【続編②】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編②】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社でスタートしたばかりの30代男性の派遣社員Kさんですが、派遣先から「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先R課長へのヒアリング

「別の集計ファイルからある商品の売り上げだけを抜き出して、フォーマットのある見積書に見積金額を入れるという簡単な作業なのに全くできない。どうにかして欲しい!」というR課長。

オーダーのヒアリング時にR課長から必要だと言われていたスキルは次のようなものです。

  • Excelのセルの結合やセルの書式設定、簡単な四則演算、フィルタといった基本操作

R課長のいう作業を想像するに、確かにこれらのスキルがあれば実施することができそうです。

  • Excelのフィルタ機能を使って、集計ファイルから特定の商品の売り上げだけを抜き出す
  • 合計金額を既存の見積書の金額欄に入力する

Kさんはこんな簡単な作業のどこにつまずいたのでしょうか?

「R課長からご覧を頂いていて、Kはこの作業のどこにつまずいているようでしたでしょうか?」

R課長は少し考え込んでから答えます。

「そうだな・・・集計のところでつまずいていましたね」

「まず、共有フォルダのファイルを開いてって言ったら、共有フォルダという言葉にピンと来ていないようでしたし・・・」

「そのExcelのファイルは結構データ量の大きいものなんですが、きちんと下までフィルタがかかっているかという確認もしなかったし・・・」

「たまたま加工途中だったこともあって、数字の一部が文字列のままになっているのも気がつかなかったし・・・」

なるほど、なんとなくミスマッチの理由がわかってきました。

人選前のヒアリングでは、R課長は今回の業務と求めるスキル・経験について次のように話していました。

業務内容

営業課長であるR課長のアシスタント的役割として、専用システムやファイルから簡単な数字を抜き出しての集計作業や、既存のフォーマットを使用しての見積書や契約書などの作成、専用システムを使用しての社内決済、R課長の代理で社内周知と結果回収、社内外のメール対応、社内外の電話対応

求めるスキル・経験

  • Excelのセルの結合やセルの書式設定、簡単な四則演算、フィルタといった基本操作
  • 一般事務や営業事務などの事務経験
  • 営業部署での事務として社内外と円滑にコミュニケーションが取れれば望ましい

R課長からの話のニュアンスとして、高いスキル・経験というよりは基本的なOAスキルと事務経験さえあれば、どちらかというと社内外とのコミュニケーション能力を重視したいというようなコメントが多くあり、事務経験があり明るい人柄のKさんを派遣したのでした。

ここまでのR課長からのヒアリングで私が考えた仮説は次のようなものです。

派遣先R課長を起因とするミスマッチの原因は?

  • R課長が「簡単な集計」と言う作業が、元データの大きさや複雑さによって、実は簡単な集計作業ではないかもしれない
  • 興奮すると早口になり、畳み掛けるように話すR課長の様子からして、Kさんが仕事のやり方を聞きづらい状況があり、理解をしないままに仕事を進めている可能性がある

派遣社員Kさんを起因とするミスマッチの原因は?

  • Kさんには要望通りの事務経験やExcelの基本操作のスキルがあるが、D社での業務は主体的に仕事をしていくタイプのものであるのに対し、これまでのKさんの事務経験は「決まった仕事を決められた通りに淡々と行う」といった受け身なものであって、同じ事務とはいえ、スタンスの違いに戸惑っているのかもしれない

この段階ではあくまで仮説ですし、最終的にミスマッチの原因は当社、すなわち私のヒアリング力不足にあります。

ただ、派遣先と派遣社員それぞれに考えられるミスマッチの原因を突き止め、対策を働きかけていくことで解決に導くことができることも多いのです。

「課長、おうかがいする限りExcelのスキルの問題というよりは、Kに大きなデータを元にした集計作業の経験があまりないことが原因かもしれません」

「あと、彼はこれまで比較的大きな事務センターのような職場で事務をしていた経験が長いですから、今回の仕事のようにマントゥマンで、機転を効かせながら仕事をするということにもミスマッチを抱えているかもしれません」

「いずれにしても本人にも現状の理解をヒアリングをしてみたいと思うのですが、課長から他にご指摘はありませんでしょうか?」

R課長は私からの答えに少し不満そうに話し出します。

「・・・大きな事務センターで事務やるのと、うちみたいな職場で事務やるのってそんなに違うっていうんですか?」

「あと、集計って言ったって単にフィルタをかけて合計を出すだけですよ」

このままR課長の納得を得られずに話を進めても良い解決には結びつかなそうです。もう少し話を掘り下げることにしましょう。

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