【続編11】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編11】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   ←前編⑥

←前編⑦   ←前編⑧   ←前編⑨

←前編⑩  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15

私の担当派遣社員としてD社でスタートしたばかりの30代男性の派遣社員Kさんですが、派遣先から「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Kさんに研修実施

Kさんの実力を確認するためにD社での実務を想定した問題を実施してもらったものの、思った以上の結果に私はどこから手をつけていいものやら戸惑っていました。

R課長の言っていた「なんというか一緒に仕事をしてみないとわからないとかもしれません。表現が難しいんだよなぁ。要するに要領が悪いのかなぁ」というコメントは、この戸惑いを表しているのかもしれません。

この後のヒアリングの前に、Kさんに視点を置いた仮説を立てて見ましょう。

  • 機能としての基本的なOAスキルは持っているようだが、実務に必要な「誰もが使いやすい」とか「継続的に使用ができる」ように心がけるといった発想が薄いのではないか?
  • 自分で考える前に答えを聞くという姿勢や、自分で考えるだけの事務経験の引き出しが少なく、自ら機転を聞かせて仕事を進めるアシスタント的な役割に向かないのではないか?

つまりKさんは今回のような業務よりも、決まった仕事をコツコツと真面目に正確に行う業務に適性があるのかもしれません。

「Kさん、今までExcelで一から表を作ったりしたことはありましたか?」

私の話ぶりからして、自分の作った表の出来が良くないと察したらしいKさんは少し自信がなさそうに話しました。

「・・・そうですね。経験はあるんですが、あまり凝ったものは作ったことがないです」

「これまでの経験としてはExcelは既に作られた表に数字や文字を入れていくということがほとんどでした」

Kさんのざっくりとしたこれまでの業務経験は次のようなものです。

  • 5年/工場での組立作業(正社員)
  • 1年/中堅商社での営業事務(派遣社員)
  • 2年/事務センターでの一般事務(派遣社員)
  • 現職

最初が最も古い職歴で、Kさんはもともと工場で作業員として働いていたそうです。

工場の閉鎖に伴い転職活動をする中で、同じ作業員ではなく、事務職へのキャリアチェンジを試みましたが、事務未経験で正社員の事務職に就くことは難しかったそうで、経験を積むために派遣で事務職に就き、今に至るということでした。

「そうですか。そうなると決められた手順に従って、決められたように仕事をすることが多かったですかね?」

Kさんは私からの質問に答えます。

「そうですね。特に直近まで働いていた事務センターでは業務が定型化していたので、まさに『決められた手順に従って、決められたように仕事をする』という印象でした」

「そうですか。確か事務センターの前に1年くらい営業事務をやっていたと思うんですけど、そちらはどんな感じだったんですか?」

「その時は今のD社みたいなアシスタント業務で、3名の社員のの事務処理をサポートしてました」

「最初は今の職場のようにランダムに仕事を任される感じだったんですが、徐々に定型的な見積書や請求書の作成の業務が増えていった感じですね。あとお客さんとのメールや電話対応なんかもやっていました」

ここまでのヒアリングで大体のことが理解できました。

書面や、簡易なヒアリングで読み取れるKさんの業務経験やOAスキルは、D社が依頼したい業務内容や求めるスキル・経験に合致をしています。

業務内容

営業課長であるR課長のアシスタント的役割として、専用システムやファイルから簡単な数字を抜き出しての集計作業や、既存のフォーマットを使用しての見積書や契約書などの作成、専用システムを使用しての社内決済、R課長の代理で社内周知と結果回収、社内外のメール対応、社内外の電話対応

求めるスキル・経験

  • Excelのセルの結合やセルの書式設定、簡単な四則演算、フィルタといった基本操作
  • 一般事務や営業事務などの事務経験
  • 営業部署での事務として社内外と円滑にコミュニケーションが取れれば望ましい

Kさんが就業開始する前にR課長からヒアリング内容を思い返してもズレは感じません。

しかし実際に働き始めたときにお互いの考えのギャップによりミスマッチが顕在化したということでしょう。

まずはR課長の見解の変化から予想してみましょう。

就業開始当初のR課長の見解

事務経験は直近で3年あるし、OAも基本はできるようだ。社内外のメールのやり取りもやっていたようだし、専用システムは就業開始してから覚えて貰えばいいからなんとかなるだろう。男性同士なら多少無理を言っても以心伝心で仕事ができるに違いない

実際に仕事が始まった後のR課長の見解

仕事の合間合間にできる限り指示やレクチャーをしているが、思った以上にKさんの飲み込みが遅い、仕事が進まない。Excelのスキルが足りないからか?それとも要領が悪いのか?

次にKさんの見解の変化。

就業開始当初のKさんの見解

求められている業務内容やスキルは大体経験があるから何とかなるだろう

実際に仕事が始まった後のKさんの見解

R課長のアシスタント業務なので実質1対1の人間関係。R課長はほとんど席にいないし、合間の時間に一気に指示とレクチャーを捲し立てられるので、何をどうしたらいいかわからない。自分の経験でどうにかなると思ったが、どうやら適性が違うようだ。

さて、両者の状況が大体理解できたところで、この後どのように問題解決をしていきましょう。

←前編①   ←前編②   ←前編③

←前編④   ←前編⑤   ←前編⑥

←前編⑦   ←前編⑧   ←前編⑨

←前編⑩  →続編12  →続編13

→続編14  →続編15