2人に対してだけ厳しい言葉を浴びせるようになったようです。

当の社員2人は「派遣社員のYさんからパワハラめいた言動をされるのでどうにかして欲しい」と課長に訴えます。

上司であるS課長としては部下の言い分はわかりながらも、就業開始半年にしてB常務からの信頼を勝ち取ったYさんにおかしな注意の仕方をして辞められてしまったり、B常務に対して曲解した告げ口をされてもたまりません。

どうしたものかと悩む中、折衷案として私がYさんと面談をし、就業開始から半年経った節目としてB常務との関係はもちろん、所属する部署の皆様との関わり合いについてヒアリングを行うことにしたのでした。

今回のようにS課長といくら議論を深めたところで答えの出ない問題に対して、私も答えを持ち合わせません。

Yさんは秘書として職務を全うしていて、高い評価を頂いています。

職場での人間関係のいざこざはどの職場でも大なり小なりあるものです。

S課長の部下お二人の言い分もわかりますが、社員であるなら「派遣社員にいじめられたから上司に告げ口してなんとかしてもらおう」なんて甘くないでしょうか?

多少時間がかかっても、自らの仕事ぶりや成長をYさんに見せつけて、「口を挟む余地なんて与えないぞ」くらいの気概はないものでしょうか。

社員2人の訴えを聞き入れ、派遣会社の営業担当である私に相談するS課長もどうかしています。

若手社員2人の言動も、Yさんの軽口も、S課長のマネジメントが効いていないからこそかもしれません。

派遣会社の視点で見れば、当社の派遣社員であるYさんは評価高く秘書業務を行なっており、全く問題なくサービス提供がされているのです。

ただ、お客様であるS課長に面と向かってそういうわけにもいかない・・・

つまりYさんとの面談は「派遣会社としてできることをやった」という既成事実を作るための取り組みであり、極論すればなんの結論も得られなくても構いません。

面談の結果、なにも進展がなかったときにS課長は「それは困る!なんとかしてくれないと!」というかもしれません。

ここで初めて指摘をするのです。

  • Yさんは秘書業務で十二分の評価を頂いている
  • Yとの面談の中で解決の糸口がなかった以上、これ以上の本人へのアプローチは難しい
  • そのアプローチ上の制約はB常務とYさんとの信頼関係や、Yに辞めてもらっては困る、ヘソを曲げてもらっては困るといった御社起因のものだ
  • この上で何かしらの解決を望むのであれば人を入れ替えるしかない
  • 担当内の調和を重んじてYを入れ替えるか、B常務の秘書業務を優先して担当内でのYとの関わり方を変えて頂くかの選択の問題だ

S課長から聞く限り、Yの社員2人に対する言動は褒められたものではないにせよ、社員側にも問題があり、ひどく抗議をされるようなものではありません。

派遣先の言い分に必要以上に答え過ぎてしまうと、常に間に立つ立場である派遣会社の営業担当は、自分で自分の首を締めることになってしまうのです。

派遣社員Yさんとの面談

Yさんとの面談はS課長向けの既成事実を作るための取り組みでしかありませんから、面談に際に際しては特段の準備はせず、自然体で臨むことにしました。

「Yさん、あっという間に半年たちましたね。先日S課長と話す機会があったんですが、B常務と強い信頼関係が築けているみたいで安心しました」

Yさんは第三者である私経由でB常務からの高い評価を聞いて嬉しかったのでしょうか、はにかみながらも笑顔が溢れます。

「Yさんの豊富な秘書経験の中で、B常務はどんなタイプのボスなんですか?」

一言に秘書といってもボス次第、仕事のやり方は千差万別です。

何でもかんでも秘書に任せて意思決定をすることに徹したタイプ、「自分のことは自分でやりたい」とあまり任せることをせず、秘書を介さない相手は自分でアポイント調整をしてしまうようなタイプ、本当に様々です。

「そうですね・・・間違えなく頭が良くてバランス感覚が良い方です。まだ50代前半でお若いのに、業界団体や財界の大先輩の方々の懐に巧みに入り込んで行きますね。電話を聞いているだけでもわかります」

Yさんは自分のボスのことを誇らしげに語ります。

「アポは多いですか?業界団体や財界の方もお相手となると調整は難航しますよね・・・?」

「そうなんですよ、アポもタイトだし、相手の秘書の方もベテランで気難しい方もいるから結構気を使いますね・・・」

とYさん。

「手土産とかもいろいろ好みがありそうですしね」

「社内はどうです?B常務は事業部長も兼任してましたよね?決済を仰ごうと社内のアポイントも争奪戦じゃないんですか?」

「そうですね、派遣の秘書だと思って上から目線で無理やりアポを取ろうとする人もいて、そういう方との駆け引きというか、ちから加減が難しいですね」

「そうですか・・・いろいろクセのある人もいるんですね、役員間はどうですか?具体的には他の秘書さんとの関係とか」

私のYさんへの質問は思いつきではありません。

Yさんに「私はベテランの営業担当で秘書のことはちゃんとわかっているよ」とメッセージを送る質問をしているのです。

  • ボスの秘書に対するスタンスは?
  • アポイント先はどのような属性の人達か
  • 社内のアポ調整はどうか
  • 役員としては下位である常務の秘書として、他の秘書との関係はどうか

Yさんは徐々に私を信用してくれたようです。

さて、そろそろYさんが所属している総務部秘書担当について質問をしてみましょう。

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