【続編12】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編12】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社でスタートしたばかりの30代男性の派遣社員Kさんですが、派遣先から「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Kさんにフィードバック

KさんのOAスキルや実務能力を確認するために来社してもらい、簡単なExcelの集計表を作ってもらいました。

そこから読み取れたのは、当初R課長から求められていたExcel基本操作のスキルはあるものの、これまで定型業務を中心に行なってきたことが原因しているのか、「自らの業務のプロセスを考え、どのようにしたら効率的に仕事ができるのか?」というKさんなりの工夫を感じないということでした。

R課長のいう「なんというか一緒に仕事をしてみないとわからないとかもしれません。表現が難しいんだよなぁ。要するに要領が悪いのかなぁ」というコメントがなんとなく理解できるようになってきた私。

Kさんに非があるわけではありませんが、経験を元に能動的な仕事を求めるR課長と、これまで定型業務が多く受動的なスタンスのKさんとのギャップは放っておいても改善されるものではありません。

このミスマッチを解決すべく、私が間に立って、それぞれにとってメリットがあるように調整をしなければいけないのです。

それにはまず目の前にいるKさんに正確に状況をフィードバックし、何をどうしていく必要があるのか伝えるとともに、そのフィードバックを受けてご本人が今後のD社での就業をどのように考えるかを確認しなければいけません。

「Kさん、色々聞かせてもらって大体状況が理解できました」

「Kさんにとっては気分の良い話ではないかもしれないんですが、聞いて頂いてもよろしいですか?」

Kさんは「一体何を言われるのか?」と少しオドオドしながら「はい」と答えます。

「R課長からはOAスキルの不足という指摘を頂いて、こうして研修を実施しているんですが、作ってもらった表や、職場での状況などをお聞きして、何がミスマッチの原因なのかが分かってきました」

「おそらくR課長はExcelの機能で何ができるか言うことよりも、これまでの業務経験から来る実務能力のことを言っているようです」

「それは例えばKさんに作ってもらった表が、次の工程である見積書に集計した金額を入れるにあたって、同じ商品なのに商品名が全角カナと半角カナで統一されていなかったり、金額に『円』数量に『個』と入力しているので数値として認識されないといったようなことです」

「つまり自分の仕事のプロセスや、一緒に仕事をする人の使い勝手が、実務経験の不足から十分に考えられていないという点だと思っています」

「R課長が仕事の合間合間に矢継ぎ早に指示やレクチャーをするのでどうしていいかわからないという職場環境については改善を申し入れるんですが、おそらくこのギャップを埋めないことにはお互いのミスマッチは埋まらないんじゃないかと心配しています」

「私の言うことはなんとなくでも伝わりましたでしょうか?」

Kさんは少し考えて答えます。

「わかります。僕が漠然と感じていた不安そのものだと思います」

「そうですか。ありがとうございます。働き始めてわかったことも多いということだと思うんですが、そういう仕事の仕方でKさんはD社での仕事が続けられそうですか?」

Kさんは私からの投げかけがとても重要なものだと理解してくれたようで、深く考え込みました。

「Kさん、別にここで結論を頂きたいわけではないので、答えを急がなくても大丈夫です」

「R課長にもこのミスマッチをお伝えした上で、改善や協力を仰ごうと思っているんですが、なんにせよ実際に職場で働くKさん次第なので私があんまり先走らないようにしようと思っています」

あっという間に2時間が経ってしまいました。

お昼休みの後には当社のOAのe-Learningを実施してもらおうと思います。

せっかく勤務扱いで研修ができるので、この際、覚えられるスキルは覚えて帰ってもらうに越したことはないのです。

派遣社員Kさんから声をかけられる

「今日はお疲れ様でした」

ExcelとWord、Outlookのe-Learningを完了したKさんに声をかけました。

派遣先からダメ出しをされた上に、その翌日には派遣会社で研修をさせられ、ネガティブなフィードバックまで受けたとあれば、Kさんとしては心身共に疲れ切っていることでしょう。

Kさんに同意をもらった上での研修とはいえ、仮に自分が同じような出来事が降りかかったとすれば納得のいかない思いになるはずです。

そう言った意味ではKさんを振り回してしまい、申し訳ない気持ちで一杯でした。

「ちょっといいですか?」

Kさんから改まって呼びかけられ、席に着きます。

「今日言われた今後のD社での仕事なんですけども、とりあえずやるだけやってみようかと思ってます」

「このまま受け身の仕事だけしかできないんじゃ、D社に限らずどこかで事務職としては行き詰まるんでしょうし」

「やるだけやってダメだったら、また相談をさせてください」

そう言い残して帰っていくKさん。

なんとかKさんもR課長も納得のできるような上手い問題解決をしたいものです。

それには今日の結果も踏まえてR課長との調整が不可欠なのです。

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