【続編13】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてK社で秘書として半年ほど働いてくれている40代女性の派遣社員Yさんですが、派遣先から「秘書という立場を悪用して部内で好き放題やっている」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先S課長の無茶振りを切り返す

「Yさんはオタクの社員なんだからなんとか指導をしてくださいよ!」と私に詰め寄ってくるS課長。

しかし私はこれまで派遣会社の営業担当としてやるべきことはきっちりやっています。

これまで相談をしながらYさんの対応をしてきたのに、突然「なんとかしろ!」と言われるのは、私からしたら「梯子を外された」感覚であり、はいはいと従うつもりはありません。

直接の接点が多い秘書という立場を利用して、B常務にS課長の悪評を吹き込むのは良くありませんが、Yさんの言うことは全くの事実無根ということではないようです。

だからこそB常務に叱られたのかもしれませんし、だとしたら私への発言は八つ当たりということになるのです。

さて、派遣先はお金を支払って頂いているお客様です。

彼の発言には納得はいきませんが、感情のままに言い返すわけにもいかないのです。

S課長の弱点は、Yさんに悪感情を抱きつつも、Yさんに大きくモチベーションを落とされたり、辞められては困るということ。

対して私はYさんが辞めてしまったところで、取引の一つがなくなってしまったにすぎません。

売り手市場のこの世の中、優良な派遣先などいくらでもあるのです。

ここはYさんを人質にとって、私を業者扱いするS課長との立ち位置をグッとこちらに有利なものに引き戻してみましょう。

「・・・そうですか、Yがそんなご迷惑を・・・」

私は視線を少し落とし、思いつめたようなそぶりを見せます。

「先日注意面談をしたばかりですのに逆効果になってしまったようで申し訳ありません」

大袈裟なくらい大きく頭を下げてお詫びをします。

「課長のおっしゃる通りどうにかしなければいけないと思うんですが、やはりもう少し強く注意をしなければいけないと思うんです」

「秘書という立場を使って、職場の秩序を乱すようなことをするのであれば、先々の御社から契約更新をいただけるかどうか危ぶまれるですとか、そういった進退にかかわるアプローチです」

「だいたいまだ入社して半年なのに、B常務にうまく取り入って部署内を自分の好きなようにしようだなんてどうかしてます!」

「今時点でこのような振る舞いをしているYが見違えるように変わるとも思えません。ここは契約終了も含めて強気の対応をした方がいいと思うのですがいかがでしょうか!?」

セリフに少し怒気をまとわせ、Yさんに対する個人的な悪感情があるかのような発言をするのです。

私が何を狙っているかお分かりでしょうか?

「怒っている相手よりも、私が必要以上に怒って、相手を冷静にさせる」ことを狙っています。

S課長は「Yさんはオタクの社員なんだからなんとか指導をしてくださいよ!」とは言いつつも、八つ当たりであり、半分本気ではないでしょう。

私が困るのを見てストレス解消をしたいのです。

そんな対象である私がS課長以上にYさんに対して感情的になり、強気の対応をしようとしている。

それが裏目に出た時に困るのはS課長であり、私ではありません。

「ちょっとまって。そこまで強気にやってもらう必要はないんだ」

「いや、でもS課長のおっしゃる通りだとしたらYはタチが悪いですよ!!」

私は駄目押しに鼻息荒く返答します。

「いや、変に強気に対応して別のトラブルになっても困るからさ・・・いやちょっとお互い冷静になりますかね・・・」

どうやら私の作戦は成功したようです。

「・・・そうですか?すみません、私が興奮してしまって・・・課長のお話をうかがうかぎり、どうもYのやり方に納得がいかなかったものですから」

「まぁ、そう言ってくれるのはありがたいんだけどね・・・」

S課長はおそらく「おいおい、こいつ大丈夫か?」と思っているに違いありません。

おかしな物の頼み方をすると、どんな対応をするかわからないぞと懸念を持ったことでしょう。それが私の狙いでした。

「とはいえ、どうするかなぁ」

途方にくれるS課長。先程は私への無茶振りに腹が立ちましたが、頭を抱えたくなる気持ちは分からなくありません。

「課長、先程は極端な言い方をしてしまいましたが、正直なところ、何か手を尽くしたところでYがS課長にご満足を頂けるようなかたちになるとはちょっと思えないんです」

「課長にご理解を頂いているかわかりませんが、これまでYの対応については精一杯やらせて頂いていたつもりです」

改まった調子で話し始めた私に、S課長は少し調子を狂われたように「あっ、あぁそうだね、あなたはやれることをやってくれている」と答えます。

「ご理解を頂いてありがとうございます。これまでの経緯からしてどちらかしかないと思うんです」

「一つはYの部内での振る舞いは行きすぎたところもあるが、B常務の秘書としての業務を優先して様子を見守っていく」

「もう一つは労務トラブルの懸念がありますが、契約のタイミングで人を入れ替えるということだと思います」

「投げやりな言い方に聞こえたら申し訳ありませんが、彼女の性格や秘書として高い業務評価を頂いている現状を踏まえると、実際問題どちらかを選んでいくしかないと思うんです」

総務部秘書担当の責任者であるS課長の仕事はB常務をはじめとした役員がスムーズに仕事ができる環境を作ること。

B常務から高い評価を頂いているというYさんを簡単に辞めさせることができるわけはないのです。

ちょっとした賭けにはなりますが、S課長自らが選んだという事実も今後の対応の中では重要な対応履歴です。

いくらYさんに悪感情を持っているS課長とはいえ、実務をなおざりにした判断はできないでしょう。

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