【続編⑩】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編⑩】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   ←前編⑥

←前編⑦   ←前編⑧   ←前編⑨

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15

私の担当派遣社員としてD社でスタートしたばかりの30代男性の派遣社員Kさんですが、派遣先から「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Kさんに研修実施

さて、KさんのOAスキルや仕事ぶりを確認するために、テストのようにお題を出して作業を行ってもらいます。

まずは1問目、「数ヶ月分の複数の商品の売り上げ状況のサンプルデータを用意し、「Excelでお客様に毎月定期的に見積書や請求書を発行できるように、社内の数人が一緒に利用する集計表を作成する」というテスト。現有のスキルのみで出来る限り使いやすく作れれば良い」というものです。

本来、派遣会社でこのような取り組みをすることはありませんから、元データからわざわざ私が作りました。

手元にあるのは大量の伝票を模した紙片。

いまどき紙の伝票を使っている会社も少なくなりましたが、あくまでテスト用ですから作りやすさ、分かりやすさ重視です。

  • 発注のあった日にち
  • 発注のあった商品名
  • 発注のあった商品数
  • 発注額
  • 発注元(お客様企業名)

これらの情報が書かれた大量の紙片を、表にまとめていきます。

発注ベースの伝票ですから、このデータをまとめることで簡単に見積書を作ることができます。

「ではKさん、早速これらの伝票を表にまとめてもらえますか?」

「その後に私から商品名や発注日などを指定して見積書を作ってもらうようにしますので」

私は専門で事務をしたことがないので、私なんかよりも各段に高度で効率的な事務処理ができる人がたくさんいる事を知っています。

ただ、今はKさんにそのような高いレベルの処理を求めているわけではなく、R課長が当初から求めている、Kさんが自己申告や当社のスキルチェックなどで「できる」としたExcelの基本操作が単に機能として操作できるだけなのか、実務に活かすことができるのかといった基本的なところを知りたいのです。

あまりじっと見ているのも失礼ですから、会議室で向かい合わせに座るようにして、私は私で目の前にパソコンを置き、並行して別の作業をしています。

さっそく伝票を手にしながらパタパタと入力をし始めたKさん。

私は先に表から作るタイプなので、いきなり入力をし始めたKさんに少し驚きましたが、人には人のやり方があるので、いきなり口を出すのも良くないでしょう。

それから20分くらい経ったでしょうか。

「すみません、ちょっと聞いてもいいですか?」

Kさんが私に声をかけてきます。

「とりあえず入力するだけしてみたんですが、ここからどうしたらいいでしょう?」

ん?

画面を覗いてみると、KさんはExcelに伝票の情報をベタ打ちしたのみで私に声をかけたようです。

「Kさん、私はKさんがどんな仕事の進め方をされるのかを知りたいので、自分でどのような表にするかを考えてもらっていいですか?」

「伝票の元データを集計して、すでにフォーマットが作られている見積書に金額等々を入れていくという意味ではD社での仕事と似ていると思ってこの問題を作ったんですよ」

「今の職場での作業の仕方も参考に、とりあえず作ってもらってもいいですか?正解とか不正解とかはないので」

Kさんは困ったような顔をしながらも「わかりました」と答えます。

それから10分ほど。

うんうん唸りながら作業を続けるKさん。

私がいてはやりづらいかなと思い、「Kさん、私20分ほど席を開けますね。また戻ってくるので、そこまでで出来る限りでいいので進めておいてもらえますか?」

私は席を立ち、別の会議室で他の仕事を進めるのでした。

さて、20分後、最初の10分も足して、30分間が経っています。

伝票の情報は入力されているわけですから、作表をするだけの話です。さほど時間がかかる作業でもありません。

「どうですかKさん、できました?」

はにかみながら「できるだけやってみたんですが」というKさん。その困ったような表情を見て少々不安になります。

パソコンの画面を見ると確かに表は出来上がっています。

しかしパッと見ただけでもいくつかの問題点が。

  • 先頭行に項目名がないので、フィルタやピボットテーブルを使用するときに不便
  • 途中の列に空白の列があり、フィルタやピボットテーブルを使用するときに不便
  • 商品数を「○個」、発注額を「○円」と入力しているために数字でなく文字列として認識され集計ができない
  • なぜか途中の列の2つの列を結合した列があり、意味がないし、フィルタやピボットテーブルを使用するときに不便
  • カタカナの含まれた商品名で、同じ商品なのに行によって全角と半角が混在しており、フィルタやピボットテーブル、vlookupを使用するときに不便

もともとD社がKさんに求めているOAスキルはExcelのセルの結合やセルの書式設定、簡単な四則演算、フィルタといった基本操作です。

この表を見る限り、その大体のスキルは使えるのでしょう。

しかし、私はKさんに「Excelでお客様に毎月定期的に見積書や請求書を発行できるように、社内の数人が一緒に利用する集計表を作成する」という問題を出しました。

定期的にKさん以外の人も利用する表という意味ではできていないことが多いのです。

R課長のいう「全くできない」という理由がなんとなくわかってきました。

さて、どこから突っ込んで行きましょうか・・・

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   ←前編⑥

←前編⑦   ←前編⑧   ←前編⑨

→続編11  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15