【続編⑥】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

【続編⑥】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   →続編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15  →続編16

→続編17  →続編18

私の担当派遣社員としてK社で秘書として半年ほど働いてくれている40代女性の派遣社員Yさんですが、派遣先から「秘書という立場を悪用して部内で好き放題やっている」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先S課長に面談結果を報告

S課長は「秘書のYさんが私の部下である正社員にパワハラめいたことをする」と主張し、Yさんは「S課長からの申し送りが悪くてB常務から叱責された際に告げ口をしたようになってしまい、以来S課長の自分に対する態度がどことなく冷たい」と主張しています。

真っ向から対立する両者の主張ですが、私からすればどちらも本音を話していないように感じ、しばらく様子見をすることに決めたのでした。

とはいえ、Yさんとの面談は「面と向かって注意をすると色々角が立つので、就業開始して半年経った節目として意見を聞きたいというようなアプローチを建前に彼女の本音を探る」というものでしたから、結果をS課長に報告しなければいけないのです。

「めぼしい情報は何も得られなかった」という報告にS課長はどのように反応するのでしょうか。

別日にS課長とアポをとりK社に訪問をします。

「すみませんね、お忙しいところわざわざお越し頂いちゃって。どうでしたYさんとの面談は?」

のんびりした様子で質問してくるS課長。もともと話好きなのか雑談も含めて気さくに話してくれる人柄もあり、私の持つ印象は悪くありません。

しかしYさんの話を信じるのであれば、「B常務に自分の失敗を告げ口されて、Yさんが社員へのパワハラめいた言動をしたと濡れ衣を着せようとしている人」ということになります。

Yさんの話は説得力のあるものでしたが、どうも目の前にいるS課長のイメージと一致しないのです。

慎重に言葉を選びながらS課長の質問に答えます。

「面談では、まずB常務との関係について質問を始めました。B常務と信頼関係が作れているというS課長からのご評価を喜んでいましたし、本人としても手応えはあったようでした」

「そういった良い評価の話で気を良くした流れで、今度は所属している秘書担当の職場環境についても質問をしてみたんです・・・」

話の本題にS課長が少し身を乗り出します。

「残念ながらという表現が正しいかわかりませんが、秘書担当での人間関係を含めた職場環境については不満も不安も口に出ませんでした」

「不満・不安がないかをあまりに掘り下げるのも不自然ですから、期待していたような情報は得られませんでしたが面談を終えました」

私からの報告にS課長は驚きとも落胆とも判断のし難いため息をつきます。

「・・・そうですか。本当に不満がないのかなぁ・・・」

「何か思い当たることでもありましたか?」

「いやぁ、ついさっきもウチの若手社員に強めの注意をしててね。プリンターに紙を置きっぱなしだったみたいなんだけど」

「それが結構な言いようでさ。『セキュリティーが大事なこの時代に、こんな内容の書類を置き去りにするなんて何を考えてるんですか!!』ってね・・・」

「社員も言い返せないし、謝るんだけどさ。派遣の人にあんまりペコペコ謝るのも変じゃない。他の部署の目もあるし」

「仕方ないから、僕が『まぁまぁ』って仲裁に入ったんだけど、そしたら『課長はわかってないですよ!』とか逆に言われちゃってさ・・・」

「言い返そうと思ったら、ちょうどB常務から声がかかちゃってうやむやに終わっちゃったんだよね・・・」

S課長はため息混じりに話します。

うーん、悩みます。

Yさんの話を否定するわけではありませんが、これだけディティールの凝った話がYさんを陥れるための嘘だというようなことがあるでしょうか?

やはりYさんにも行き過ぎたところがあるに違いありません。

「・・・そうですか、申し訳ありません。Yがご迷惑をおかけしているみたいで。やはり私から直接注意をした方がいいと思います」

「先ほどのYに注意されたという社員さんなんですが、もし問題がなければこれまでのYの言動について、その温度感というか受け止めてのニュアンスを確認したくて、お会いさせていただくことはできませんか?」

方法はまた考えるにしても、やはりYへの注意喚起が必要だと考えた私は、2つのポイントから件の若手社員に会わせて欲しいと申し出たのでした。

  • S課長の話が信頼できる話であるかどうかの裏を取る
  • Yとの注意面談の際に、「S課長は告げ口をした私を陥れるために口からでまかせを言っているのだ」という反論を防ぐため、S課長からだけの話でなく当事者とも会ったという既成事実を作る
  • Yさんが若手社員に出すぎた言動をする理由もあるはずで、当事者の若手社員がどのような人物であるのか把握をしておく

「ウチの社員に会いたい。こんなことでウチの社員がでてくるものなんだか情けないけど、今後の対応の中で必要だと思うのならいいですよ。ちょっと呼んでくるね」

そう言ってS課長は席を外したのでした。

長くなりましたので、続きは続編とさせて頂きます。

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   →続編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15  →続編16

→続編17  →続編18