【続編⑨】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

【続編⑨】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてK社で秘書として半年ほど働いてくれている40代女性の派遣社員Yさんですが、派遣先から「秘書という立場を悪用して部内で好き放題やっている」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Yさんとの注意面談

「・・・S課長がおっしゃるそのお二人へ私がした強い言動というのはどういった言動のことをおしゃっているんでしょうか?」

質問に対して質問で返してきたYさん。さてどのようにボールを打ち返しましょうか。

「いえ、S課長はあまり具体的に話してくれなかったんですよ」

「おそらくあまり具体的に話しても見解の異なる話になるだろうし、頭のいいYさんのことだから、社員2人に対する言動に配慮をしてほしいという指摘をするだけで察してくれると考えたんじゃないでしょうか」

質問に対して質問をしてきたYさんの話のペースに乗ってしまっては私ばかりが話すことになってしまいます。

切り返しのポイントはYさんの自尊心をくすぐりつつ、これ以上Yさんが私に質問ができないように防衛線を張るということです。

具体的には「頭のいいYさんだから・・・」「・・・察してくれる」といった辺りの言い回しになりますが、Yさんがこの後も私に対して秘書然と余裕を持った態度を貫こうするならば切り返しは難しいはずです。

「・・・そうですか。わかりました」

どうやらYさんは自分の秘書としてのプライドを選んだようです。

ここまでのやり取りで「受け止め方の違いはあるものの、派遣先S課長の言う社員二人への強い言動は否定しない」というYさんと私の暗黙の合意が出来上がりました。

「それで改めておうかがいしたいのですが、S課長のおっしゃる社員二人への言動というのはどのようなものなんですか?Yさんのお心あたりの範囲で構いませんので」

私からの質問にYさんの眉間のしわは益々深く刻まれるのでした。

「・・・心当たりといえば、彼らの仕事ぶりですとか、仕事に対する心構えみたいなところの甘さが散見されるものですから、私の仕事に影響があるときに注意をしているということでしょうか・・・」

「私は間違ったことは言っていないと思いますし、それほど強い調子で注意したつもりもありません」

「私の仕事はB常務の仕事に直結するようなところがありますし、S課長も理解してくれると思ったんですが・・・」

「やはり派遣は余計なこと言うなって事なんですかね・・・」

Yさんは自嘲気味につぶやくように言うのでした。

Yさんの言うこともごもっともです。

派遣という「外部人材」として縁もゆかりもないK社に入り、気難しいB常務のもとでいきなり即戦力としての働きを求められ、それに見事答えてきたのです。

障害者というハンディキャップに配慮をしなければいけない相手とはいえ、K社の社員にその足を引っ張られるようなことがあればイライラするのもわかるというものです。

それなのにB常務を任せっきりのS課長は自分の部下ばかり守るというようなスタンスなのであれば「派遣は余計なこと言うなって事なんですかね・・・」くらいの口は当たり前とも言えます。

「Yさんがおっしゃることわかりますよ。モチベーション下がりますよね・・・」

私も心からそう思ったので、Yさんに同調します。

「ただ、上司として部下を守らなければいけないというS課長の考えも納得はできるところで、歩み寄るべきは歩み寄らなければいけないと思うんです」

「私は間に立つ立場ですから、両者の意見調整をして問題解決を図ろうというスタンスなんですが、そういった視点に立ったときにYさんからみて先方に改善をしてほしいことと、自分はこうしていこうといったことはありますでしょうか?」

ここから問題解決のための材料集めの段階に入ります。

Yさんにも行き過ぎたところがあったのかもしれませんが、そもそもの問題は若手社員二人の仕事ぶりから端を発したトラブルです。

先方にも改善を図ってもらう代わりに、こちらも改める必要がある部分は改めるといった対応がセオリーでしょう。

Yさんの話ぶりからみて、自分に全く非がないというニュアンスは感じられません。

「Yさんからみて先方に改善をしてほしいこと」と先に聞き、その後に「自分はこうしていこうといったこと」という婉曲な表現で反省すべき点を聞くことで彼女のプライドを保ちつつ、改善点をあげてもらいます。

「S課長の部下を大事に思う気持ちはわかりましたが、私もB課長の部下です。派遣とはいえ業務を担っているわけですから、そこは尊重をしてほしいです」

「お二人の社員については、私が育成をどうこういう立場でもないので、今後は口を挟まないようにします」

Yさんの言う「自分も部下として尊重してほしい」という主張は正論です。彼女のモチベーション維持の問題もあり、S課長にきちんとフィードバックをしなければいけません。

また若手社員二人には口を挟まないという点については、単にYさんが我慢をするということであって少し不健全です。

「Yさん、そうしたら社員二人の件は何か気になる点があればS課長にお伝えするということにするのはどうですか?」

S課長に対する信頼感が薄れているYさんは少し訝しがりながらも納得はしてくれたのでした。

さて、大体の段取りは整いました。最後はS課長と認識合わせをしてこの件は解決に導くことができそうです。

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