【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社でスタートしたばかりの30代男性の派遣社員Kさんですが、派遣先から「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先R課長へのヒアリング

興奮すると早口になり、畳み掛けるように話してくるR課長。

これまでのやり取りから今回のクレームの原因はKさんのExcelスキル不足といった単純な問題ではなく、Kさんのこれまでの業務経験とのミスマッチに加えて、R課長に質問をしづらいといった職場環境が原因ではないかと想定されたのでした。

R課長からは一通りのヒアリングを終え、次にはKさんの話を聞いて見ないことには話が進まないのですが、R課長はなかなか解放をしてくれないのでした。

「・・・そうですね。同じ事務でも職場によってやり方が違いますから、Kも御社での仕事の仕方に少し戸惑っているのかもしれません」

「なんにしても本人の考えを聞いてみないと今後どのように改善をしていったらいいか策も練れませんし・・・」

暗に「あなたとこれ以上話しても何も進展はありませんよ」と伝えたつもりです。

R課長は納得のいかない様子で考え込んでいます。

「・・・あなたのおっしゃる改善策ということなんですが、私としてはKさんがオーダーしたスキルを持っているとは思えないんですよね」

・・・ん?何か雲行きの怪しいことを言い出しました。

「R課長、それはKを入れ替えろという意味でしょうか?」

興奮すると早口になり畳み掛けるように話してくるR課長。おそらく彼はせっかちなのでしょう。

言葉を選んで遠回りに話をしても、彼を無駄にイライラさせて感情的にさせるだけです。

ここはズバリ本題をぶつけてみたのでした。

「まぁそうですねぇ。お願いしたスキルがないんじゃ契約を守っていることにならないじゃないですか」

「御社ではOAスキルはどんな風に確認をしているんですか?」

・・・どうやら結論ありきであったようです。どうりで思ったように話が進まないわけです。

さて、どうしたものでしょうか?状況を整理してみましょう。

  • R課長はKさんの改善や業務習熟をして欲しいといった思いはなく、すぐにでも人を変えて欲しい考えている
  • その論拠は業務を行うためにKさんに求めていたExcelスキルがなく、D社と当社との派遣契約の内容が履行されていないというもの

さて、R課長の言う「Kさんには契約上求められている業務が行えるスキルがないのだから契約を守っていない」「だから然るべき人にすぐにでも変えて欲しい」と言う要望は正しいものなのでしょうか?

私の考える論点は次のようなものです。

  • R課長の主張だけが正しいとは限らず、もう一方の当事者であるKさんの話を聞かずして「契約が守られていない」とするのは強引である
  • 全ての業務ができていないという指摘ではなく、一部の業務が今現在上手くできないことだけを持って「契約が守られていない」とするのは強引すぎる
  • スタート1週間という短期間でKさんの全てを見極めたような物言いは強引である
  • Kさんの言い分も確認した上で改善指導の機会を設けようとしないのは、当社とD社との間で締結した基本契約に定めた「トラブルが起こった際は両者協議の上、誠意ある対応を行う」とした契約内容に反する(基本契約書の内容は会社間ごとに違います)
  • 派遣法では派遣先企業に対して、派遣社員に対しても業務上必要な教育訓練を行うことを努力義務(2020年4月より義務化)としており、今回の一方的な判断は法の主旨に反する

いずれにしてもR課長の言う「契約を守っていないからすぐにでも人を変えてくれ」という主張は強引で、いくらでも反論の余地はあるのです。

とはいえ、R課長はお客様の一人。他の当社の派遣社員も就業をしているのです。

どこまでが本当でどこまでがR課長の思い込みなのかはわかりませんが、できるだけ穏当に話を切り返していかなければいけません。

世の中には自分の要求を確実に通すために、始めに冗談とも思えるような無理難題をふっかけて、こちらが解決のために歩み寄る土俵を上げ、少しでも自分に有利な結論を引き出そうとするような猛者もいるのです。

そこには常識とか、契約とかいう概念はなく、単なる駆け引きでしかありません。

R課長がどのような考えかわかりませんが、相手の土俵にならないことが肝心なのです。

「・・・R課長、Kにも聞いてみないといけませんが、今回の件はExcelスキルだけの問題ではないと思っているんです」

「仮にそうだとしても、Excelの基本操作でしたら、私がKに教えてできるようにすればいいことですから、それを持って契約が守られていないので人を変えろというのは難しいかと思っているんです」

私からの反論に不満そうな表情のR課長。

まだ私からの反論は終わっていないのです。

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