【続編15】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

【続編15】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】まさに「虎の威を借る狐」、秘書の立場を悪用して正社員にパワハラする派遣社員Yさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてK社で秘書として半年ほど働いてくれている40代女性の派遣社員Yさんですが、派遣先から「秘書という立場を悪用して部内で好き放題やっている」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

派遣社員Yさんからの相談とは?

「B常務からは親会社に一緒に着いてきて欲しいと言われまして・・・」

わざわざ当社のオフィスまで来社してくれて口から出た相談は意外なものでした。

今はまだ4月上旬、役員人事が発表される株主総会の6月下旬までずいぶん時間があります。

大体の人事の目処はついている時期なのでしょうが、外部人材である派遣社員のYさんに直接伝えるとなると話は別なのです。

YさんはB常務からそこまで信頼されているということなのでしょう。

「そうですか・・・それはYさんがB常務からご評価をいただいているということでありがたい話ですね。それでYさんはどのように返答したいと考えられているんですか?」

「通勤が遠くなるので交通費が増える分を配慮して頂ければB常務について行きたいと思います」

すでに私に相談する以前にYさんの考えは固まっているようでした。

「そうですか。そういった実務的な交渉は移る先の親会社の担当者とすることになるでしょうから、まだ明確な答えが出せませんね・・・」

「あと、親会社のほうで必ずしも当社にお声がけを頂けるとも限りませんし・・・」

B常務とYさんのこのペアは、親会社に行っても強固な信頼関係を保ち、その信頼関係を背景に今のK社と同じような部内でのトラブルが起こる心配があります。

正直なところ、ここで手を引けるのであれば、それも良いきっかけかと考えると、自然と返答の歯切れも悪くなります。

「実はその話はB常務としていまして、有給の件もあるし引き続き今の派遣会社でということと、交通費分は配慮を頂けるという内諾を頂いています」

・・・ずいぶん手回しの良いことです。

ここはまたしばらくYさんと付き合う覚悟を決めた方が良さそうです。

「わかりました。ちなみにS課長始め、K社の皆様はまだこの人事を知らないという理解でよろしいですよね?」

「はい、そうです。この人事の件は一切他言無用でお願いします」

Yさんらしい隙のない事前の段取りで、あっという間に話はまとまったのでした。

S課長にもこれくらいの段取り力があってくれればいいのですが。

S課長の決断は?

突然のYさんの相談に気を削がれましたが、先日の打ち合わせでS課長には今後のYさん対する方針を決めるように迫っていたのでした。

  • Yは本業である秘書業務を立派にこなしているので、対象のことは目を瞑り、しばらく様子見
  • Yを現契約の満了を持って終了させる(更新回数・機関ともに雇い止めには当たらないが、業務評価は高いためにYさんからの申し立てで労務トラブル化する懸念高い)

B常務が親会社に栄転するにあたってYさんを連れて行くという話ですから、私の中では「時間が解決すること」とすっかり優先順位を下げてしまっていたのですが、その間もS課長は上司の部長や関係者の意見調整をしていたようでした。

Yさんが来社した数日後、再度S課長と打ち合わせの場を設けました。

「この前のYさんをどうするかって話なんだけど、部長とも話して結局今回の6月末までの契約で辞めてもらうことにしたよ」

えっ?そっちですか?

二択で返答を迫ったものの、気難しいB常務との信頼関係が出来上がっているYさんを終了させるという判断をするとは思ってもみませんでした。

しかもB常務は7月からは親会社に異動するわけで、Yさんも一緒にいなくなるのです。

絶対に口外できない情報ですから、おくびにも見せない努力をしなければいけませんが、彼の判断のタイミングの悪さに哀れみすら感じます。

さて、どうしたものか・・・

「S課長、私から投げかけをしておきながら恐縮ですが、Yを終了させて大丈夫なんですか?」

「いやぁ、部長とも話してね。6月末で株主総会前の節目のタイミングだし、常務にも上申しやすいという話になってね」

「B常務は着任1年目だから来期も続投だろうけど、秘書変えるタイミングって言ったら、このタイミングしかないから」

いやいや、ですからB常務は異動するんですって・・・

「B常務にはタイミング見て部長と一緒にYさんの部内での振る舞いを理由に終了をさせたいという話をするんだけど、並行してYさんの対応も必要など思うんですよ」

「理想は本人から辞めたいと言ってくれるのがいいんだけど・・・」

またおかしいことを言い始めました。

B常務が異動をするという話がなかったとしても、これまでの経緯の中でYさんが自発的に退職をするなどというきっかけはなかったはずです。

ようするに無茶振り、まだ懲りていないのです。

さて、口外のできないB常務の異動に加えてのこの無茶振り。どのように切り返して行きましょうか。

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