【続編 ⑦】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編⑦】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   ←前編⑥

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15

私の担当派遣社員としてD社でスタートしたばかりの30代男性の派遣社員Kさんですが、派遣先から「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

気を取り直して派遣先R課長へ再度のヒアリング

R課長の言う「契約が守られていないからKさんを入れ替えて欲しい」という主張の矛盾をつき、また労務トラブルになった場合の懸念にも言及して、なんとかKさんへの改善指導により様子を見るというところまで持ち直すことができました。

散々苦労したものの、結局はスタート地点に立っただけ、気を取り直してR課長へのKさんに関するヒアリングをしなければいけません。

  • 「できない」とする具体的な作業はなんなのか?
  • どのようになれば「できている」という判断をしてもらえるのか?

これはヒアリングでもあり、先々のコミットなのです。

R課長からのヒアリングだけでなく、Kさんからもヒアリングを行い、お互いの「できない」と、どのようにすれば「できている」になるのかをすり合わせなければいけません。

いわば両者合意の現状認識とゴールを作るわけですから、ズレのないように抜かりなく調整をしなければいけないのです。

「R課長、話が元に戻って恐縮なのですが、ご依頼を頂いている業務内容を行うためにKには何が足りないとお考えでしょうか?」

Excelスキルの不足をきっかけとしながらも、結局は業務の成果物責任を問うような不用意な発言をしたことで私に揚げ足を取られての現状ですから、R課長も少し構えているようです。

「とりあえずExcel基本操作のスキルはないんじゃないかと思ってますよ」

「課長、そこの認識なんですが、もともとお聞きしていた必要なスキルとしてはExcelのセルの結合やセルの書式設定、簡単な四則演算、フィルタといった基本操作と聞いていたんですが、これが全部できていないということでしょうか?

R課長は少し考えてから口を開きます。

「うぅぅん、全部試したわけじゃないからなぁ。なんとも言えませんね・・・」

「正直私も余裕がなくて、彼のスキルを一から十まで確認する時間がないんですよ」

忙しい身なのでしょうから、言いたいことはわかります。

ですが、Kさんのスキルも満足に把握していないのに、何を根拠に「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」と言っていたのでしょうか・・・

「ということはKには何が足りていないのでしょうか?先ほど課長はExcel基本操作が全く出来ないとか、頼んだ仕事ができないとおっしゃっていたと思うんですが・・・」

「そうだなぁ。なんというか一緒に仕事をしてみないとわからないとかもしれません。表現が難しいんだよなぁ。要するに要領が悪いのかなぁ」

よくわからないけど仕事ができないから人を入れ替えて欲しいなんてなんの理屈にもなっていないのです。

「そうですか・・・ただそれではなんの改善策も打てませんし、少なくともいま契約をさせて頂いている期間の間、Kがお仕事でお役に立つことができませんしね・・・」

R課長が何を持ってKさんを「できない」というのかがはっきりしない以上、Kさんになにかの指導やアドバイスをすることもできません。

R課長との現状認識の共有すらままならないのであれば、この後Kさんと認識を合わせることなど到底できないのです。

このままではKさん分の契約更新があるとは思えませんし、今の契約期間にしてもお互い不満を持ちながら働くことになってしまいます。

何か打開策はないものでしょうか?

「課長、正直課長のおっしゃる『Excelの基本操作が全くできない』とか『アウトプットが出せない』といったお話がピンと来ていないんです」

「課長がおっしゃるとおり、一緒に働いたことがないからだと思うんですが、何か私がKの仕事ぶりを知るような機会を設けることはできないでしょうか?」

一緒に仕事をしているR課長は「Kさんはスキル・経験が足りないし、今回の仕事を任せるには役不足だ」と強く感じているようです。

当初はExcelスキル不足の問題といった主張をしていましたが、今やその論拠はあやふやなもので、R課長の主観が先に立っている印象が拭えません。

本来派遣会社の営業担当からこのような提案をすることはありませんが、R課長が持つKさんに対する不満をはっきりさせない事には話が進まないのです。

「そうですね・・・そうしたら勤務扱いでいいので、そちらでKさんを1日なり預かってもらってOAスキルの研修をしてもらえませんか?」

一瞬戸惑いましたが、R課長のアイデアは悪くありません。

勤務扱いということですからKさんへの給与原資も確保しつつ、OA研修のていを保ちながらKさんのOAスキルを確認したり、仕事の仕方をある程度確認することができるのです。

私の営業担当としての1日をKさんのスキルや仕事ぶりの確認に充てることになり、営業稼働が減ってしまうのは痛手ですがそうも言っていられないでしょう。

「わかりました。ではこの後Kと話をさせて頂いた上で、明日1日Kを私の方で預からせて頂きます」

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   ←前編⑥

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15